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診断士カレイドスコープ

商店街から毎月生放送! 千種 伸彰さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第2回】商店街からの生放送

取材日:2013年8月8日

診断士資格を取得した千種伸彰さんは、メディアプロデューサーとしての活動のほか、中小企業診断士としても活動します。2011年からは、東京都板橋区にあるハッピーロード大山商店街からの動画配信事業「ハッピーロード大山TV」を開始。毎月の生放送で、商店街の魅力を発信しています。第2回は、商店街からの動画配信についてお聞きしました。

動画配信事業「ハッピーロード大山TV」

― 「ハッピーロード大山TV」は、どのような経緯で始めたのですか。

千種伸彰さん

きっかけは、知り合いの中小企業診断士の紹介です。ハッピーロード大山商店街の情報発信について相談を受けた中小企業診断士が、私のことを紹介してくれました。ハッピーロード大山商店街は先進的な商店街で、「とにかく新しいことをやる」という伝統があります。商店街テレビについても元祖だと思いますが、最初は外部に委託運営をされていて、商店街の人たちに聞いても、「いつ配信されているのだろう?」といった状態でした。そうした中、「もっと商店街のメンバーが関与する形で、動画配信をしていきたい」というニーズがあり、私に声がかかったんです。もちろん協力しようと思いましたが、1つ条件を出しました。

― その条件とは何ですか。

「1回限りでなく、継続的にやるなら協力します」という条件です。新しい取組みをする際には、大きなエネルギーが必要で、1回2回で終わってしまってはもったいない。だから、継続的にやりましょうと提案しました。結果的に、半年間で契約を結んだのですが、最低でも半年はやって、気に入らなければSTOPしても構わないという形です。取組み開始から半年、1年が過ぎ、2年経ったいまも、継続して取り組んでいます。

動画を作ってアップするのではダメ

― 2年間続いているとはすごいですね。どのようにして継続しているのですか。

継続の秘訣は、リズムを作ることです。そこで、「Ustreamを使って、毎月生放送をやりましょう」と提案しました。毎月生放送をすると決めれば、後回しにできないわけです。中小企業診断士が企業に提案する際の手法をベースに考えました。

― 中小企業診断士の手法、ですか。

ハッピーロード大山TV
「ハッピーロード大山TV」
(USTREAM放送:http://t.co/eGMGGNrfGl)より

中小企業診断士がコンサルをすると、企業側から「やりたいと思っているんだけど、なかなかやれないんだよね」と言われてしまうことがよくあります。社長が「こうやりたい」と思っていることがあっても、なかなか実施されない。できない理由としてよく挙げられるのは、"緊急度"です。つまり、やりたいと思っているけれど、緊急ではないから後回しになっていくわけです。後回しにしないための仕組みを作らなければ、うまくはいきません。

商店街での動画配信も、動画を制作してホームページやYouTubeにアップするだけではうまくいきません。「今週は忙しいから、来週にしよう」と、どんどん後回しになってしまいます。ですから、「ハッピーロード大山TV」は、Ustreamを使って毎月生放送をすることにしたのです。

― でも、毎月生放送をするのは、結構大変ですよね。

生放送の後に、次回以降の企画の打ち合わせをしています。その後、1~2回程度ロケをして、その動画を編集して、次の生放送に臨むのです。打ち合わせ、ロケ、生放送の後は、スタッフや商店街関係者とほぼ毎回、飲みに行っています。番組づくりは大変ですが、飲み会は充実していますね(笑)。

大山都市伝説!?

― 生放送の企画は、どのように作っているのですか。

企画の元ネタは、ほぼ100%商店街の人からアイデアが出てきます。この商店街で生まれ育った人たちですので、たくさんのネタを持っていて、そのネタをオモシロおかしくするのが、私の役割です。テレビ業界での経験を活かしながら、商店街の事業部のメンバーと企画を練り上げていきます。

たとえば、テレビの世界には"広告の3B"というキーワードがあります。「ネタに困ったときは、Bがつくものを取り上げろ」と言われていて、ビューティー...美人を取り上げろ、ビースト...動物を取り上げろ、ベイビー...赤ちゃんを取り上げろ、といった具合です。これらの3Bを取り上げると目を引き、視聴者からも好感を持たれやすいことを、商店街の企画メンバーに説明します。すると、「浴衣美人コンテストをやろう」、「子どもの写真コンテストをやろう」などのアイデアが出てくるわけです。

また、マッチポンプで謎を設定し、番組に引きつける方法もテレビではよく使います。番組の最初に、わざと謎を提示して、視聴者を引きつけるわけです。「ハッピーロード大山TV」でも、「大山都市伝説!?」というミステリー風番組を作っています。オチ自体は大したことがなくても、最後に笑えるような放送になればいい。そう思って、商店街の人と一緒に楽しく作っています。

― なるほど。「大山都市伝説!?」、とても楽しそうですね。

商店街の人たちも、楽しみながら取り組んでくれています。自分たちの周りにある出来事が、映像コンテンツに変わっていくのが面白いんですね。「こういうネタをやろうよ!」などと、どんどんアイデアが出てきます。

(つづく)

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千種 伸彰(ちぐさ のぶあき)
株式会社プラウドコンサルティング代表取締役、中小企業診断士。1968年高知県生まれ。早稲田大学卒業後、テレビ番組製作会社に入社。「ニュースステーション」、「ニュースJAPAN」などの制作に携わる。現在は、Web・動画・出版などのメディアプロデューサー、中小企業診断士として幅広く活動。内閣府「地域社会雇用創造事業」、東京消防庁「地震から命を守る7つの問いかけ」動画の制作。商店街放送局「ハッピーロード大山TV」、復興支援「Team気仙沼復興どうふ」などの活動を行っている。
●ハッピーロード大山TV http://www.youtube.com/user/happyroadTV
●株式会社プラウドコンサルティング http://www.proud-consulting.co.jp/