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中小企業診断士ブロガーレポート 中小企業庁長官賞を受賞して、その後…

文:大石 幸紀(中小企業診断士)

「ブログ:中小企業診断士 大石幸紀 大幸経営有限会社」

平成22年11月17日、(社)中小企業診断協会が主催する「中小企業経営診断シンポジウム」にて、私の「中小企業診断士による経営革新支援事例に関する論文」が、最優秀賞にあたる中小企業庁長官賞を受賞させていただきました。

受賞の瞬間
受賞の瞬間

その受賞の際のブログが、こちらです。

そして、こちらが最優秀賞をいただいた論文です。

この賞をいただいてから、すでに10ヵ月が経過しました。少し早い気もしますが、受賞が私の中小企業診断士としての活動や生活にどのような変化をもたらしたのかを、レポートさせていただきます。

受賞後、ある方から「これからは全国から講演の依頼がくるよ」と声をかけてもらいました。私は平静を装っていましたが、内心では期待をふくらませていました。では、実際にはどうなったのでしょう。

この原稿を執筆している現在までに、「受賞論文の内容で講演してほしい」という依頼は2件ありました。皆さんはこの数字を、多いと思いますか。それとも少ないと思いますか。私は正直、もう少し期待していました。欲張りでしょうか。毎週このネタでしゃべりっぱなしの日々が続くのかと思っていたのですが、まんまとアテが外れました。

これには、次のような理由があるのではないかと思っています。まずは、受賞したことや講演内容を、ダイレクトメールなどを使って自分から営業しなかったことです。私が受賞した論文で取り上げた支援先は、農業でした。そのため、講演の需要があるのは、農林水産業系の行政機関や団体と思われますが、自分からアプローチをしなかったのです。想像するに、農業系の方々には、中小企業診断士の受賞についての情報が、自然に届くようにはなっていないようです。

こんなに変わった診断士活動

コンサルティングは現場基本
コンサルティングは現場基本

では、中小企業庁長官賞をいただいたことは、中小企業診断士としての活動に影響がなかったのかというと、そんなことはありません。私が営業活動をしなかった理由は、する暇がないほど多忙になったからなのです。

中小企業庁長官賞を受賞以来、私にはコンサルティングと講演の依頼が途切れることなくきています。なぜなら、私を商品として売り込んでいるコンサルティング会社や研修会社からのオーダーが、格段に増えたからです。それらの会社の営業の皆さんは、口をそろえて私のことを、「売り込みがしやすくなった」と言います。プロの営業担当者にすれば、「賞を取ったばかりのコンサルタントですから、その実力は保証できます」ということで、売りやすいらしいのです。

それらのコンサルティング会社がターゲットとしている業界は、農業とはまったく関係がありません。それでも、中小企業の社長さんの背中を押す効果として、「受賞」という2文字の効果は大きいようです。コンサルティングも講演も、サービス業です。サービス業の特性である無形性を解消するためには、「受賞」の効果は大きいのでしょう。

具体的には、最近は月曜から金曜日まで、お客さんのところでコンサルティングをしているか講演をしているかで、机に座れるのは深夜事務所に戻ってからか、土日といった状態です。

自覚が一番の変化

最優秀賞は、私が書いた論文に対していただいたものであって、中小企業診断士としての私に対してではありません。しかし、世間は私にとって都合のよいように誤解してくれ、受賞以来、私のことを紹介してくださる方は、「中小企業庁長官賞を受賞した大石さん」と冠をつけてくださるようになりました。

そのようにご紹介していただくと、いつの間にか自分でも中小企業診断士として賞をいただいたように勘違いをし始めて、「受賞に恥じない中小企業診断士として活動しなくては」という思いが強くなりました。その自覚というか勘違いが、ミッションに対する真剣さを、以前よりも研ぎ澄ましてくれているように思います。受賞をして得た一番の変化が、この自覚だと思っています。

ただ、今回のレポートを書いていて、もう一度自分からしっかりと受賞の営業活動をしてみようか、という思いにもなったのも事実です。その結果がどうなったかは、改めて私のブログにて報告させていただきますので、ご注目ください。

今年の「中小企業経営診断シンポジウム」は、11月9日(水)に東京ガーデンパレスにて開催されます。今年の中小企業庁長官賞の受賞者は、どのような方で、いかなる変化を体験されるのか、いまから楽しみです。

(おわり)

大石 幸紀(おおいし ゆきのり)
大幸経営有限会社代表取締役、NPO経済活動支援チーム 理事・事務局長。
昭和47年生まれ。早稲田大学商学部卒業後、松下電工(現・パナソニック電工)株式会社に入社、経理部・営業管理部に所属。平成16年中小企業診断士として独立、同年NPO経済活動支援チーム(NPO EAST)理事・事務局長に就任。農業、建設業を中心として管理力を強化するコンサルティングを提供している。平成22年度、中小企業経営診断シンポジウムにおいて、中小企業庁長官賞受賞。
【ホームページ】:http://dai-kei.com