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遊座大山商店街 副理事長 吉田和雄さん、事業部長 鈴木泰彦さんに聞く

取材・文:村橋保春

【第7回】遊座大山商店街の元気の秘密(2)

取材日:2008年11月17日

鈴木氏:こうして努力と工夫を重ねてきたことで、遊座大山商店街に対する注目度は増して来ました。まだ少し早いのですが、メジャー商店街の入り口に入ったかなと思うことがあります。

― 遊座大山商店街として、やる気が高まってきますね。

遊座小判

吉田氏:商店街の中で実際に支払いに使える天保五両小判のレプリカの「遊座小判」というのを作っているんですね。それが、民放テレビの夕方の報道番組に取り上げられたら、夕方からがんがん電話での問い合わせがありました。近くに住んでいたけど知らなかったとか、孫に記念に買っておいてくれと頼まれたとか。いろんな形で反響がありました。

鈴木氏:通常は500円で小判を売り、その小判を使うと商店街で500円の買い物が出来る。販促活動の時にはプレミアム販売として450円で売ったりします。

吉田氏:他に町会と共催でプロレスもやっています。サマーフェスタの後、商店街の中にプロレスショップがあるんですが、そのプロレスショップが商店街として協力してくれるのであれば商店街でプロレスをしてもいいという話が持ち上がったんです。
「遊座くん」という覆面をつけたレスラーが登場します。実際に空中殺法も繰り出し、本格的です。この仮面をつけたレスラーの人に伺うと、夜ですから暗いのと、覆面の網目が見えにくいのとで、結構大変だと話していました。2,500人の大観衆で、悪役レスラーに「遊座くん」がやられると、観衆から「遊座がんばれ!」の声がかかります。

― すっかり観衆を遊座ファンにしてしまっていますね。

プロレスマスク

吉田氏:プロレスショップという特殊なお店があったから出来たこともあるんですが、商店街ごとにいろんな特徴があると思いますので、いろんな可能性を追っかけてほしいですね。

鈴木氏:商店街ですから続けるためには儲けは必要です。でも儲け最優先で、ぎすぎすしても、結局お客様が遠のいてしまうこととなります。いろんな楽しみ方を商店街から発信していくことが大切だと思っています。地域にはいろんな人がいて、いろんな楽しみ方がある。商店街もその楽しみ方の要素をそろえておくことが大切ですね。

― 吉田さん、鈴木さんともに商店街組合の副理事長をされていますが、本業は設計士であったり、店舗賃貸業であったりして、お店そのものから離れておられます。専業というわけではないのですが、お二人ともかなりの時間を商店街活動に費やされています。商店街関係者が商店街活動に打ち込める体制をきちんと整えておくことが大切なんだと考えました。

鈴木氏:私は土木設計が専門ですので、自治体と打ち合わせる場面を数多く経験してきています。そうすると、例えば申請をするときに、どのように資料を取りまとめ、説明をして、最終的に申請書に仕上げればいいかというポイントを理解しています。
商店街も公共事業なんですね。地域の人たちにとって、ふさわしい購買環境、コミュニケーション環境を提供するのが商店街なんです。だとすると、関係者とどのようにお話をして事業を進めていけばよいか、そこのところをしっかり考えることが大切だと思います。

吉田氏:鈴木さんが商店街組合の役員になった最初のころは、商店街が公共事業であり、それに基づき関係者と打ち合わす進め方についてあまり理解できませんでした。ただ、何回となく打ち合わせを繰り返すことにより、お互いの意思疎通が出来るようになり、今ではなるほど、そういった進め方があるのか、といった具合で感心することも多いですよ。

鈴木さんの発想で驚いたのは、商店街の予算の使い方なんですね。商店街の関係者では組合費が溜まっていたら溜まっている分だけ安心に感じているわけです。鈴木さんの発想は不必要な組合費が溜まっていることは、使うべきところにお金を使っていないのは組合活動が十分に活発でないことを意味しているというんです。最初はあまりわからなかったのですが、必要な事柄に、使えるお金があるならば、きちんと投資していく、そうしたお金の使い方が大切であるということがわかってきました。

鈴木氏:こうした考え方に基づいた事業がLED街路灯設置事業です。これは支援施策で補助を受けておりますが、商店街としても投資をすることとなります。しかし、街路灯の付け替えはしなくてはいけないことであり、今後の維持費やエコ環境を考えると、LED街路灯にすることが一番の選択であると考えました。商店街組合にもこの点をしっかり説明し、関係者の理解を得て、LED街路灯の設置となったわけです。

― 商店街の商業者としてのあり方を良くご存知の吉田さんと、新しく事業を進める上での取り組み方を良くご存知の鈴木さんとの連携が、遊座大山商店街の躍進のエンジンということですね。

鈴木氏:遊座大山商店街はこれからも地域の人たちに親しまれる商店街として発展していけるようにがんばりたいと思っています。われわれを含む商店街関係者が気持ちと力をあわせて活動を続けていきますので、今後ともご注目ください。

― 本日は長い時間、お話をお伺いし、まことにありがとうございました。中小企業診断士の皆さん、商店街関係者の皆さんはじめ多くの方々にとって、いろんなヒントをいただけたと存じます。ありがとうございました。

(おわり)

吉田 和雄さん/遊座大山商店街振興組合 副理事長

吉田 和雄(よしだ かずお)
地元商店街では毎月「遊座かわら版」を発行するための取材と記録係をしながら、板橋区商連においても広報委員長の役職にあり、商連新聞の編集委員という重責を担っています。

鈴木 泰彦さん/遊座大山商店街振興組合 事業部長

鈴木 泰彦(すずき やすひこ)
現在、商店街事業及びイベントを企画・申請を担当しつつ、板橋区商連における活動を通して情報交換を推進し、地元商店街との連携を図る役割を担っています。