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中小企業診断士ブロガーレポート 異色士業(中小企業診断士・弁理士・行政書士)のコラボレーションによる知的資産経営支援

文:西井 克己(中小企業診断士)

「ブログ:北陸(石川県・富山県・福井県)で中小企業の資金調達を支援するブログ」

平成20年12月、私は中小企業診断士・弁理士・行政書士が知的資産経営を支援する「もちや事業部」を立ち上げました。一見、一緒にする仕事がないような異色士業の組み合わせですが、立ち上げてから3年が経ち、少しずつ成果と言えるものが見えてきました。今回は、この「もちや事業部」の活動についてレポートさせていただきます。

もちや事業部の立上げ

もちや事業部のメンバー
もちや事業部のメンバー

私は以前、「地産地診--石川県編」で取材していただいたとおり、勝尾太一・行政書士との共同事務所という形で、平成18年9月に創業しました。創業から2年後、勝尾行政書士から、「知的資産経営が面白いので、一度調べてみたら?」と助言をいただきます。調べてみると、知的資産とは企業の決算書に表れない資産の総称で、企業が持つ競争力の源泉そのものであり、知的資産経営とは、その見えざる資産に注目して経営を行うことであるとわかりました。そして、私が普段、中小企業を支援していて重要だと思っていたことズバリだったことから、この知的資産経営に取り組むことになりました。

ただ、見えざる資産である知的資産を把握することは、中小企業診断士1人ではできそうにありません。そこで、横井敏弘・弁理士と勝尾行政書士、さらに弊社の2名の中小企業診断士(佐々木経司と私)で、知的資産経営支援を行うことにしました。そして、「餅はもちや」を合言葉に、各士業がお互いを尊重して独立性を保ちつつ、何名かで課題解決に当たる必要性があるときは、各士業がチームでお客様と「とことん」向き合える士業の集まりを目指すという意味を込めて、グループ名称を「もちや事業部」としました。

初めての支援(士業コラボレーションの必要性を実感)

知的資産セミナーの様子
知的資産セミナーの様子

私たちは、知的資産経営に対する実績や経験がなかったため、佐々木経司・中小企業診断士が「京都府知恵の経営ナビゲーター育成講座」を受講して知的資産経営報告書の作成方法を学び、その受講内容を4人で確認することから始めました。そして、株式会社迅技術経営の知的資産経営報告書を作成した後、私の大学院時代の先輩が経営するベンチャー企業・株式会社ポリチオンさんの知的資産経営報告書を作成しました。報告書作成の過程で、横井弁理士、勝尾行政書士とともにお客様にヒアリングを行ったのですが、お2人は、中小企業診断士とまったく異なる視点で質問やもののとらえ方をされることにあらためて気づきました。

私たち中小企業診断士は経営全般に関する視点で、横井弁理士は知的財産権全般やノウハウ・情報の管理に関する視点で、勝尾行政書士は、許認可や届出など管理系の書類に関する視点で、それぞれお客様にヒアリングを行います。この3士業によるヒアリングは、お客様にとって有益なものですし、中小企業診断士である私にとっても、新たな視点を見出す場、自分が成長できる場となっています。

企業内診断士との出会いがきっかけで

知的資産経営支援事業をさまざまな企業に提案できるようになったきっかけは、地元の金融機関である北國銀行さんにお勤めの竹内均・中小企業診断士との出会いでした。竹内中小企業診断士は、北國銀行さんで、当時の地域力連携拠点事業を推進され、知的資産経営支援の必要性を感じておられました。ただ、当時の石川県は、まだ知的資産経営支援を行う支援者がおらず、支援者を探している状況でした。

私は、北國銀行さんとある仕事を行った際に、竹内中小企業診断士と初めてお会いしました。お互いに中小企業診断士だったこともあり、初めからさまざまな話ができたのを覚えています。それがご縁で、竹内中小企業診断士を窓口に、北國銀行さんとは地域力連携拠点事業(平成21年度事業)、中小企業応援センター事業(平成22年度事業)、中小企業支援ネットワーク強化事業で、知的資産経営支援を行わせていただく関係となりました。

また、中小企業支援機関に勤務されている企業内診断士の方にも、この活動にご賛同いただき、さまざまな形でご支援をいただいております。私たちのネットワークだけではまったく出会うことがなかった企業様に知的資産経営支援ができるのも、これらの出会いのおかげです。

今後の展開

西井克己さん
西井克己さん

一緒にする仕事はないと思いがちな異色士業(中小企業診断士、弁理士、行政書士)ですが、3年間にわたり、知的資産経営支援という仕事を行うことができました。士業にありがちな仲違いをすることもなく、一歩一歩着実に、この地域に知的資産経営を根づかせる活動を継続していきたいと思っています。

今後は、佐々木中小企業診断士が関西知的資産経営研究会で培った人脈を活用し、新しい知的資産経営の流れを把握しつつ、知的資産経営の普及活動を行っていきます。さらに、これまで報告書を作成させていただいたお客様へのフォローも行っていきたいと考えています。この異色士業による活動が10年目を迎えたとき、知的資産という言葉が一般的になっているよう、頑張っていきたいと思います。今後の活動は、私のブログもちや事業部のブログで報告したいと思いますので、よろしくお願いいたします。

(おわり)

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西井 克己(にしい かつみ)
(株)迅技術経営代表取締役。北陸先端科学技術大学院大学材料科学研究科博士前期課程修了。化学メーカーで、フラットパネルディスプレイ関連開発に従事。現在は、製造業を中心とした事業計画策定・原価管理・品質管理支援のほか、技術ベンチャーの創業経験を活かし、実践的な創業支援も行う。