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診断士カレイドスコープ

アサヒグループ診断士の会×Vividyコラボ企画「企業診断プロジェクト」レポート

文:上品 香代(中小企業診断士)鶴見 麻衣(中小企業診断士)姫野 智子(中小企業診断士)

【第2回】プロジェクトチームの模索と成長<アイデア出し~ディスカッション>

「アサヒグループ診断士の会」と「Vividy」がコラボレートして行った合同診断の模様をお届けする第2回。今回は、アイデア出し~ディスカッションの過程について詳しくレポートします。

ソーシャルコミュニケーションを猛勉強

ミーティングで一生懸命に案出し
ミーティングで一生懸命に案出し

社長と常務への緊張のヒアリングが終了し、次のミーティングまでに各自で書籍等から情報収集をしておくことになりました。もともと、Facebookは全員が利用しており、使い勝手はわかっていましたが、本格的にマーケティングツールとして活用した経験はなかったため、猛勉強、猛調査が始まりました。

参考にした書籍の内容は、FacebookやTwitterのビジネス利用やマーケティング活用方法、GoogleAppsのガイド、ソーシャルメディア、Webマーケティング、BtoBマーケティングについて等です。各自3冊以上は読み、内容を簡単にまとめてDropboxに格納し、皆で読めるようにしました。

もちろん、書籍を読むだけではなく、実践も欠かせません。書籍で紹介されていた、Facebookのビジネス利用で成功している企業のFacebookページで「いいね!」を押し、その情報発信方法を学んだり、アプリを使ったりもしてみました。

他企業や工場へも貪欲に調査

そのほか、コミュニケーションの専門家や、クラウドコンピューティングサービス企業、社内コミュニケーションでFacebookを活用している企業、携帯サイトの広告やスマートフォンアプリを開発している企業、大手卸売企業等にもお話をうかがいに行きました。この内容も同様に簡潔にまとめ、Dropboxで共有しました。

また、丸源飲料工業様は、宇都宮に工場があります。企業診断メンバーの1人がたまたま近くに出張する機会があり、その帰りに見学させていただくことになりました。そこでも、工場の情報発信のあり方や、組織のコミュニケーションについてお話をうかがってきました。

ミーティングの難しさを痛感

通販で購入した業務用商材を賞味~ザクロの美味しさにビックリ
通販で購入した業務用商材を賞味~
ザクロの美味しさにビックリ

社長と常務のヒアリングから2週間後、第2回ミーティングの開催です。場所は前回同様、アサヒビール本社のミーティング室です。

まずは社長、常務へのヒアリング内容の確認からスタート。メンバー全員で、丸源飲料工業様の現状把握や将来のビジョン、強み・弱み・機会・脅威について共通認識を持ち、今後の方向性について話し合いました。その結果、外食店舗向け業務用飲料、およびデザート食材事業と一般消費者向けの「トーキョーサイダー」事業の両輪で、丸源飲料工業様の永続・成長を目指すという方向性に基づき、ヒアリングに臨むことについて、全員が合意しました。実際のところ、ヒアリングの分量が多かったため、方向性が明確になるまでは簡単ではありませんでした。

外食店舗向け販売商品と「トーキョーサイダー」は、ターゲットの階層が違うものの、外食店舗向け販売商品は、外食店舗のメニュー開発を支えるというニーズに応えることにより、また「トーキョーサイダー」は地元に根づいた下町・すみだのシンボル的な地サイダーとして選ばれることによって、それぞれ企業の価値を高めてきました。そこで、外食店舗向け販売商品は、「プロ用の品質と対応力、バリエーションから信頼へ」、また「トーキョーサイダー」は墨田区限定なので、「墨田区の誇りへ」という点から、両輪で会社の成長と発展を目指し、丸源ブランドを確立していくという方向性を導き出しました。

続いて、インプット情報の共有として、2週間の猛勉強の成果を発表し合いました。それぞれが行った書籍やFacebookページの調査、企業へのヒアリングの内容を説明し、今回の提案に活かせるものを探りました。しかし、このメンバーでのミーティングに慣れていないためか、なかなかディスカッションが進みません。当初は、あと1回のミーティングで提案内容を完成させる予定でしたが、ゴールが見えない中、急遽常務へのヒアリングとミーティングを増やすことになりました。

ミーティングの最後には、チーム分けを行いました。外食店舗向け販売商品チーム、「トーキョーサイダー」チーム、社内プロセスチームです。今回の経験を通じて、さまざまなところからメンバーが集まるプロジェクトでは、どのようにミーティングを進行するか、またミーティングで各メンバーがどのような役割を果たすかも、重要なポイントであると感じました。

中小企業診断士にとって不可欠なヒアリング能力

最初に行ったヒアリングでは緊張してしまい、深いところまで聞き出せませんでしたが、2回目の常務へのヒアリングでは、さらに深掘りした内容をうかがうことができました。方向性のディスカッションを行った後ということもあり、知りたい部分をピンポイントで質問し、ご回答いただけました。

私たちにとっては、2回のヒアリングで深い情報を得られ、ミーティングに向けていい効果がもたらされましたが、常務には余計な時間と手間をとらせてしまう結果となってしまいました。中小企業診断士として、1回で必要な情報を引き出せるヒアリング能力の向上が必須であると感じました。

課題の明確化で一歩前進

ミーティングも、いよいよ3回目。常務ヒアリングの議事録はDropboxに格納され、参加していなかったメンバーもキャッチアップしてのミーティングです。

この時点で、チームごとの課題がようやく明確になりました。これは、丸源飲料工業様のソーシャルメディア利用状況について、時間軸や発信媒体、内容等に分けて細かく調査し、現状分析したことによります。分析から疑問に感じた点を整理し、課題が明確になったのです。今回のミーティングでは、課題を導くためには、現状分析を細かく深く行うことが重要であることに気づきました。

ミーティングの進め方についても、各チームの発表形式に変化が現れ、ミーティング自体に流れができてきたように思えました。まだまだ粗いものの、チームごとの提案骨子ができ上がり、形になってきました。また、プレゼンテーション用のパワーポイントの構成も固まり、あとは内容を盛り込むだけです。しかし、ここからがまた大変でした。

宿題は、次回ミーティングまでに、提案骨子から各自でパワーポイントを作成すること。診断士受験生のPetit-Vividyメンバーは、丸源飲料工業様のホームページ、Facebook、Twitter等での発信履歴調査をまとめました。これをグラフにし、発表用のパワーポイントに盛り込みます。実際の調査に基づく提案ができたため、プレゼンテーション内容にも説得力が増したように思います。

提案内容の質を高めるには、ミーティング技術向上も必要

いよいよ、ミーティングも大詰めです。宿題となっていたパワーポイントを作成しましたが、各自バラバラのスタイルで作成してきたため、見た目も未完成、内容も突っ込みどころ満載で、不穏な空気が...。不安を払拭するべく、第4回ミーティングでは、大まかな課題解決案から、提案できるレベルにするためのディスカッションに時間をかけました。

ミーティングは数をこなしているため、ディスカッションも活発になり、良い状態でしたが、もっと良いミーティングができるのではと思うことがありました。それは、各自が作成してきたスライドについてです。バラバラのスタイルで作成したため、内容の把握に余計な時間がかかってしまったり、ディスカッションのポイントがぼやけてしまったりしたのです。レベルの高いミーティングを行うには、資料作成方法の統一も不可欠であるとわかりました。とはいえ、ミーティングが終わる頃になると、ようやくゴールが見えてきたように思え、焦りばかりだったこれまでとは違って、充実感がわいてきました。

<プロジェクトメンバー>

Vividyメンバー:和気みゆき(リーダー)、鶴見麻衣、姫野智子、上品香代

Petit-Vividyメンバー:和田純子、山村ゆき江

アサヒグループ診断士の会メンバー:成塚祐介(リーダー)、松浦 端、大西隆宏

(つづく)

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