経営コンサルタントの国家資格”中小企業診断士”の情報が満載です。 中小企業診断士の広場

中小企業診断士の広場

診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

有限会社ミラクル(ひなさく堂) 石井裕さんに聞く

取材・文:鈴木 佳文(中小企業診断士)

経営コンサルタントを信用していなかったが...

取材日:2012年6月10日

以前は、「経営コンサルタントは、少しうさんくさい」と思っていたという石井さん。しかし現在は、商店街活動を通じて知り合った中小企業診断士の知恵を借りつつ、個店診断・専門家派遣・実務補習等を活用して新たな挑戦を続けています。これまで抱いていた印象も振り返りながら、中小企業診断士に対して思うところを率直に語っていただきました。

これまでの印象

石井裕さん
石井裕 さん

― 最初は、良いイメージを持っていなかったということですが...。

そうですね。正直に言うと、少々うさんくさい人たちという認識で、否定的に捉えていました。

― 「うさんくさい」ですか...。

所詮は評論家で、おざなりなアドバイスをする人たちだと思っていました。「机上の空論ばかり言うのではなく、自分で経営してみろ」といった感じで...。実際にお店を始めてから、さまざまな本を読んでみましたが、一般論ばかりで自分に当てはめては使えませんでしたから、「自分でやるのが一番確実だ」という思いが強くなったのだと思います。

― なるほど。直接の接点があまりなかったのも、影響しているのでしょうか。

接点といえば、役所が主催した勉強会に参加した時の講師も中小企業診断士でしたが、当時は「何だ、コイツ」という思いのほうが強かったですね。

― いやはや、手厳しい印象ですね。

まぁ、小さいお店は相手にしてもらえないと思っていたので、実際に支援を依頼できない立場での強がりというか、自分でお店を経営してきた自負が強かったのでしょうね。

実務補習を受け入れて

店舗前の様子
店舗前の様子

― 実は、石井さんには今年の7月にも実務補習の実習先をお願いしていて、今度で3回目になります。中小企業診断士の卵たちを見てきて、どのような印象ですか。

卵とはいえ、それなりの提案を期待していたのですが、正直なところ、役に立ったとは言えないですね。1回目は、自分がどのように利用してよいかわかりませんでしたし、2回目は、成果が出るようにお願いしたつもりでしたが、まだまだ要望の出し方が不十分だったようです。

― それでも、3回目を希望してくださったのはなぜでしょうか。

現実から見ればズレた提案でしたが、それでもヒアリングで話をする準備や、提案書でまとめてもらえるデータや数字を見ることで、考えが整理できるのはありがたいのです。言い方は悪いですが、3回目であれば、もっと有効に"使える"と思いました。

― 今回の受講生には、すごいプレッシャーになりそうですね。

そうは言っても、サラリーマンの方がほとんどですよね。これまでも、正論は言ってこられますし、それが正解だとは思いますが、実際にお店を運営するのは私です。現実問題として、具体的にどうすればよいかがわからないんです。正論より現実を見てほしいので、今回は具体的に課題を絞り込んで話をしたいと思っています。

これから中小企業診断士に期待すること

大判焼きを製作中
大判焼きを製作中

― これまでの印象から、実務補習を受け入れるまでに心境が変化したのはなぜですか。

商店街の支援に来ていた先生と出会って、損得抜きでいろいろと相談に乗ってもらったのが大きいですかね。何よりも上から目線で話をしないし、一緒に考えてくれて助かりました。かかりつけの医者みたいだなと。先生にいつでも相談できる安心感みたいなものがありますから、"うさんくさい"だけじゃないな、と思いました(笑)。

― 事業ステージの変化も影響していそうですね。

たしかに、小さなお店で、店舗だけでやっている間は必要性を感じなかったでしょうね。でも、いまのようにさまざまな展開を行っていると、考える時間が足りません。だから、要所で決め切れない時に判断の後押しをしてもらったり、悩んでいる時にアドバイスをもらったりする必要が出てきたんです。頭脳がもう1つあるのは、とてもありがたいですね。

― 実務補習やセミナーで、中小企業診断士との接点が増えたと思いますが、これから中小企業診断士に期待することを、小さなお店の代表としてお聞かせください。

やはり、経営者のパートナーとして頭脳になってほしいですね。評論家的に一般論を語るのではなく、お店を良く知って、現実に即したアドバイスが欲しい。そのためにも、必要な情報をしっかりと聞き出してほしいですね。そもそも、小さなお店の店主は、何を質問してよいかがわからないですし、どう付き合ったらよいかもわからない状態です。専門家である中小企業診断士から、一歩踏み込む必要があると思います。

― これから中小企業診断士とかかわるお店の店主にアドバイスをするとしたら、どのようなことがありますか。

私自身は、グチャグチャな状態がクリアになりましたし、経営に関するかかりつけの医者ができて、良かったと思っています。相談するにあたって大事なのは、やはり「ウマが合うかどうか」でしょうね。先入観を捨てて、自分にぴったりの人に出会えるまで、さまざまな機会を活用するとよいと思います。

― 本日は、ありがとうございました。

取材を終えて

以前の取材でも、中小企業診断士に対して「評論家」、「一緒に汗をかかない」といったイメージを持たれているケースが多かったのですが、やはり今回も厳しい言葉が飛び出しました。経営支援にはさまざまな手法やスタイルがありますが、小規模企業の支援では特に、「経営者の悩みに寄り添える力」が求められると感じています。

(おわり)

【こちらもおススメ!】

中小小売店・サービス店を支援する際の小ネタや事例が掲載されています。同社も事例として取り上げられていますので、ご興味のある方はどうぞ。

会社名 有限会社ミラクル(ひなさく堂)
代表者 石井直美(店長:石井裕)
所在地 東京都中野区野方6-23-13
TEL 03-3338-8074
事業内容 大判焼きの製造・販売、卸
ホームページ http://www.hinasakudo.com/