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ブルキナファソの起業家を対象にしたビジネスプランコンテストを開催

取材・文:弥谷 和也(中小企業診断士)

【第1回】ビジネスプランコンテストの概要

取材日:2014年12月13日

商工会議所に勤務し、地域の起業家や経営者の支援を行う青木梨花さん。中小企業診断士としても、以前から思いのあった国際支援に着手。所属する大阪府中小企業診断協会で有志の診断士を募り、最貧国の1つにも数えられる西アフリカのブルキナファソで起業支援を行いました。ブルキナファソでは、国民のほとんどが自給自足の農業やスモールビジネスに従事する一方、ビジネスについて気軽に相談できる場や機会がありません。そこで、現地の経済活性化に少しでも役に立てればという思いから、ビジネスプランコンテストを実施。今回は、その内容を語っていただきました。

国際支援への思いを形に

― 最初に、青木さんのご経歴を教えてください。

青木梨花さん

大学卒業後、民間企業に勤務し、中小企業診断士試験合格を機に転職しました。現在は兵庫県内の商工会議所で、経営相談や創業支援、地域ブランド育成事業などの仕事をしています。

― 今回、ビジネスプランコンテストを実施された経緯を聞かせてください。

中高生の頃から国際協力に興味を持っていまして、大学時代には国際機関で働くことを夢見て、国際関係学とフランス語を学びました。大学在学中にアフリカに渡り、事業支援などの活動にも参加しましたが、そこで痛感したのは、支援以前にビジネスや経営に関するノウハウをもっと知らなければ、という思いでした。そうした経験から、将来的に活きた国際支援を行うために診断士資格を取得し、仕事を通じてスキルを磨いてきました。

現地では皆踊るのが大好き
現地では皆踊るのが大好き

現在、私は大阪府中小企業診断協会に所属し、「ピザの会」という女性診断士の会に参加しています。その中で行われている施策にビジネスコンテストがあり、私も運営にかかわらせていただいたところ、この手法をヒントにインターネットを活用すれば、海外の起業家を対象にしたビジネスプランコンテストも実施できるのではないかと閃いたのが、今回のコンテストを発案したきっかけです。

すぐに素案をまとめ、大阪府中小企業診断協会の青年部内で協力者を募ったところ、3名の方が手を挙げてくださり、私を含めた4名のグループで支援活動を開始しました。

― なぜ、ブルキナファソを開催国に選んだのですか。

ブルキナファソは、フランス語圏である西アフリカ地域に位置し、先進国の支援や投資が届きにくい国であることや、私自身が実際に訪れたことがあり、現地にいる知人の協力も得られることなどからです。

書類審査と面接

― コンテストの概要を教えてください。

インターネット上でコンテストの応募者を募り、書類審査と面接を経て選ばれた優秀者1名に賞金を贈る、という方法で行いました。

まず、Facebook上に日本語版とフランス語版のページを立ち上げ、2014年4月からコンテストの情報発信と応募者募集を始め、並行して優秀者への賞金に充てる寄付の募集も行いました。直接募金のほか、クラウドファウンディングも利用しました。賞金は、現地通貨で50万CFA。日本円で11万円ほどの金額ですが、現地の1人当たりGNI(国民総所得)の約2倍相当の額になります。審査員は、私たち主催者4名に加え、大阪府中小企業診断協会青年部所属の診断士や寄付をいただいた方の中から協力者を募りました。

同年8月にコンテストの応募を締め切り、書類審査と面接審査を経て、11月の最終審査で優秀者を選出。12月に結果公表と応募者へのアドバイスを返信するという流れで、概ね計画どおりに進めることができました。

なお、コンテストには9名の応募がありました。

― どのような内容の応募がありましたか。

人懐こい子供たち
人懐こい子供たち

「養鶏場の経営」、「スマートフォンの販売とメンテナンス」、「環境コンサルタント」など、生産から販売・サービス業までさまざまでした。

応募者には、ワードで作成した申請書にビジネスプランを記入してもらい、Facebookのメッセージ機能やメールを使って応募してもらいました。ただし内訳は、書類段階で見事な出来栄えのプランもあれば、体裁が整っていないもの、あるいは何でも良いからとにかく売りたい、といったものもありました。

不備のあるものについては、疑問点や質問事項を審査員の方々に挙げていただき、面接時のヒアリングで補ってもらうようにしました。

― 面接はどのように実施されたのでしょうか。

面接は、私の知人から紹介を受けたブルキナファソ在住25年の日本人女性の方に依頼しました。現地で1ヵ月半ほどかけて応募者全員と面接を行い、ビジネスプランの詳細把握やブラッシュアップを含めた面接結果を、審査員にフィードバックしていただきました。

【お役立ち情報】

(つづく)

【関連情報】

箕作 佐千子さん

青木 梨花(あおき りか)
大阪大学外国語学部卒(フランス語・国際関係専攻)。窯業メーカーで生産管理を経験した後、育休取得中の2012年に、25歳で中小企業診断士試験に合格。現在は商工会議所で、創業支援、地域ブランド事業などに携わる。