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診断士に向けた熱いメッセージ

中小企業診断士に期待する

特別編:他士業専門家座談会―士業連携にあたって中小企業診断士に期待すること

司会:宮崎 洋一
参加者:久我 祐司 /  田中 謙二 /  茶谷 豪 / 
中田 哲也 /  西内 孝文 /  古屋 尚樹
ゲスト参加:平村 一紀 (中小企業診断士)

【特別編 第2回】士業連携のさまざまなかたち(1)

基本は守備範囲外の紹介から

司会:では、次に、士(さむらい)業同士で連携して主に法人の方にサービスを行う。そういう仕事の方式で、これまでどのようなことをされてきたかということをそれぞれの先生方にお聞きしていきたいと思います。

茶谷先生からお願いできますか?

茶谷:典型的なのは紹介ですね。他の専門家から、守備範囲と違うところの仕事になると紹介を受けるということがあります。その辺り、弁護士というのは何かトラブルがあってから呼ばれることが多いのですが、それに対して税理士さんであるとか、中小企業診断士さんというのは企業の日常部分でお付き合いがあります。ですからこちらから税理士さんを紹介するというよりは、税理士さんなり診断士さんからご紹介を受けるということが実際には多いです。

茶谷・西内・古屋さん

あと共同して仕事をするということになると、例えば破産案件や民事再生案件では法律的な知識と税務会計的な知識が両方必要になるということで、連携してお仕事をする。あるいは契約の案件などでも税務的な知識と法律的な知識が必要になるものもあって、それはクライアントのほうで弁護士と税理士に相談していることもあれば、クライアントとの相談の中で、そこは税務的な知識が必要になるとか、逆に税理士さんが相談を受ける中で、そこは弁護士に相談したほうがよいのではないかということで呼ばれることもあります。

司会:税理士さんと中小企業診断士の方を比べると、やはり税理士さんからのお話が多かったりしますか。

茶谷:そうですね。件数は税理士さんのほうが多いですね。

司会:いま税理士さんからのご紹介が多いというお話があったので、税理士の先生に同じ質問をしてみたいと思います。田中先生、これまで士業連携でお仕事をされたご経験についていかがでしょうか。

田中:まずはセミナーです。社会保険労務士とセットで講座を企画したりですとか、中小企業診断士の方と事業計画や資金計画といったテーマでセミナーを行ったりします。あとはM&A、組織再編関係のところで弁護士の先生ですとか司法書士の方、会計士の方とチームを作って動くようなことは結構ありました。

どこから仕事が来ているかというと、銀行であったり、監査法人、会計士であったりというのが私のところでは多かったような気がします。あと細かいところでは、困った際に知り合いの弁護士の方に電話して「これはどうすればいいのか」みたいな相談は、日常から密に行っています。

企業を再生する局面で、特に士業連携が生きてくる

司会:中田先生はいかがでしょうか。

中田:クライアントがうまくいかなくなってどうにか再生させようとか、そういう場面のときですね。これは税務だけでは無理ですから、弁護士の方や中小企業診断士の方に入ってもらって、具体的な将来のプランを作っていただいて、ということで他士業と連携します。

また、連携というような大きなものでなくても他士業の方の意見をお聞きするというのは結構あります。たとえば、登記について。利用者側は税理士にとりあえず聞いてみて、分かることがあったら答えてもらおうなんて思うのですが、こちらもそんなに幅は広くないのです。

他士業でなく税理士同士でも、人の意見を聞くということは大切だと思います。1人の判断よりは3人の判断。利用する側としても、例えば税理士1人よりは3人の意見のほうが安心感も出るのではないでしょうか。ですから、なるべくより専門に近い人に意見を聞こう、ということを日頃から心がけています。

診断士さんもそういう中で、社長の立場に立つという意味においては非常に長けているのではないかと思います。例えば決算書に基づいた数値とかいうのではなく、診断士さんの場合は未来に向けての数値や「こういう部分をどうする」という改善案が出てきます。事業再生などの場面で、これからどのように改善していこうというときには、税理士や会計士とまた違った観点が出てくるので非常に心強いと思います。

司会:ありがとうございます。古屋先生、会計士のお立場からいかがでしょうか。

古屋:いま中田さんからのお話もあったのですが、やはり会社が困っているときにどうわれわれが協力していくかということで、事業再生は、私も経験したことがあります。会社が傾いて行き詰まっている際に、どのようにその会社の再建をするかという局面で、1つのチームを作って支援するのですが、その中心に診断士の方がいらっしゃった。

われわれのような会計士であるとか、税理士であるとか、弁護士であるとかというのは必要に応じて知識を提供するという形になりますが、診断士の方は、実際に会社の人と密にコミュニケーションを取って、いちばん会社のことをよく知っているまとめ役のような形で活躍されているのが印象的でした。

あとは会社が成長していく過程の中で、経営者の方は要するに自分の事業のことは分かるけれども、経営者としてどのように交通整理をしていったらいいか分からない、といったときに、やはり診断士の方が中心メンバーとなってわれわれの知識を借りながらやっていくといったような経験もあります。

(つづく)