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診断士カレイドスコープ

エリア全体を長期間にわたりプロデュース

文:堀切 研一(中小企業診断士)

【第1回】日吉商店街連合会~学生やメディアとの協働による商店街連携

今回は、「長期間にわたってエリア全体をプロデュースする」診断士活動を紹介します。第1回目は、川崎市の日吉商店街連合会における、学生やメディアとの協働による商店街連携の事例です。

川崎のエリアプロデュース事業

私は現在、川崎のエリアプロデュース事業において、川崎市日吉地区のエリアプロデューサーとして活動しています。日吉地区は、日吉商店街連合会の6商店街202店舗(2013年3月30日現在)で構成されている地域です。

エリアプロデュース事業とは、川崎市と川崎商工会議所が合同で実施している地域活性化の施策です。特徴は、個店や一商店街を支援するのでなく、その地域全体を包括的に、そして長期にわたって支援していく点です。

地域には、それぞれの特性があります。どのような活性化策をとっていくかは、地域の方、川崎市や川崎商工会議所の職員、そしてエリアプロデューサーが議論を重ねて創り上げていきます。活性化の手段については、きわめて自由度が高い反面、年度の終わりに行われる報告会で十分な成果が上がっていないと判断された場合は、そのエリアに対する支援が打ち切りになる可能性も高いのです。

専門家としても、かなりの裁量と、それに比例した責任を付与されており、やりがいの高い事業です。

日吉地区のエリアプロデューサーに

私は2009年に独立した直後から、日吉地区の南加瀬原町商店会にご縁をいただき、イベントのお手伝いをしました。それがきっかけで、日吉商店街連合会の深瀬武三会長に名前を覚えていただきました。

電子ナビスタンプラリー
「電子ナビスタンプラリー」の様子

2010年より、日吉地区でもエリアプロデュース事業が始まることとなり、誰を専門家に選定するかという議論になりました。深瀬会長が私を覚えてくださっていたことから指名され、日吉地区のエリアプロデューサーとして支援を行うことになりました。

とは言え、いきなり6商店街202店舗が連携するのは難しいため、まずはすでに支援実績のあった南加瀬原町商店会と、お隣の小倉商栄会の2商店街の連携を支援することになりました。最初の2年間は、2商店街が実施している単会のお祭りを中心に、お互いの商店街が相互に交流しながら連携していきました。

その過程では、大学生がお祭りの企画立案から運営まで携わったり、メディア関係者に打ち合わせ段階から入ってもらい、まちのことを伝える側の視点から意見をいただいたりするなど、商店街の方だけでなく、さまざまな関与者に協力してもらいながら活性化を図りました。南加瀬原町商店会では、1641年から地域を見守っているお地蔵さんを祀った「地蔵尊祭り」で、お地蔵さんと2商店街5店舗、合計6ヵ所を電子ナビに誘導してもらいながら巡る「電子ナビスタンプラリー」を実施しました。

学生やメディア関係者との協働

竹細工を作る大学生
竹細工を作る大学生

小倉商栄会では、「日本文化を伝える」というテーマでお祭りを開催しました。グローバル化の進展、核家族化による世代間の断絶、少子高齢化などにより、普段の生活の中で継承されてきた日本文化を感じる場が現在は激減しており、日本らしさ、地域らしさが失われつつあります。それは、小倉のまちも例外ではありません。そこで、地域の方や大学生、メディア関係者で打ち合わせを行い、「小倉のまちが一体となって子どもたちに日本文化を伝えよう!」というテーマで、「ふれあい広場」というお祭りを開催することになりました。

大学生と地域の子どもたちの交流
大学生と地域の子どもたちの交流

学生スタッフや私も、浴衣や甚平を着て参加しました。また、お祭りが始まる3週間ほど前から、商店街中に50本の笹を設置し、地元の保育園や幼稚園の児童に、短冊に願い事を書いてもらって飾りつけをしました。これにより、自分が書いた短冊を親子で探しながら、商店街を回遊してもらうことができました。

商店街の方と大学生によるテレビでの告知
商店街の方と大学生によるテレビでの告知

このように「学生」、「メディア関係者」、「2つの商店街連携」といった取組みの中で、打ち合わせに入ってくれたケーブルテレビの担当者からは、学生と両商店街の方が一緒になって番組で告知をしてはどうか、という提案をいただけました。視聴者にとっても珍しい告知方法で、地域の方からの反応も上々だったようです。

このように、大学生やメディア関係者と協力しながら、まずは地元の方に商店街を回遊してもらい、お店を知ってもらうという活動を中心に、2商店街の連携支援を進めていきました。

(つづく)

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※東日本大震災における「被災中小企業の復旧復興支援に係る貢献者」として、経済産業大臣賞を受賞した「岩手県中小企業診断士協会」の取材記事です。

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