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三鷹市立三鷹駅前図書館長 関幸子さんに聞く

取材・文:茂木 三枝(中小企業診断士)

【第1回】 ビジネス支援図書館と中小企業診断士、連携の可能性

取材日:2007年1月22日

三鷹市立三鷹駅前図書館に創業相談窓口を設置、中小企業診断士と連携し、創業支援を開始した関幸子館長に、お話をおききしました。第1回では、「株式会社まちづくり三鷹」の立ち上げから取り組み、その経験を活かした図書館でのビジネス支援、中小企業診断士との連携についてお話いただきました。第2回では、産業支援の実践者として、常に現場にいらっしゃった関館長より、「中小企業診断士の課題や期待されていること」について助言いただきました。

関幸子さん「株式会社まちづくり三鷹」の設立

― 関さんは、2003年に当時の小泉純一郎首相より、「地域産業おこしに燃える人」に選ばれたそうですね。関さんのお仕事、取り組みについて、お聞かせ願えますか?

私は、大学卒業後、三鷹市役所に入りました。9年半、図書館に勤務した後、経営企画室へ異動になりました。その際、東京産業政策研究会で、一橋大学教授の関満博先生にお会いし、産業政策に興味を持ち、「三鷹産業政策研究会」を立ち上げました。

研究会では、毎月1回約7年間、地元製造業者の皆様と勉強会を開催しました。その研究会からは「産業振興センター構想」を三鷹市に提案しました。

また、経済課勤務時代には、「三鷹市産業振興計画」の策定に携わり、1999年に「株式会社まちづくり三鷹」を設立して、事業部企画事業グループマネージャーを務めました。

― 「株式会社まちづくり三鷹」での経営手腕が評価され、2005年に「日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー」を受賞されたそうですね。「株式会社まちづくり三鷹」では、どのような事業をなさっていたのですか?

「株式会社まちづくり三鷹」は、三鷹市が98%、地元商店主等が2%を出資し創設されました。産業振興やコミュニティづくりを行う民間会社です。私は、株式会社設立手続きから事業運営まで何でもやりました。三鷹産業プラザの建設、三鷹電子商店街、三鷹子育てねっと、三鷹光ワークス、産学官連携プロジェクトなど、いくつもの事業を立ち上げました。そこでは、創業者・起業家と同じ体験をしました。そして、その間に、NPOシニアSOHO普及サロン三鷹、NPO子育てコンビニの創設支援も行いました。

図書館でビジネス支援を

― 現在は、これまでの経験を活かし、三鷹市立三鷹駅前図書館内に創業相談窓口を設置されたそうですね。

平成18年11月から図書館内に月2日、創業相談窓口を設置しました。中小企業診断協会東京支部の中小企業診断士の先生に創業者への助言を担当してもらっています。

すでに事業をしている経営者は、「商工会・商工会議所」に相談に行くでしょう。

そして、「創業を決意している方」は、公的なインキュベーション機関などへわざわざ出かけていくでしょう。図書館の役割は、たまたま図書館に来ているときに、創業相談風景を見たり、たまたま図書館でみたパンフレットで創業を身近に感じたり、潜在的な意識を呼び起こすことだと思います。創業を考えたことがなかった方が、創業を考える、「創業の機運を高める」ことにつながると考えています。

図書館と中小企業診断士の連携の可能性

― 今後の図書館と中小企業診断士の連携の可能性についてお話をうかがえますか?

図書館の相談窓口も、少しずつ認知され、相談者も増えています。相談者から、「役に立ちました。」「安心できました。」などという声があります。

全国には、3,000の図書館があります。そのうちの300の図書館が、ビジネス支援図書館として手を挙げています。図書館がビジネス支援、創業支援を行っていくようになるでしょう。そこでは、ビジネスや創業の専門知識を有するコンサルタントの存在が必要です。

中小企業診断士として、専門知識の提供だけでなく、創業者の精神的な支え「メンター」としての役割が期待されているのではないでしょうか。(この項続く)

関 幸子さん:三鷹市立三鷹駅前図書館長

関 幸子(せき さちこ)/大学卒業後、三鷹市役所に就職。9年半図書館に勤務。1999年に「株式会社まちづくり三鷹」事業部企画事業グループマネージャーとなる。
  2002年~2005年まで、経済産業省地域新生コンソーシアム事業プロジェクトマネージャーとして医療用顕微鏡開発に携わる。2006年4月~2007年4月、三鷹市立三鷹駅前図書館長。現在、財団法人まちみらい千代田 専門調査員。