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中小企業診断士の広場

診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

中央大学大学院公共政策研究科委員長 細野 助博さんに聞く

取材・文:村橋保春

【第6回】中小企業診断士に期待すること

取材日:2008年10月2日

期待される中小企業診断士の役割

― 事業を行ううえで、もしコンサルティングを受けるとしたらどんなことがありますか。

細野さん

いろんな方にいろいろなお智恵を拝借したいと思っています。

多摩地区には30に自治体があるのですが、ネットワーク多摩にはまだ9つの自治体しか入っていません。まだまだ潜在需要があるのだと思います。そうした需要をどのように掘り起こすか、そして掘り起こしたものをどのように連携を深めていけばよいか、そういったことを伝えていただく役割を期待したいですね。

診断士の方々は、われわれより、地域のニーズといったものをより多くおわかりだろうと思っています。そうしたことをぜひ教えていただきたい。そして、大学を巻き込みながら、診断士の皆様のお力が120%も発揮できるようになればいいなあと思います。

― 中小企業診断士の方々に望むことをお聞かせいただきますか。

ぜひ、データに対する感度、基礎的な知識をしっかり身に付けていただければと思います。

このインタビューの冒頭でも申し上げましたが、計画が絵に描いた餅になるのは、データをきちんと把握し、分析していかないからです。

現実のデータはかなり散らばっており、単なる方程式ではないのです。散らばり具合から何がわかるのか、平均が何を語ってくれるのか、時間の推移の中でデータは何を示しているのか。こうした感度を高めることにより、診断士としてよりよい仕事となると考えます。

中小企業診断士の資格試験には統計に関わる科目はないですね。私は統計に関わる科目をぜひ入れてもらいたいと考えています。

診断士の方は鋭敏な五感を使って現場で状況を把握されていると思います。いろいろなデータにも接しておられるでしょうから、ぜひ統計的手法をきちんと使って問題点を把握してもらえるとありがたいですね。

― データの集め方についてお教えください。やはりフィールドワークが大切なのでしょうか。

大変大切なご質問ですね。

現状認識とは、現場で目、耳など五感を使って感じたことと、他人が作ったデータ、自分が集めたデータとを使って行なわなければなりません。その際、闇雲にデータを集めるのではなくて、まずは自分で仮説を作り、それを確かめるという戦略的なやり方が大切ですね。

そういう意味では、やはりまずは現場に行かなければなりません。現場主義ですね。現場こそが、いろいろと考えるデータを供給してくれるところだと思います。

現場に強い人というのは、これからは大切ですね。

― 現場に出ることの多い診断士にとって、役割と強みをご指摘いただいたと感じています。

診断士の方々はこれまで以上に色々な専門領域の人たちとのネットワークを作っていくことが大切ですね。ネットワークを通じてデータを共有し合い、よりふさわしいコンサルティングを行なっていく。

こうした場作りが重要であり、「中小企業診断士の広場」というサイトが果たす役割はこれからも大きくなっていくんでしょうね。

― ありがとうございます。

中小企業診断士にとってネットワークの持つ意味は大きいですね。三人寄れば文殊の智恵といいますが、診断士の方々が力を合わすともっとすごい成果をだされることと思います。

大いに期待しています。がんばっていただきたいと思います。

― 細野先生、本日は長時間にわかりお話をお聞かせいただき、まことにありがとうございました。地域における連携の将来性と、そこに関わる人たちのご活躍の様子をうかがうことができました。診断士の皆さんにとっても、今後の活動のヒントを数多くいただけたと考えております。どうもありがとうございました。

(おわり)

細野 助博さん/中央大学大学院公共政策研究科委員長、同大学総合政策学部教授

細野 助博(ほその すけひろ)/中央大学大学院公共政策研究科委員長、同大学総合政策学部教授として、専門分野である公共政策、都市政策を中心に研究。
所属学会は、日本公共政策学会元会長、多摩ニュータウン学会会長、日本計画行政学会常務理事、公共選択学会理事等。公的役職につきましても、財務省財政制度等審議会たばこ等事業分科会長代理、元八王子市教育委員、(財)流通システム開発センター理事、(社)学術・文化・産業ネットワーク多摩専務理事、ほか多数の要職を歴任。主要著書として、『科学技術の公共政策』、『中心市街地の成功方程式』、『政策統計「公共政策」の分析ツール』、『実践 コミュニティービジネス』、『スマートコミュニティ』など著書多数。