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診断士カレイドスコープ

先輩診断士が後輩診断士の独立を支援する場として

文:石田 恵介(中小企業診断士)

【第1回】「中小企業診断士 独立開業研究会」とは

設立のきっかけ

吉田雅紀先生
吉田 雅紀 先生

「中小企業診断士 独立開業研究会」は、首都圏の20代、30代の独立診断士や、独立を目指す中小企業診断士を会員とする研究会です。平成12年に、元・中小企業診断士の辻井啓作さんによって設立されました。

平成9年、28歳の若さで中小企業診断士として独立された辻井さん。独立当初は、仕事の確保に大変苦労されたそうです。どこへ営業に行き、誰を訪ねれば仕事に結びつくのか、それがぼんやりみえてきたのは、独立して1年以上経った頃でした。

当時、20代で独立する中小企業診断士が少なかったこともあり、辻井さんの元には若くして独立した中小企業診断士が多く訪れ、仕事の取り方やつくり方のアドバイスを求めるようになりました。そこで辻井さんは、自分や他の中小企業診断士が、独立してから安定的に仕事を確保できるようになるまで、どのようなことをしたのか、またどのような人と巡り会ってきたのかを、月に1度程度でも伝える場があれば、独立したての中小企業診断士が、自分のような苦労をしなくともスムーズに仕事を受注できるようになるのではないか、と考えるようになったそうです。こうして辻井さんが設立したのが、この「中小企業診断士 独立開業研究会」です。

研究の場ではなく、ビジネスの場として

毎回多くの参加者が出席
毎回多くの参加者が出席

辻井さんには、20代、30代の中小企業診断士は、独立したら積極的に先輩診断士の下請け仕事をさせてもらい、独立者として、仕事のルールや進め方を学ぶべきだ、という持論がありました。そこでこの研究会は、単に先輩診断士の講演を聴くだけの場ではなく、独立したばかり、もしくはこれから独立をしようと考えている中小企業診断士が、先輩に対して積極的に自分を売り込み、下請け仕事の受注を目指す場にしよう、と考えました。一方で先輩診断士に対しては、自身が受注した業務を手伝ってもらう優秀な人材との出会いを提供する、そのような会にしたのです。こうした下請け歓迎の方針から、研究会への参加資格は、40歳未満の中小企業診断士資格保有者に限定することになりました。

平成12年の設立以来、途中休会の時期もありましたが、この10年間で会員は100名を超え、講演をいただいた中小企業診断士の先輩方も30名を超えています。当初は、辻井さんがお世話になっていた方々に講師をお願いしていましたが、時間が経つにつれ、この研究会の受講生だった方が独立してからの軌跡をお話しいただく機会も増えてきました。ちなみに、講師をお願いする中小企業診断士の皆さんには、無償でお話しいただいていますが、断られた方は1人もいないとのこと。皆さん、後進のためならと快くお引き受けいただき、会への参加費は、会場代などの実費割の1,000円ほどで運営できているそうです。

講演会の後には、必ず懇親会がセットになっています。この場こそ、中小企業診断士のビジネスが動く場所です。参加者が講師の先輩診断士に自らを売り込んだり、先輩診断士が後輩診断士に仕事を依頼したり、あるいは後輩診断士が先輩診断士に独立の相談をしたり、仕事を紹介してもらったり...。さらには、同期の参加者同士でも情報交換が行われます。そのため、都合がつかず講演会に参加できなくても、懇親会だけは参加する方もいらっしゃるくらいです。なお、講師の方の食事代を参加者全員で負担することで、ささやかながらのお礼とさせていただいています。

また懇親会の場は、研究会の先輩診断士が後輩診断士の独立を支援する場にもなっており、独立を悩んでいる後輩診断士に、先輩診断士が自らの経験からアドバイスするのはもちろん、現在仕事を請けている事業者を紹介することもあるようです。

40歳を迎え、会長を交代

神田邦夫先生
神田 邦夫 先生

平成20年6月、辻井さん自身が40歳になることや、中小企業診断士資格を更新しない決断をしたこともあり、研究会の運営を同研究会の2期生である大石幸紀さんに引き継ぎました。現在は、大石さんとスタッフ2名で研究会の運営を行っています。大石さんのブログや(社)中小企業診断協会東京支部の機関誌で会の案内をすることで、毎回30名前後の中小企業診断士が参加しています。また、100名を超える会員を有しているため、専用のメーリングリストを通じて、会員間での仕事の依頼も行われています。

このように、設立してから10年が経過した独立開業研究会ですが、設立時に辻井さんが描いていた「先輩診断士が後輩診断士の独立を支援する場」として、現在も会員を増やしながら活動を続けています。研究会への参加は、下記ホームページから申し込み可能です。独立を検討されている方は、ぜひともご覧ください。

(つづく)

【参考】