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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

特別編:他士業専門家座談会―士業連携にあたって中小企業診断士に期待すること

司会:宮崎 洋一
参加者:久我 祐司 /  田中 謙二 /  茶谷 豪 / 
中田 哲也 /  西内 孝文 /  古屋 尚樹
ゲスト参加:平村 一紀 (中小企業診断士)

【特別編 第5回】中小企業診断士に期待すること(1)

専門家を使いこなすコーディネータの役割

司会:では、最後のテーマに移りたいと思います。あらためてこれこそ中小企業診断士の仕事だろう、ここをやってくれる人がいるのであればぜひ一緒に仕事をしたい。そういう意味で「中小企業診断士に期待すること」についてお聞きしたいと思います。

茶谷先生、いかがでしょうか

茶谷:士業といってもいろいろあると思うのですが、われわれ弁護士や税理士は、どちらかというと問題が起きてからであるとか、会社の経営が行われてからというような形で、過去を取り扱うことが多いのです。中小企業診断士の仕事というのはどちらかというと会社をどうやってもうけさせようとか、未来をつくるということなのでしょうから、そういう形でスキームを作る。あるいは会社に提案するというところで、さらに他の士業というか、弁護士でも税理士でも会計士でもよいのでしょうが、そういうところを巻き込んでもっと付加価値を高めていけるとよいかもしれません。

診断士さんというのは独占業務もない代わりに、これはやらないというのも比較的少ないので、税理士さんであれば「ここは税理士の専門分野ではないので弁護士に聞いたらどうですか」というところでも、診断士さんはコンサルティングということで範囲が広いので、必ずしもそこの専門家でなくても一緒にコンサルティングしてしまって、そこで完結してしまうということもあると思います。もっとそのコンサルティングの中の法律問題であるとか、税務問題であるとか、会計問題であるということを切り分けて、さらにそこの分野の専門家を使いこなすことができればコーディネータ的な仕事の仕方というのもあるのではないかという気がします。

司会:ハブになって他士業専門家とつながってトータルのコンサルティングサービスを行う可能性がある?

茶谷:新規事業、経営改善であるとか、事業再生的なものもあるでしょうが、そういう形で数字を作っていくという中でハブになり得ますよね。

理論的な裏付けを持って経営をサポート

司会:西内先生、いかがでしょうか。

西内:お客さんの立場から考えてみると、大きい企業であればいろいろな人が入っているので、知識を集約して最良の判断はどれなのかということを探っていくことができますが、中小企業では取締役会といっても身内だったりして、社内で社長が経営のこととかお金のことについて相談できる相手というのは少ないと思います。

そこで、例えば顧問として毎月定期的にミーティングを行い、社長と話し合って会社の将来のことについて一緒に考えるとか、そういった時間は非常に価値を生みやすいのではないでしょうか。

とはいえ、われわれ自身も小規模の事務所を経営しているだけということもありますし、専門的に経営学を学んでいるというわけでもないので、理論的な裏付けを持って「これが正しい」、「こういう方向もあります」というのを提示することは難しい。そういうところは診断士さんが強いところだと思います。

司会:顧問契約というお話がありましたが、平村先生は何社ぐらい契約されていますか?

平村:診断士の場合は途中で切られるというのが結構あるのです。1年計画だったものが半年でプロジェクトが止まってしまったり...。ですから、多くて5社ぐらいですかね。少ないときは2社ぐらい。

司会:そうすると、顧問契約で、税理士の先生だと長期スパンでみられるけど、診断士の場合はひどいときは半年ぐらいでスパッと切られてしまうことがありうる。同じ顧問契約でも、付き合い方の感じが税理士と診断士では少し違う面があるのですね。

ベテランの診断士の先生で社長さんと友達づきあいに近いような親しい関係をもっているような方は別にして、わりあい若手の方はシビアなところでやっていらっしゃる方が多い?

平村:片腕みたいな感じまでなれれば、ちゃんと話ができるのです。ただ、普通に契約しているところだと、毎回ネタがないといけないという部分があって、そういうところが独占業務を持たれている士業さんと少し違う。解決してしまったら用はない、みたいなこともあるのです。

司会:それだけシビアな世界であるということですね。

古屋・中田・田中さん企業再生の場面でいちばん頼りになる専門家

司会:話を戻しまして、古屋先生、いかがでしょうか。診断士に期待することは?

古屋:いま仕事をしている上で特に期待したいと思うのは企業再生の場面です。その対象となる中小企業は東京だけにあるわけではなく、日本全国に実にたくさんあります。その中でも、長年の伝統があるのにいま会社がつまずいて下り坂にある会社というのは相当数あります。

そういう会社に対してわれわれはどういう形で支援できるかといったとき、いちばん頼りになるのは中小企業診断士だと思うのです。例えば企業再生等でいろいろなスキームを考えたり、あるいは親の代から息子の代に経営を変えたりとか、いろいろ対策があると思うのですが、その辺りでいちばん会社とコミュニケーションを取れる立場の人が診断士の方だと思うのです。

先ほど顧問契約の話もありましたが、そこできちんと会社と顧問契約を結んでいただいて、ある程度長期的なお付き合いの中で診断士の方に密にコミュニケーションを取っていただいて、その中で何らかの会社としての方針を決定する場合に当たっては診断士の方だけではなく、われわれのような立場の人間も交え、いろいろと議論を重ねた上で会社を改善していく。日頃の日常的なお付き合いというか、会社がどういう方向に向かっているかというようなところのモニタリングなどを診断士の方にお願いできれば、というのは個人的に思っています。

また、会社をある程度定期的に訪問して話を聞き出したりしたいときがありますが、特に地方だとわれわれだけだと立ち行かない部分もあるので、そういった場合は診断士の方に面倒をみていただきたい。

会社側のニーズとしても、月1回とかいうレベルではなく、当然時期にもよるのでしょうけど、ある程度集中的に、週1回でも週2回でも来ていろいろ見てもらいたいということもあるので、そうなるとやはり診断士に活躍してもらいたいです。

(つづく)