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業界特化で道を拓く―エンディング総研・小泉悟志さん

取材・文:福島 正人(中小企業診断士)

【第1回】経営を体系的に学びたい

取材日:2013年8月12日

今回ご登場いただくのは、株式会社エンディング総研代表取締役の小泉悟志さん(中小企業診断士)です。エンディング産業(葬儀社・墓石業者・仏壇業者・宗教法人など)の支援に取り組んでいます。第1回は、小泉さんの銀行員時代~中小企業診断士受験までを取り上げます。

この人たちは生きている!

― 元々は銀行員だったそうですね。

小泉悟志さん

はい。平成4(1992)年に、協和埼玉銀行(現・りそな銀行)に入社しました。本当は、百貨店や外食産業に入ろうと思っていたんです。でも、たまたまOB訪問をした銀行員の先輩がとても魅力的な方で、「金融が最大のサービス業だ」と熱く語ってくれました。その先輩の影響で、銀行に入ることを決めました。

― 銀行では、どのようなことをやっていたのですか。

最初に配属された支店で、預金や融資の仕事をした後、外回りの仕事をやるようになりました。商店街での集金業務をやったり、法人の新規取引先を開拓したりしました。MVP(成績優秀者)になって東南アジア視察旅行に行かせてもらったり、日本生産性本部の研修に4ヵ月間行かせてもらったりもしましたね。

― その後、新しくできた部署に配属されたそうですね。

"企業オーナー専門担当チーム"という部署に配属されました。株式公開をした企業経営者...つまり、銀行から見たVIP客を担当する部署です。金融資産だけで数十億の資産のある方々で、私もファイナンシャルプランナーの資格を取って、相談にあたりました。

意外だったのは、資産運用でリスクをとりたくない方が多かったことです。上場企業の経営者ですので、フローとしての報酬は十分にあります。ですから、ストックとして持っている金融資産を守れさえすればいい。運用利益が10%も20%もある必要はないんです。世界中に分散して、リスクを避けているケースが多かったですね。

― 上場企業の経営者と接する仕事はいかがでしたか。

お話をするだけで、とてもワクワクしました。「こんな世界があるのか!」と、まるでカミナリに打たれたような感じがしました。魅力的な方が多く、「この人たちは生きている!」という感じがしましたね。

たとえば私が会っていた方々は、しっかりとした理想像を持っていました。理想に向けて常に動いている。「会社をこうするんだ。そのために、いまこういうことに取り組むんだ」という感じです。「本当に寝ているのだろうか?」と思うくらい、皆さん、理想に向かって働いていました。

― 理想に向かって、突き進む感じでしょうか。

決裁までのスピードが早いのも印象的でした。部下から報告を受けると、すぐに指示を出す。「ちょっと預かるから」ではなく、その場で結論を出すんですね。基本はトップダウンです。私と話している途中でも、すぐに部下を呼んで指示を出す。部下としては、大変かもしれませんが(笑)。

人生、一度くらい勝負しないと

― 上場企業の経営者から、大きな影響を受けたのですね。

小泉悟志さん

以前、新規開拓したお客様から、「経理部長が辞めるので、うちに来ないか」と誘われました。従業員20名くらいのベンチャー企業です。上場企業の経営者たちから刺激を受けていた私は、迷わず「行きます!」と回答しました。

銀行を辞めることには、まったく抵抗がありませんでした。企業オーナー専門担当チームですごい経営者たちを見て、「事業をやりたい。人生、一度くらい勝負しないと」と思っていたんです。そこで、約10年間勤めた銀行を辞め、ベンチャー企業に転職しました。

― 転職して、いかがでしたか。

経理を担当して、中小企業では月次決算すら作れていないケースもあり、社長の"勘ピュータ"で会社を動かしていることも少なくないように思いました。そこで、まずは月次で数字を出すことから始めました。さらに年間の事業計画を作り、財務・経理の仕組みを作っていきました。そのうちに社長も安心し、「数字の部分は小泉に任せよう」と、好きにやらせてもらえるようになりました。

会社のビジネスモデルが良かったこともあり、売上はどんどん伸びていきました。そして従業員が増え、人事制度を作ったり、上場準備をしたりするようになっていきました。また、広報や経営企画などの部門も新設しました。

― 財務面から、経営全般にもかかわるようになったのですね。

経営の仕事に携わるようになって思ったのは、"経営を体系的に学びたい"ということです。そこで、中小企業診断士の資格スクールに通うことにしました。たまたまある資格スクールがモニター生を募集していて、無料で診断士講座を受けられたんです。モニター生になった以上は、試験に落ちたらまずいと思い、本当によく勉強しました。自分の人生の中で、一番よく勉強した時期だと思います。

(つづく)

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小泉 悟志(こいずみ さとし)
株式会社エンディング総研代表、エンディングビジネス研究会代表。現・りそな銀行退職後、2社のベンチャー企業を経営。その後、取締役として「家族葬のファミーユ」の経営を行う。現在は、葬儀社専門コンサルタントとして10社以上の顧問となるかたわら、業界専門誌『仏事』などで執筆も行っている。
●株式会社エンディング総研 http://www.ending-souken.jp