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診断士カレイドスコープ

異色の“デザイナー診断士”に聞く

文:平井 彩子(中小企業診断士)

【第3回】「デザインの力」を経営に活かそう

「デザインの力」を経営に活かすためにも、デザイン以外の勉強も重要と考える影山さん。最終回となる今回は、"デザイナー×中小企業診断士"の影山さんならではの熱い思いをお聞きしました。

デザインとは

― そもそもデザインという言葉は、どのような意味だと考えていらっしゃいますか。

影山大祐さん

アーティストが作るものは別にして、商業デザインで考えたとき、デザインをすることよりも、その前の段階のほうが大事だと思うんです。つまり、企業のことをよく知り、その企業がどのような考え方をしているか、そして、どうすることが一番良いのかを考えることが重要です。デザインは、あくまで表面上のものにすぎないと思うんです。

― 経営理念やコンセプトといったものでしょうか。

そうですね。よく、デザイナーの個性がどうだとかも言いますが、それがデザイナーにとっては良くても、会社のためになるかというと、別問題なんです。アーティストなら、個性があってもよいのですが、私はデザイナーですから、企業のためになることをしないと意味がないわけです。

― 失礼な言い方になってしまうかもしれませんが、経営者側にも、デザイナーとその部分で対等に話せると思っていない方も多いのではないでしょうか。

おっしゃるとおりです。そう思われても仕方がないと思います。

― でも、影山さんのような考え方のデザイナーもいらっしゃいます。

いまは、誰でもデザインができる時代です。名刺やポスターなどもパソコンがあれば作ることができますし、Webサイトもテンプレートを使えば、誰でもそれなりにできます。ですから、このままデザインだけをやっていたら、デザイナーの価値は下がっていってしまうと思います。これからは、それ以外の経営に関することや、デザイン以前の考え方に対して、価値を認めてもらえるようなことをしていかないといけませんよね。

― そのための診断士資格でもありますもんね。今後は、どのような活動をしたいですか。

自分で商品を作りたいです。人が作ったものにデザインをするのでなく、自分で作って自分で売りたいですね。リスクや責任を自分で負ってやらないと、企業に対して説得力のあるアドバイスができないと思うんです。自分が経験のないことに対してアドバイスをすると、無責任になってしまうというか...。

「デザインの力」

― 今後、デザインを離れて何かをすることは考えていらっしゃいますか。

影山大祐さんと平井彩子さん

いまのところ、デザインから離れたことをするつもりはありません。デザインやクリエイティブ全般を、もっと活かしていくべき場所があると思っているんです。世の中には、パッケージにしろ、内装にしろ、もう少しデザインに力を入れれば売れるものが、たくさんあります。「少しでも良いものを作ろう」という意識が高ければ、絶対に変わっていきますし、社会がそんな方向に向かえばいいと思っています。

― 「イマイチ」の商品、ということですね。でも、それを客観的に評価するのは、難しいですよね。

はい。ですから、自分の好き嫌いで判断しないよう、常に心がけていますね。デザイナーや担当者の好き嫌いは、あまり意味のないものです。

― デザインに限りませんが、クリエイティブは、時代の影響を受けやすい分野との印象があります。変化についていくためにも、デザイナーとして年齢を気にしたりするものでしょうか。

若干の不安はあります。そのためにも、診断士資格と併せて活用していかないといけませんね。今後、経営者とともに仕事ができるよう、職域を広げていきたいです。

― 「デザインの力」を経営に活かそうとの強い思いを感じさせる影山さん。本来であれば経営理念、戦略に基づいてデザインへの落とし込みがされるものですが、そうでないこともしばしばあるといいます。
 「経営」はすぐには結果が出ないものですが、「デザイン」は見た目ですぐに評価が下されてしまうものです。こうした違いと、発注側のデザインへの理解の低さによって、互いがWin-Winになっていないのが現状だと思います。この状況を打破できるのは、"デザイナー診断士"の影山さんではないでしょうか。今後の活躍が、大変楽しみです。

(おわり)

影山 大祐(かげやま だいすけ)
アートディレクター/デザイナー
1982年生まれ。2012年中小企業診断士登録。(一社)東京都中小企業診断士協会フットサル同好会所属。(株)メタモ、(株)パラドックス・クリエイティブなど、デザイン事務所や広告代理店に約10年間所属。その後、2012年9月に独立。広告、ロゴ、パンフレット、装丁、パッケージ、店舗ツールなど、さまざまな業種・ジャンルのデザインを制作。また、福島県の伝統的工芸品である大堀相馬焼の新ブランド立ち上げにも携わる。http://www.md-tokyo.com/