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中小企業診断士ブロガーレポート 中小企業の信頼獲得に必要なことは「自分が手を動かし、汗をかくこと」

文:石田 恵介(中小企業診断士)

「ブログ:中小企業診断士・役人コーチの挑戦」

コンサルティング・講師・執筆などすべて未経験からスタートした「元区役所職員」が独立中小企業診断士として、どのような活動をしているのか。その活動記録(ブログ)を通じて、独立中小企業診断士を身近に感じていただければと思うとともに、「これなら私も独立できる!」と独立を目指す方の不安の払拭や、後押しにつながれば幸いです。

中小企業の経営者から信頼を得るには、「一緒に手を動かし、汗をかく」こと

若手社員の方からは社長には直接言えない現場の悩みを聞くことも
若手社員の方からは社長には
直接言えない現場の悩みを聞くことも

「コンサルタントの役割は、企業の進むべき方向性を示すこと。だから、アドバイスはしても、作業を担うべきではない」―この考え方を否定するつもりはありません。しかし、20~30代の若手で駆け出しのコンサルタントが、中小企業経営者から信頼を得るためには、「経営者や社員と一緒になって手を動かし、汗をかくことが必要である」というのが、中小企業の支援現場にいる私の実感です。

確かに、成果に向けた有効なアドバイスをすることは、コンサルタントの重要な役割です。しかし、いくら有益なアドバイスをしても、それが実行されなければ成果にはつながりません。そして多くの中小企業では、コンサルタントのアドバイスを実行に移すだけのマンパワーが圧倒的に不足しているのが現状です。そのような状況の中で、「コンサルタントはアドバイス、実行するのは中小企業自身」というスタンスをとってしまうと、経営者からは「評論家」、「口だけで動かない」と思われてしまい、信頼を勝ち得ることができません。特に私のような若いコンサルタントは、なおさらです。逆に、コンサルタント自身が率先自発の行動を示せば、「そこまでやってくれるなら」という信頼感が生まれ、「われわれもやってみるか」という企業自身の行動にもつながっていきます。

中小企業支援はスマートさよりも泥臭さ

現在、継続的に支援をさせていただいている企業において、実際に行った支援内容の一例をご紹介いたします。決してスマートなものではなく、非常に泥臭く地道な活動ですが、コンサルティング未経験から独立中小企業診断士を目指す方の参考になればと思います。

社員の方と一緒に
月次決算の資料を作成している様子
社員の方と一緒に
月次決算の資料を作成している様子
1. 月次決算導入のための領収書整理と会計ソフトへの入力
会計ソフトの購入のみ負担していただき、およそ段ボール1箱分の領収書を月別・費用別にまとめ、1つひとつエクセルと会計ソフトに入力。途方もない作業でしたが、2ヵ月ほどかけてやりきりました。結果、年1回のどんぶり会計から、毎月の収支が「見える」ようになりました。なお、自分が行った作業プロセスをマニュアル化したことで、今ではこの作業を社員の方に担っていただいています。
2. 給与計算の自動化
今まで、タイムカードと電卓で計算していた給与計算を、タイムカードの故障を期に、自動で給与計算ができる仕組みを整えました。機器の導入からPCへのインストールはもちろん、操作マニュアルも作成しました。こちらの作業も、今では社員の方に担っていただいています。
3. ホームページの作成
サーバをレンタルし、独自のドメインを取得しました。ホームページ編集ソフトを購入いただき、無料のテンプレートを活用して、社長と一緒にパソコンを眺めながら一からホームページを作りました。先日、このホームページから問い合わせをいただき、めでたく新規の受注を得ることができました。
4. 販促チラシの作成
ホームページに続き、新たな顧客獲得に向けた販促チラシも作っています。他社のチラシを参考にしながら、ワードとデジタルカメラの画像を駆使した手作りチラシです。
また、見込み客になりそうな顧客をインターネットで探し出し、顧客リストを作成して1社ずつ郵送するという地道な作業も、社員の方と一緒に行っています。

なお、これらの支援活動は、同時並行的に行ったものではありません。1つの支援が形になると、「次は、これもやってもらえないか」と、新たな依頼としていただいたものです。「アドバイスだけでなく、手を動かし、汗をかいた」ことが評価され、継続支援につながっているのだと思っています。はじめは手間のかかる大変な作業が多いのですが、これらの積み重ねがコンサルタントとしてのノウハウや実績につながっているのだと思います。

若手の独立中小企業診断士が増えてほしい!

中小企業支援の現場で実感していることは、「多くの中小企業がわれわれの支援を求めている」、そして「支援できる中小企業診断士の数が不足している」ということです。支援先の社長から、「知り合いの会社も診てもらえないかな」というお話を頂戴するのですが、1人の中小企業診断士が支援できる企業の数には限りがあり、物理的な制約からご支援できないケースがあります。1社でも多くの中小企業に実りある支援を提供するためにも、労をいとわず支援に没頭できる若い独立中小企業診断士がもっと増えてほしいと思います。

コンサルティング以外にも研修やセミナー講師の活動もしています
コンサルティング以外にも
研修やセミナー講師の活動もしています

支援のつど、社長や社員からいただく「ありがとう」、「あなたのおかげで」という感謝の言葉は、お金には代え難い達成感とやりがいを感じる最高の瞬間です。

最後に

コンサルティング未経験の私でも、中小企業のお役に立てていることを肌で感じています。そんな元区役所職員の私が、独立中小企業診断士としてどのような活動を行っているか。仕事に限らず、プライベートな日々の雑感も書き綴っていますが、興味のある方は下記ブログをご覧いただければ幸いです。

中小企業診断士・役人コーチの挑戦

(おわり)

石田 恵介(いしだ けいすけ)
K&Rコーチング・コンサルティング代表。
1975年生まれ。法政大学法学部政治学科卒業後、自治体職員として地方行政に従事し、2008年独立。「アドバイスだけ」ではなく、「手を動かし、ともに汗をかき、変革を実現する」実務支援のコンサルティングがモットー。人のモチベーションと行動にフォーカスし、組織の変革を実現するコーチ・コンサルタントとしても活躍中。中小企業診断士、(財)生涯学習開発財団認定コーチ。
【ホームページ】:http://www.yakunin-coach.com/