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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

特別編:他士業専門家座談会―士業連携にあたって中小企業診断士に期待すること

司会:宮崎 洋一
参加者:久我 祐司 /  田中 謙二 /  茶谷 豪 / 
中田 哲也 /  西内 孝文 /  古屋 尚樹
ゲスト参加:平村 一紀 (中小企業診断士)

【特別編 第6回】中小企業診断士に期待すること(2)

中小企業診断士の役割を整理することも必要

司会:引き続き、中小企業診断士に期待すること、というテーマで、中田先生、いかがでしょうか。

中田:やはり企業再生の時の話ですが、再生支援協議会のときに来られた診断士さんは非常によかったですね。経営者サイドの視点に立って、レポートがすごく上手だった。細かく決算書から全部分析して、どのくらいまで役員報酬を抑えて、交際費はどのようにしたほうがよいとか、細かいレポートを出されていた。中小企業の社長さんにとって本当に身近な存在だと思います。

中田・田中さん

もう1つ、有名人の中小企業診断士さんでMBAの先生をしていらっしゃる方がいた。日本の国内の有名な先生だったのです。その方が中小企業診断士を取ろうと思った。「なぜですか」といったら、日本においてMBAにいちばん近い資格が診断士なのだ、とのことでした。

司会:そうですね。日本版MBAとも言われています。

中田:私のお客さんがMBAを取って、それを武器に大手証券会社からアメリカの有名なウォートンスクールに行かれて帰ってきて、中小企業の社長さん向けに「MBAのエッセンス」なんてセミナーをやったのですが、意外と反応が悪いのです。

MBAのスタイルというと中小企業のおやじさんにアレルギーがあるのではないですか。「しょせん大企業の理論だろう。日本の中小企業に合わない」というような。そうしてみると、もともとそこにあった中小企業診断士という資格があらためてクローズアップされてきてもしかるべきだと思います。

また、中小企業診断士さんの役割をもう1回、いろいろな意見を総合して整理したほうがよいと思います。その上で、税理士と組んで支援するのであれば、例えば経営的なバックアップと税務的な面と分けてもよいかもしれないですよね。

今、なんとなくごちゃ混ぜで、よろず相談のような感じで、「景気悪いよね、社長どうですか」「頑張ろうよ」なんてやっていますが、例えばそれに経営学に裏打ちされたスキームを盛り込むとか、コンサルティングを盛り込んでいくというようなことができれば、経営者にとっても満足度の高いサービスになるのではないでしょうか。

税理士と中小企業診断士、分業の可能性

司会:ありがとうございます。会社さんのほうから見たら、税理士さんが顧問でいらっしゃるということは一般的で、それプラス診断士ということで、2人を顧問に迎える会社が増えてくるとよいですね。

中田:ただ、私の経験では診断士さんの顧問はあまりない。だからそういう意味において入ってくる余地は大きいですし、全体的にそれが広がってきたらすばらしいことだと思う。

中小企業のおやじさんのもろもろの悩み相談はけっこう多いと思うのです。今、たぶん税理士がそれを独占している。例えばちょっとしたことなのだけど、誰に聞いていいか分からないということも、税理士が聞いてあげていると思うのです。

田中:確かに毎月のように行ったり会ったりするので、そこで悩みを聞いてなんとなく答えていますね。

茶谷:ハブというか、コーディネータ的な役割を税理士さんが担っていて、他の士業へ税理士さんから仕事の話が行くことが多いというのも、その辺りなのかもしれません。

司会:その役割を少しでも診断士が担っていければよいのですけどね。

中田:そうです。こちらとしても本音は税務だけ見たいということもあるのです。経営相談とか悩み相談とか、本当はお金をいただきたいのだけど、いただけないことが多い。そのようなケースが結構あるわけです。そういうところを変えていって、ちゃんと専門家にお金を払って聞くという文化をつくっていったほうが、結果、税理士も単価は上がるのではないですか。特に時間単価。考えようですけど。

田中:毎月きっちり戦略的な管理会計のようなことをやってもらえれば、こちらは行く必要はない。

司会:そこを診断士に代わりにやってもらえたらこんなありがたいことはない?

中田:そういう部分もあるのではないでしょうか。税理士の世界もだんだん変わってきています。ネット社会になってきていますし、景気の悪化に伴い顧問料が下がってきている中で、さらに分業してサービスを明確化していくというのは絶対必要なのではないかと思うのです。分業してもっと有効にお金を使っていくということは、経営者のほうからもメリットがあるのではないかと思うのです。

経営者も、今までは税理士は付けるものだと先輩に教えられるじゃないですか。診断士も付けて長期的な経営計画、事業計画を立てたほうがいい。いま経営計画、事業計画も税理士が作っているパターンが多いですよね。だけどそこはサービスになってしまっている。だからそういうところもちゃんとフィーを払って、きちんとしたものを作る。税理士がきちんとしたものを作っていないということは決してないとは思うのですが...。

田中:毎月の月次決算をなんとなく経営分析したりして社長とお話しするのですが 、そこを例えば診断士の方が、1年間で記帳を教えながら管理会計を教えて、自分で分析できるように成長させていく。そういうことはできるのではないでしょうか。

司会:今のお話を伺っていると、診断士もお役に立てることがたくさんあるのに、営業努力やアピールが全然足りていないということになってきますね。

西内:業務の内容からいうと、中小企業診断士というのは本来税理士と同じか、より企業に近い位置にいるべき職業なのかなという気がしますが、顧問になっている割合がそうでもないとか、プロジェクトが終わったら切れてしまうというようなこともあったので、立ち位置からいうともっと入り込まなければいけないのかもしれないですね。

司会:おっしゃるとおりですね。

(つづく)