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診断士カレイドスコープ

ブルキナファソの起業家を対象にしたビジネスプランコンテストを開催

取材・文:弥谷 和也(中小企業診断士)

【第2回】コンテストの結果と今後に向けて

取材日:2014年12月13日

以前から思いのあった国際支援を、中小企業診断士仲間と行ったブルキナファソでの起業支援によって実現した青木梨花さん。今回は、ビジネスプランコンテストの結果と、今後の抱負を語っていただきました。

優秀賞の選考

― 面接の結果を踏まえて、最終審査を行われたのですね。

青木梨花さん

そうです。所定のフォームを使い、各審査員に1つひとつのプランを採点してもらいました。(1)「提供する商品やサービスにニーズがあり、また将来的にニーズが拡大する見込みがある」、(2)「計画が実現可能である」、(3)「競争優位性がある」、(4)「経営理念・方針等に共感できる、あるいはビジネスがブルキナファソの発展に貢献できる」、(5)「申請書類(計画)の書き方が適切である」、の5項目について点数で評価してもらい、各プランに対するアドバイスを書き添えていただきました。そして点数集計の結果、最高得点者を優秀賞として選出しました。

― 優秀賞受賞者のビジネスプランはどのような事業で、どのような点を評価されたのですか。

受賞者のプランは、モリンガの生産加工事業でした。モリンガは、数多くの栄養素を含んだ植物で、茶葉や食材として使われたり、さまざまな食品に加工されたりしています。

コンテスト優秀賞受賞者  モハメド氏
コンテスト優秀賞受賞者 モハメド氏

審査でもっとも評価が高かったのは、経営理念への共感という観点でした。具体的には、「事業を通して女性の雇用を創出したい」、「良品を生産することで、ブルキナファソ産のモリンガの評価や知名度を高めたい」、「製品の供給を通して人々の健康改善に役立ちたい」といった点です。

さらに、品質を一定に保つ仕組みができており、付加価値の高い製品づくりによる競合との差別化もしっかり意識されているなど、競争優位性も確保されていました。数値計画やプロモーションについても良く練り上げられていて、実現可能性の高いプランでした。

― コンテストの応募者に対しては、今後もフォローをされていくのでしょうか。

応募者の方々から、融資先や投資家を見つけてほしいとか、売り先を探してほしいといった要望も寄せられています。Facebookやメールで連絡を取り合えますので、今後もプランのブラッシュアップを含め、可能な範囲で事業の実行支援ができればと思っています。

本当は、直接会ってお話しできれば、より有効な支援を行えるでしょうし、そういった場も求められていると思いますので、現地で直接支援やアドバイスが行える機会も設けられれば、と思っています。

今後の活動に向けて

― コンテストを振り返って感じたことや苦労した点などがあれば、聞かせてください。

受賞者以外の応募者からも、「すごく勉強になった」、「アドバイスを実践しようと思う」など感謝のメールが届き、「やって良かったな」と思いました。応募者の中には学生もいて、「この機会に一度、ビジネスプランを考えてみたいと思った」と応募動機を語ってくれたりもしました。これまでは起業について相談できる窓口がなく、皆さんもビジネスプランを書いたことなど恐らくなかったと思いますので、良い機会提供ができたと考えています。

苦労した点は、離れた国の支援ということで、現地事情を把握しきれず、判断に迷うことが少なからずありました。今回は、現地在住の協力者が面接に応じてくれましたので、その点はカバーできましたが、今後他国で実施する際は、現地事情をいかに把握するかという点は克服しなければならない課題だと感じました。

審査項目が適切であったかどうかや、審査員からのアドバイスを応募者にそのまま伝えてよいものかどうかといった点にも苦労しました。「ブルキナファソのような開発途上の国において、競争優位性をどこまで求めるべきか」、「活字だけで、伝えたいことの真意がちゃんと伝わるだろうか」といったことも、離れた場所での支援ゆえの悩みでしたね。

― 最後に、今後の抱負を教えてください。

コンテストを通して気づくことができた「アフリカの起業家たちの課題」を解決できる支援策として、インターネット上にさまざまな支援メニューを備えたプラットフォームサイトを設けることを思いつき、現在、開発に着手しています。サイト内で、起業家自身が商品を販売できたり、ビジネスマッチングができたり、さらには寄付型、または購入型のクラウドファンドを設けたりなど、さまざまな仕組みを考えてみたいと思っています。

また将来的には、商工会議所や診断士活動で経験を積みながら、アフリカの国々の発展やアフリカの女性を支援できるような事業を行いたいですね。

【お役立ち情報】

(おわり)

【関連情報】

箕作 佐千子さん

青木 梨花(あおき りか)
大阪大学外国語学部卒(フランス語・国際関係専攻)。窯業メーカーで生産管理を経験した後、育休取得中の2012年に、25歳で中小企業診断士試験に合格。現在は商工会議所で、創業支援、地域ブランド事業などに携わる。