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「“ちいさな企業”未来会議」にコアメンバーとして参加

文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第1回】「"ちいさな企業"未来会議」の内容とねらい

今回は、平成24年3月の総会を皮切りに、同年6月までの間、これまでの中小・小規模企業支援施策を見直し、今後の政策の再構築に向けたとりまとめを行った「"ちいさな企業"未来会議」にコアメンバーとして参加した筆者の視点から、同会議での出来事等をレポートします。

1通のメールから始まった「"ちいさな企業"未来会議」

ロゴマーク
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平成24年2月の寒い日、1通のメールが届きました。見慣れないアドレスです。開封してみると、中小企業庁からでした。何でも、今後の中小・小規模企業支援政策について国民会議を開催するとのことです。それが、「"ちいさな企業"未来会議」でした。

この会議は、次代を担う青年層や女性層の中小・小規模企業経営者を中心に、中小企業団体、税理士等の士業、商店街関係者、地域金融機関等、幅広い主体の参加の下に行うとのこと。私は、士業の一員である中小企業診断士の青年層代表として、お声がけいただいたようです。推測にすぎませんが、平成22年度「中小企業経営診断シンポジウム」で最優秀賞の中小企業庁長官賞をいただいたことが、理由ではないかと思っています。

参加依頼が来てから、メールで送られてくる資料によって、少しずつ会議の内容が見えてきました。その内容とは、次のようなものです。

  • 中小企業経営者のための、官民共同参加による過去に例のない大型会議。コアとなるメンバーは、200名以上
  • 目的は、中小・小規模企業経営者と支援機関、金融機関から直接意見を聞くことで、これまでの中小企業支援施策を見直し、今後のあるべき支援策を検討すること
  • 平成24年3月の総会をスタートとし、同年6月までにとりまとめと提言を行う
  • 東京だけではなく、全国30ヵ所以上で「地方会議」を開催し、地域の声も取り入れる
  • 地方会議やワーキンググループには、中小企業庁から指名されたメンバーでなくとも、参加希望者はサポーターとして参加可能

第1回総会に参加

会議に参加する筆者(未来会議のHPより)
会議に参加する筆者(前列一番手前)
(未来会議のHPより)

「第1回総会の開催日が平成24年3月3日に決まった」と連絡が入ったのが、2月中旬。同年6月までの会議全体を通じて感じたことですが、「"ちいさな企業"未来会議」は、突然に物事が決まるケースが多くありました。しかしそれは、段取りが悪いということではなく、これだけ大規模な会議の調整をされている中小企業庁職員のご苦労が強く伝わってくるものでした。さらに、各会合の短い合間に膨大な資料が作成され、メールで送られてきます。職員の方々の業務量とスピードに初めて触れ、これはすごいなと驚くとともに、頭の下がる思いでした。

3月3日、第1回総会の会場は、経済産業省でした。土曜日だったこともあり、「ラフな格好で」という指示がありました。座席表を数えると、参加は200名。座席は、経営者も士業も業種別にグループ分けされています。私はたまたま一番端の席でしたので、全体をよく見渡せました。

定刻となり、枝野幸男経済産業大臣の開会の挨拶によって、総会がスタートしました。この会議の目的や今後のスケジュール説明の後、さっそく次のテーマでの自由討議が始まりました。

  • 第1部:中小・小規模企業を巡る実態・課題とこれまでの政策の評価等
  • 第2部:次代を担う若手・青年層、女性層の活力発揮
  • 第3部:「地域」の中の中小・小規模企業(商店街等)

途中から野田総理大臣も参加

野田総理大臣も途中参加(未来会議のHPより)
野田総理大臣も途中参加
(未来会議のHPより)

それぞれのテーマごとに、発言を希望する方は挙手をして、枝野大臣が指名します。経営者、支援専門家、金融機関とそれぞれの立場から3分程度の発言をし、それに対して1つひとつ丁寧に、枝野大臣がコメントをしていきます。討議ではなく、意見収集を目的とした進行でした。なお、第2部から議長は岡村正・中小企業政策審議会会長、日本商工会議所会頭に交代しました。

発言の内容はさまざまでしたが、印象に残っているのが、「中小・小規模企業の重要性を経済産業省は認識されているが、他の省庁を含めて、その足並みはそろっているのだろうかということである。それぞれの省庁が、自らの使命のために活動されていると思うが、その活動の中には中小企業の経営や継続ということまで考えくれているのか、と思うものがある。ぜひ、足並みをそろえてほしい」というものでした。

皆さん、この場で伝えたいことを事前に準備し、必死の思いで発言されていました。その必死さの一方で、私は何も発言できませんでした。自分は、彼らほどの思いを持ってこの会議に参加しているのだろうかと、恥ずかしくなりました。

なお、途中から野田佳彦内閣総理大臣も会議に参加され、発言されました。この会議の重要性をあらためて感じたのでした。

(つづく)

【参考】