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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

(株)沖縄物産企業連合 代表取締役社長 宮城弘岩さんに聞く

取材・文:井海 宏通(中小企業診断士)

【第3回】中小企業診断士はかくあるべき

取材日:2007年10月13日

経営判断に役立ててこそ価値がある

― 中小企業診断士でありながら、経営者の道を選んだのはどうしてでしょうか?

宮城弘岩さん

私は中小企業診断士の資格を取得した時、すでにコンサルタントとして活動していました。仕事を重ねるうちに、「100人の中小企業診断士よりも1人の経営者」であり、中小企業診断士は経営者を超えられない宿命にある、と考えるようになりました。

― そのような立場から中小企業診断士のあり方について、どのようにお考えでしょうか?

中小企業診断士のあり方については、皆でもっと研究すべきでしょう。私の考えとしては、中小企業診断士はもっと企業に入り込んで営業なども(助言に留まらず)自分でやってのけるくらいがいい。実績を積んで経営者を目指す診断士がもっと増えてもよいのではないでしょうか。

どんな企業でも必ず弱点があります。企業に密着し軌道乗せをする。まず、その企業における位置づけを確たるものにして、その上で診断士として活躍する。必ずしも社長でなくてもよいと思いますが、実際に経営をする経験は積んだほうがよいと思います。

― ご自身は経営者として中小企業診断士の資格はどのように活かしておられますか?

中小企業診断士の知識は、もちろん経営全般に役立っています。また、取引先企業との新連携や事業改革、創造支援の制度資金などをよく活用して、関係強化に努めさせてもらっています。

― 今後、中小企業診断士としてやりたいことはありますか?

経営には判断力がものすごく問われます。判断のタイミングも大切です。早すぎても遅すぎてもいけません。その力を磨きつづけたいものです。間違いのない精度の高い意思決定ができるように。言ってみれば、診断士ならぬ"判断士"です。

これからは、メーカーなどの他の企業に対して経営判断の支援をやりたいと考えています。我々の分野は2年もすれば、事業環境が全く変わってしまいます。その中で先が読めない企業は、倒産に向かわざるをえない。正しい経営判断は、時代背景や業界の動きが読めてないとできないことです。それを自他ともに実施していきたいですね。

地域資源活用と中小企業診断士

― 今年から地域資源活用プログラムが始まりましたね。

地域資源活用プログラムの施策は、実は私が書いた『沖縄の物産革命』がベースになっています。中小企業地域資源活用促進法を起案した担当課長が、(社)中小企業診断協会の理事会でプレゼンテーションをされた際、『沖縄の物産革命』を基本にしたと言っておられました。多分、本人がいると知らずに名前を出したのでしょう。その後の懇親会で本人がいると知ってびっくりしていましたからね。(取材者注:宮城弘岩社長は、(社)中小企業診断協会の理事。)

ただ、法律の内容には満足していない部分もあります。地域資源の案を都道府県が出し、それを国が見て認定するのは、どうも私の考えとは合いませんね。

地域資源の活用ということで言えば、地域資源を活用した製品をどのように定義づけるかが大切です。地域というのは、伝統技術を大切にしないと発展はしません。一例を挙げると、京都では何百年も前から培ってきた"細かい技術"が電子化と結びついて先端産業が発展しています。伝統技術を新しい技術と結びつけて産業にする。それが重要だと思います。

― 地域資源活用において中小企業診断士はどのような役割を担うべきでしょうか?

中小企業診断士には、私がこれまでやってきたことと同じように県外に向けて「地域資源を活用しながら地域産業を興す」ということをやってほしいですね。地域は補助金頼りでは駄目です。

宮城弘岩さん

中小企業診断士こそ経営に深くかかわるべき

― 最後に、後進の中小企業診断士には今後、何を期待されますか?

まずは、メシが喰えないとね...。あとは、本当に面倒が見られる企業を見つけることですね。クライアントの数はわずかでもよいので、長期に渡って付き合っていける関係を構築することを求めていってほしいです。

繰り返しになりますが、中小企業診断士は、経営の現場に足を突っ込み、経営陣と一緒になって汗を流すことが大切だと思います。これができる士業は、中小企業診断士しかいません。経営者の感覚で一緒に実行していく。そして事業化をする。中小企業診断士は、予算を取り、事業計画を作り、それを具現化し、支援策を活用する、といった具合に経営に深く関わっていくべきです。

やはり、「いかにギリギリまで経営者にアプローチ(接近)できるか?」を追求してほしい。経営者にはなれないのですから...。がんばりましょう。

― ありがとうございました。

宮城 弘岩さん:(株)沖縄物産企業連合 代表取締役社長

宮城 弘岩(みやぎ ひろいわ)/1940年生まれ、沖縄県南風原町出身。早稲田大学、国立台湾大学経済学研究所(修士)卒業。国際監査法人プライスウォーターハウス、(株)山崎鉄工所(ロボットメーカー、現ヤマザキ・マザック、在名古屋)、(社)沖縄県工業連合会専務理事、同副会長、(株)沖縄県物産公社代表取締役専務を経て、現在、(株)沖縄物産企業連合代表取締役。(社)中小企業診断協会理事、同沖縄県副支部長、中小企業診断士。著書として、『沖縄の物産革命―わしたを超えて―』『沖縄自由貿易論』など多数。

会社名 (株)沖縄物産企業連合 代表取締役社長
設立 2001年7月13日
資本金 3億1,075万円
売上高 30億円
従業員数 180名
本社所在地 沖縄県那覇市田原2丁目7番7号 パークサイド上原
ホームページ http://www.okinawa-takarajima.com/