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ゲームクリエイターとしての知見を活かした経営支援--箕作(きさく)千佐子さん

取材・文:神谷 邦男(中小企業診断士)

【第2回】コンサルティング業務と経営ゲーム開発

取材日:2014年6月21日

中小企業診断士となった箕作きさく千佐子さんは現在、事業会社も設立されています。今回は、箕作さんが中小企業診断士として、また事業経営者としてどのような活動を行っているか、さらには今後の展望もお伺いします。

中小企業診断士としての仕事

― 中小企業診断士としての業務の中で、印象深かったことを教えてください。

箕作千佐子さん

母親向けの商品を作っている会社とともに仕事をさせていただいたことですね。

その会社では、それまでは商品を購入するお母さんからの意見を聞いたことがなく、競合の商品を分析したり、卸先や得意先からの意見を聞いたりして商品開発を行っていました。そこで、しっかりと女性やユーザーの意見を聞いて商品開発をしようということになり、私に仕事の依頼がありました。私は、自身の育児経験をお伝えしたり、インターネット上の情報やグループインタビューの結果をもとに、世の中のお母さんたちが何に困っているかを分析したりして、商品開発を行いました。

― 成果はいかがでしたか。

その会社では、ほかにもさまざまな施策を講じていましたので、私が携わった効果だけではないでしょうけれど、翌年度の売上高は対前年度比150%と大きく伸ばすことができました。

― 一方で、中小企業診断士の仕事をしていて、物足りないことなどもあるのでしょうか。

お客様とのかかわり方にもよりますが、あくまで第三者としてのかかわりですので、自身の仕事の成果・貢献が見えにくいところでしょうか。たとえば前職では、自分の作ったゲームがどれだけ売れたかという成果が目に見えてわかりましたが、中小企業診断士の仕事では成果がはっきりと見届けられないこともあり、やや不完全燃焼な感じを受けるときもあります。そのため、自ら事業をしてみたいと思うようになったのです。

経営ゲーム「ビズストーム」開発とこれから

― その事業とは、具体的にどのようなものですか。

箕作千佐子さん

現在、経営センスを鍛える「BIZSTORM(ビズストーム)」という研修向けのビジネスゲームを作っており、その開発や販売などを行う事業を始めたばかりです。

これは、ゲームづくりのノウハウと経営知識を活かして制作した、完全オリジナルのビジネスシミュレーションゲームで、マーケティングを重視した総合的な内容になっているのが特徴です。プレイヤーは1人1社を経営し、研究開発や人材育成などを行いながら経営資源を蓄積し、市場獲得を狙います。他のプレイヤーや大企業の動向、市場の変化を見極めながら、いかに利益を獲得していくかを考えるため、経営への理解を深めつつ、自身のビジネスのヒントを得られます。ビジネスモデルとしては、ゲームキットを販売するのではなく、コンサルタントや研修講師の方にライセンスし、研修ツールとしてご活用いただく形です。

このゲームの開発を決めたのは、1年半ほど前のことです。長年、子ども向けの経営ゲームを作れないかとは考えていたのですが、なかなか効果的な展開方法を見出せずにいたところ、ふと、大人向けの研修ゲームなら、自身の講師経験や事業領域を活かして展開できると気づき、制作に取り組み始めました。

経営をするうえで、さまざまな経営理論を身につけることは重要ですが、経営理論は抽象度が高すぎるため、実際の経営に結びつけて体感的に理解するには難しい部分もあります。そこで、実際の経営と経営理論の間をつなぐ役割を果たすものになるよう、試行錯誤しながらビズストームを作ったのです。

― とても興味深いですね。今後は中小企業診断士、そして経営者として、どのような取組みを考えていらっしゃいますか。

現在は、経営ゲームを作る事業と中小企業診断士としての事業の2つを行っていますが、これらを株式会社と個人事業という別組織で行っていこうと思っています。

この2つの事業には、相乗効果があると考えています。まずは、中小企業診断士のコンサルティング事業で多くの会社を知り、経営のお手伝いをすることで得たノウハウをゲームに反映させて、研修ツールとしてのクオリティを上げることができます。また、ゲーム販売事業を行うことで、コンサルティングだけでは得にくい経営に関するさまざまなことを体験でき、その経験やノウハウがコンサルティング業務にもプラスとなります。

今後は、2つの事業を行うことによって得た経験・ノウハウを、互いの事業にフィードバックさせながら、双方の事業のレベルを高めていきたいと考えています。

― 母親、ゲームクリエイター、中小企業診断士というそれぞれの経験や立場・視点を活かして、中小企業の経営支援を行っている箕作さん。これからも育児に、事業経営に、そしてコンサルティングに邁進されることと思います。本日はお忙しい中、ありがとうござました。

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(おわり)

【関連情報】

箕作 佐千子さん

箕作 千佐子(きさく ちさこ)
大阪大学人間科学部卒業。ゲームソフトのプロデューサーとして企画や宣伝、マネジメントに従事した後、独立。
広告関連のプランナーを経て、2007年中小企業診断士登録。現在は、マーケティングや創業の支援を中心にコンサルティングを行う。3児の子育て中。
ホームページ http://planc.jp/about/