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漫画家・遊月ひわさんに聞く「妻の目線からみた診断士」

取材・文:太田 佐和子(中小企業診断士)

【第2回】診断士活動と家庭との両立

取材日:2010年8月8日

遊月さんにお話を伺う2回目。今回は、ご主人が中小企業診断士資格を取得されてからのことを、仕事と家庭との両立という切り口でお伺いしました。

● ハタからみると ● 2

仕事と家庭のバランス

― 平日の夜や土日も、外出が多くなりましたよね。マンガでは、このあたりのことを「家庭の危機」として描かれています。

はい。資格を取ってから外出が増え、家では大量のメール返信や勉強に追われ、話を聞いてくれなくなったり、家事を手伝ってくれなくなったりしました。最初の頃は、私もマンガ家のアシスタントをしていたので、数日家を空けることもあったのですが、帰ってくると食器も洗っていないままで、「さすがにそれはない!」とキレたんですね。それまでは、家事も手伝ってくれるほうだったので、その落差が私には痛かったです。最初から何も手伝ってくれない人だったら、あきらめていたかもしれませんが...。

彼は何かに集中すると、ほかのことはバックミラーで確認する程度で、後ろをしっかり振り返らないといったところがあるんです。なので、「ちゃんと後ろも振り返ってみてよ!」と言っているんですけどね。

― その「危機」は、乗り越えられたんですか?

主人が、『成功者の告白』という本を読んだんですね。その本は、主人公が起業してビジネスを成功させていく過程を、家庭のことも絡めながら書かれている話で、家庭の危機に対して具体的にこう対処したほうがいいというものではないんです。でも読んでみて、とりあえず「家庭と仕事のバランス」が大切だと思ってくれたみたいです。本に出てくる例を取り上げて、「自分もそうなりそうだから、危ない」と言っていました。

― ではそれ以降、ご主人に何か変化があったんですね。

それが、ないんです(笑)。というのも、実はちょうどその頃に主人が転職して仕事が忙しくなり、それどころじゃない状況になってしまいまして...。

ただ、いまにして思うと、あの頃よりも子どもがいるいまのほうが大変だと感じています。子どもは常にみていなければいけませんので、主人がいないと、子育ても家のことも全部1人でやらなければいけません。マンガに描いた当時は、まだ子どもがいなかったので、いまの大変さよりは随分ラクだったと思いますね。

ご主人の転職活動

― ご主人の転職活動と妊娠が重なったんでしたね。

お子さんの側で描くひわさん
お子さんの側で描くひわさん

はい。出産前は、やはり精神的に余裕がなくて、いつ生まれてくるかもわからないし、自由に動ける体でもないし、「主人があまり家にいないのはちょっと...」と思うところはありましたね。マンガでは、「1人で産む決断をした」と描いていますが、あれは主人を応援しようという気持ちよりも、「もういいよ」とあきらめた結果の決意なんです(笑)。とはいえ、実際はウジウジ悩んでいたんですけどね。でも、主人が転職してあまりにも忙しくなってしまったので、1人で全部やる覚悟を決めなければいけなかった、といった感じでしょうか。「世の中には、もっと大変なお母さんがたくさんいるんだ」と思いながら、「転職先の仕事が軌道に乗るまでは、仕方ない」と広い心で頑張っていましたが、心の奥底には、いろいろと渦巻いていたんですよ(笑)。

実際、出産の日は、転職先の研修と重なってしまい、主人は立ち会えませんでしたが、ちょうど産まれる間際に電話をくれて、うれしかったですね。その後、研修が終わってから3日目くらいに、会いに駆けつけてくれました。

― ところで、転職というのは、ご家族にとっても勇気のいることだと思いますが、そのあたりはどう感じられましたか?

白黒原稿(連載中のイメージ)
白黒原稿(連載中のイメージ)

中小企業診断士を受験する前の1度目の転職活動のときは、「これがやりたい!」と固執する何かがあったようには思えなかったんですね。「とりあえず違う環境に移って、そこできちんと成果を出したい」というような感じで...。私も当時は、それがよいか悪いかまで意識していませんでしたが、「うまくいかないかもしれない」とは思いましたね。でも、中小企業診断士の資格を取ってからは、やりたい方向性がバチッと決まったみたいで、これならきっと転職活動も成功するという確信を持っていました。それに、「この人なら、何とかなるだろう」と根本的には信頼していますし。

また、転職してから仕事が忙しくはなりましたが、イキイキしていると思います。中小企業診断士という資格は、主人には合っていたんじゃないかと思うんです。資格を取ってよかったと思いますね。

(つづく)

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遊月ひわさん 似顔絵

遊月 ひわ(ゆづき ひわ)
マンガ家。工業高校のデザイン科卒後、建材メーカーのデザイン室に勤務。退社後、マンガ家のアシスタントにつく。現在は子育てに奮闘しながら、月刊『企業診断』にて中小企業診断士であるご主人との日常を題材にしたマンガ「中小企業診断士 じぞー君観察日記」を好評連載中。