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診断士カレイドスコープ

商店街から毎月生放送! 千種 伸彰さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第1回】職業テレビ人×中小企業診断士

取材日:2013年8月8日

今回ご登場いただくのは、「ニュースステーション」や「ニュースJAPAN」などのテレビ制作にかかわっていた、メディアプロデューサーの千種伸彰さん(中小企業診断士)です。第1回は、千種さんがテレビ業界に入った経緯から診断士資格取得までを取り上げます。

ニュースステーションの特集企画を考えろ!

― なぜ、テレビの世界に入られたのですか。

千種伸彰さん

大学4年生の頃、「面白いアルバイトがあるから行ってみな」と先輩から言われたのがきっかけです。そのアルバイト先が、テレビの報道番組を制作している会社でした。社長からは、「お前の知り合いの学生を集めて、『ニュースステーション』(テレビ朝日系列放送)の特集企画を考えろ!」と言われました。考えた企画を毎週プレゼンするのですが、学生が考えた企画ですから、最初は箸にも棒にもかからないレベルです。でも、当時の番組プロデューサーは、プレゼンを聴きにきてくれていました。とてもありがたい話です。

― 大学生に『ニュースステーション』の特集企画を考えろとは、すごいですね。

おそらく、企画プレゼンを聴くことで学生の感覚を吸収し、番組に反映させようとしていたのだと思います。もちろん、最初はなかなか採用されませんでしたが、ある日、自分たちの出した企画が採用されたんです。いまでも忘れませんが、有機野菜に関する企画でした。有機JASという規格が新しくできて、野菜生産の世界が変化していく。それを特集企画として提案したら、採用されたんです。

企画が通ったのがとても嬉しくて、事務所に泊まり込み、特集制作に取り組みました。楽しかったですし、報道や映像の世界に魅力を感じるようになりました。こうして、大学生時代にいくつかの企画を通し、そのままTV制作会社に入社しました。

ジャーナリストとしての使命感

― アルバイトから、そのまま制作会社に入ったのですね。

『ニュースステーション』の特集を、AD(アシスタントディレクター)として担当するようになりました。すると、入社して1年足らずで、大きな出来事が起こりました。1995年1月17日の阪神・淡路大震災です。すぐに現地に駆けつけることになったのですが、震災の混乱で陸路も空路も使えません。何とか現地に行こうと、船をチャーターし、大阪湾から神戸港に入りました。メリケン波止場をよじ登って、被災地に駆けつけました。

― 現地に行くだけでも大変だったのですね。

「悲惨な状況の中で、現実の世界を伝えなくては!」とジャーナリスト魂がうずきました。「自分の身がどうなってもいいから、この状況を撮影して電波に乗せよう。『ニュースステーション』で伝えよう」という使命感を覚え、サンテレビ(兵庫県の放送局)と共同で取材し、被害の状況を伝えたり、仮設住宅から中継したりしました。

そのときは、「今後、これだけの報道現場を経験することはないだろう」という感覚がありました。でも、その2ヵ月後に、また大きな事件が起こりました。地下鉄サリン事件です。私はオウム真理教に関する一連の事件を取材し、報道するようになりました。こうして大きな事件で鍛えられ、私自身も職業テレビ人・ジャーナリストになっていきました。

事象を追いかけているにすぎない

― ここまでのご活動は、中小企業診断士とは縁が遠いように思いますが、その後なぜ、診断士資格を取得したのでしょうか。

千種伸彰さん

テレビ報道の仕事をしていると、さまざまな現場で取材をします。経営に苦しむ町工場を取材したり、倒産した会社のうす暗い部屋で、社長がポツンと座っている場面を取材したり...。でもそれは、事象を追いかけているにすぎないんです。肌感覚で「何かおかしい」、「何かすごい」と思っても、経済や経営のことがよくわからなければ、深いところまで理解できません。そしてそれでは、良い番組は作れない。

そこで勉強を始めたのが、中小企業診断士の資格です。診断士試験の勉強では、経済や経営のことを体系的に学ぶことができます。「絶対に診断士資格を取る」と決めて、本気で勉強に取り組みました。時間がとれる日は、1日に10時間くらい勉強していましたね。

― 10時間とはすごいですね。

報道マンでしたので、中小企業の現場はよく知っています。でも、診断士試験に役立つ基礎知識は持っていない。日本銀行の発表資料を記事にすることがあっても、その裏にある経済理論を知っていたわけではありません。「銀行に勤めているので、財務が得意」とか、「IT企業に勤めているので、経営情報システムが得意」といったベースを持っていませんでしたので、一生懸命に勉強しました。

その勉強をしたおかげで、経済や経営のことが何となくわかるようになりました。テレビ報道に携わる方にも、診断士試験はお勧めですね。

(つづく)

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千種 伸彰(ちぐさ のぶあき)
株式会社プラウドコンサルティング代表取締役、中小企業診断士。1968年高知県生まれ。早稲田大学卒業後、テレビ番組製作会社に入社。「ニュースステーション」、「ニュースJAPAN」などの制作に携わる。現在は、Web・動画・出版などのメディアプロデューサー、中小企業診断士として幅広く活動。内閣府「地域社会雇用創造事業」、東京消防庁「地震から命を守る7つの問いかけ」動画の制作。商店街放送局「ハッピーロード大山TV」、復興支援「Team気仙沼復興どうふ」などの活動を行っている。
●ハッピーロード大山TV http://www.youtube.com/user/happyroadTV
●株式会社プラウドコンサルティング http://www.proud-consulting.co.jp/