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中小企業診断士の広場

診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

パナソニック エコソリューションズ創研株式会社

取材・文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第1回】多くの方々とWIN-WINの関係を構築したい

取材日:2013年5月8日

パナソニック株式会社のグループ企業であるパナソニック エコソリューションズ創研株式会社。同社は、パナソニックグループの社員や、製造から販売まで、サプライチェーン内外の企業へ研修やコンサルティングを提供する企業です。その中で、パナソニック社員を対象に、社内中小企業診断士講座を開設したり、外部パートナー講師に中小企業診断士を多数活用したりと、中小企業診断士の知識やノウハウを提供コンテンツに活用しています。今回は、同社の代表取締役・加藤憲男さん、中小企業診断士講座を開設した柿木俊之さん、ご自身も中小企業診断士で研修コーディネーターの丹田浩司さんにお話をうかがいます。
 第1回は、研修のコーディネートを担当されている中小企業診断士の丹田浩司さんに聞きました。

お客様の業績を伸ばしたいという思いで中小企業診断士に

― 丹田さんも中小企業診断士だそうですが、なぜ資格を取得しようと思われたのですか。

丹田浩司さん
中小企業診断士の丹田浩司さん

私は、平成4(1992)年に当時の松下電工に入社し、横浜営業所に配属されました。担当は、住宅やビルの照明・空調を支える電設資材の営業です。横浜市内から三浦半島全域を5年間担当し、その後、東京の営業所に異動して7年間、同じ電設資材の営業をしていました。

顧客である電設資材商社のほとんどは、独立資本の中小企業です。営業成績をさらに上げるには、商品の提供だけでは限界を感じるようになりました。ただ商品を売るのでなく、当社の商品を活用して、もっと儲かるための手段を提供する。そうすれば、私もお客様もWIN-WINの関係になれるのではないか。お客様の経営数字を理解して、もっと利益の出る助言をできれば、と考えるようになりました。その思いから、診断士資格の勉強を始めました。

試験には、幸いにも1年で合格することができました。当時、会社には社内公募制度があり、合格して間もない頃、いまの勤め先であるパナソニック エコソリューションズ創研が、診断士資格取得者を募集していました。私は、「創研なら、よりダイレクトに顧客企業の利益向上に貢献できる」と思い、応募しました。会社はもっと年上の方を想定していたそうですが、若手はさらに大歓迎ということで採用してもらい、異動が決まりました。平成17(2005)年のことです。

― 現在は、どのようなお仕事をされているのでしょうか。

ひと言で言えば、研修コーディネートです。パナソニックの電設資材や住宅建材をお買い上げいただいている販売代理店様や工事店様を対象に、販売支援のための営業研修や施工スキルの研修、たとえば太陽光発電システムやオール電化などの技術研修・販売研修をコーディネートしています。

お客様となる企業の多くは、専門の人事部があるほどの規模ではなく、総務部の方が兼務したり、経営者自らが社員教育を担当したりしていることがほとんどです。そのような方々は、研修の必要性は感じているけれど、本業が忙しく、また何から始めればよいのかに迷われていることが多いようです。そこで、私たちが一緒になって、中長期的な視点から社員教育の体系づくりをお手伝いし、そのうえで個々の研修企画を提案します。内容はもちろん、どのような人が講師を務めるのか、まで提案します。

研修が決まって実施されれば、会場が日本全国どこであろうと立ち会って、研修内容がお客様の要望に合致しているのかを確認します。同時に、依頼をした講師の力量もチェックします。

中小企業診断士に研修講師を依頼する際の視点

― 丹田さんは、どのようなことを基準に講師を依頼されているのでしょうか。

丹田浩司さん
ご自身が研究会で発表を行うことも

私が外部講師としてお願いする方は、診断士資格を取得されている方が多いですね。自身も中小企業診断士ですのでわかるのですが、資格取得のために勉強で苦労した経験を持っていることが、第一の信用になります。講師を依頼する場合は、最終的には、私自身がお話を聞かせていただいたり、講義を聴いたりして判断するのですが、上司にも面談をしてもらうようにして、多面的に決めています。

やはり、「中小企業診断士の方に活躍していただきたい」という思いは、正直あります。ただし、一度登壇するチャンスを与えれば、後はその方の実力しだいです。お客様からの評価が高ければ、次回にまた仕事をお願いすることになりますし、1回でご縁がなくなることもあります。

― 丹田さんから見て、素晴らしい講師とはどのような方でしょう。

熱意があることが絶対ですね。また、私からお客様の説明を聞いて、どのような研修をすればご要望に応えられるのかを、一緒になって考えてくれる方です。自分がすでに持っている、コンテンツ一辺倒の提案をするのでなく、その企業固有の課題があるのですから、その課題に応じたコンテンツを一緒になって考えてくれる方、準備してくださる方が、私にとっては素晴らしい講師です。

逆にダメな講師は、覇気のない方です。まず、声に現れますね。小さく、か細い。お客様から、「この先生、大丈夫なのか?」と心配されてしまうような人は論外です。

そして、何かにつけて納期が遅れる人にも、仕事をお願いしたくありません。レジュメが締め切りまでに来ない方や、当日、研修の開始時間ギリギリまで来ない方、ギリギリでなくても5分、10分前に来る方です。私たちは、常にリスク回避を考えていますが、そういった方は、自身のとっさのときのリスク回避を、どのように考えているのだろう、と不安を覚えます。

最後に、その企業さんの背景やニーズについて相談をさせていただく前に、ご自身の価格や契約内容の話を先にしたがる方にも、私はあまり仕事をお願いしたくありません。

企業内診断士としての活動

― ご自身も、中小企業診断士としての活動をされているのですよね。

私は、(一社)東京都中小企業診断士協会の城南支部で会員部に所属し、会員の交流を図るための企画を担当しています。研究会は、ワークショップ研究会や経営心理研究会、財務診断研究会に参加しています。これらの研究会で会員の発表を聴き、「これだ」と思う方に仕事をお願いすることもあります。

中小企業診断士の方は、さまざまな場面において人前で話をする機会があると思いますが、常に「誰が聴いているかわからない」という思いでお話しされたほうが良いと思います。たかが研究会の発表と思わず、熱意を持って真剣にやっていれば、仕事につながるかもしれません。私も商談としてよりも、何気なく聴いたプレゼンで感動したときのほうが、「ぜひ、この方に講師をお願いしたい」という思いは強まりますからね。

また、この『中小企業診断士の広場』でも取り上げられたNECさんやアサヒビールさんの企業内診断士の異業種交流会に、パナソニックグループとして、東京在住メンバーと一緒に参加させていただいています。本当は、他の企業さんのようにパナソニック診断士会を立ち上げたいのですが、診断士資格を所有する社員が全国に散らばっていることもあって、なかなか1つにまとめ上げられないのがつらいところです。

― 今後の展望をお聞かせください。

ご存じのとおり、パナソニックは厳しい状況にあります。だからこそ、グループ全社のモチベーションアップ、やる気向上につながる研修を企画したいと考えています。私は立場上、社外のさまざまな世界にいる講師の方々と知り合える立場にあります。パナソニックという単一の世界しか知らない社員が多い中で、第三者の目から見た世界観やビジネス観を体感してもらい、目から鱗が落ちるような研修を提供したいと考えています。

また、私は入社以来、電材業界に育ててもらいましたので、「この業界に恩返しがしたい」という思いを強く持っています。具体的には、電設資材販売代理店様や電気工事会社様の経営力強化に、さらに貢献したいと思っています。

― 最後にひと言をお願いします。

独立した中小企業診断士の方には、ぜひ私を利用して、仕事を獲得していただきたいと思っています。私が良い講師を連れてきて、その方がお客様から高い評価をいただければ、私の評価も上がります。つまり、WIN-WINの関係ですね。ですからぜひ、私を活用してください。

(つづく)

丹田 浩司(たんだ こうじ)
パナソニック エコソリューションズ創研株式会社 電材推進センター 部長。平成4(1992)年に松下電工(現パナソニック株式会社 エコソリューションズ社)入社、営業部門(14年)、研修企画スタッフ・営業(7年)を経て現職。平成18(2006)年中小企業診断士登録。ほかに消費生活アドバイザー、ワークショップデザイナー、第二種電気工事士保有。

会社名 パナソニック エコソリューションズ創研株式会社
設立 平成4(1992)年6月
代表者 代表取締役社長 加藤 憲男
大阪本社所在地 大阪府門真市大字門真1048
TEL 06-6908-6863
FAX 06-6907-3426
東京研修所所在地 東京都新宿区西新宿7-20-1 住友不動産西新宿ビル26F
TEL 0120-149-327
FAX 0120-149-329
ホームページ http://www.panasonic.co.jp/es/pesbct/