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2009年度「中小企業診断士1年目の会」レポート

文:古市 今日子(中小企業診断士)/福永 圭佑(中小企業診断士)

【第2回】自分を見つめ直そう! 1年目診断士によるパネルディスカッション

2010年2月11日(木・祝)に東京都中央区の東京シティエアターミナル(T-CAT)で開催された、2009年度「中小企業診断士1年目の会」。本稿では前回に引き続き、第1部後半からのパネルディスカッションの模様をレポートします。

第1部「パネルディスカッション」

パネルディスカッションでは、1年目診断士から3名のパネリストが選ばれ、それぞれ「副業的独立」・「独立して10年以上」・「資格取得を機に独立」という立場から、診断士のキャリア構築について自由な意見を出していただきました。

渡辺孝文氏

渡辺 孝文 氏

コンサルタントとして、独立10年目を迎える。主に資金繰り支援や、助成金の申請支援に注力している。

座右の銘:『闘魂、気合い、やればできる』
渡辺まどか氏

渡辺 まどか 氏

2010年1月、中小企業診断士登録を機に独立。元ネイリストという経歴を活かし、現在は美容業界に特化したコンサル業務に携わる。

座右の銘:『やるかやらないか、それがすべて』
匿名希望

匿名希望

男性。企業内診断士として副業的独立を果たしており、現在は執筆・翻訳を含め、幅広い職務に従事している。

座右の銘:『健康第一』

テーマ(1)「独立までにやるべきことは?」

1年目診断士による1年目診断士のためのパネルディスカッション
1年目診断士による、1年目診断士のための、
パネルディスカッション

このテーマでは、渡辺孝文氏からの「当面の生活費を確保すること」という指摘が、ほとんどの方が直面する問題になるでしょう。一般的にサラリーマンの場合、「保険や福祉などの面も考慮したうえで、現在の2倍程度の収入が見込めなければ、独立によって生活水準が下がる可能性が高い」とされており、同氏は中途半端に独立することのリスクについても指摘されました。

これまで、筆者の周囲でも、「資格を取得できたので、せっかくだから独立したい」という話を耳にすることがありました。しかし、独立にともなうさまざまな出費や、独立後の仕事件数・収入面についてなど、将来に対する現実的・具体的な見通しがほとんど立っていない方が多いのも事実です。もちろん、なかには申し分ないプランのもとに一念発起されている方もいらっしゃいますが、とにかく独立のためには綿密な計画が必要、と肝に銘じておくべきでしょう。

テーマ(2)「キャリア構築において重要な考え方・行動は?」

このテーマでは3名がそれぞれに、「積極性を持つこと」、「特にいろいろな集まりには精力的に顔を出すことが大切」と口をそろえていました。

さらに渡辺まどか氏は、「ブログの更新」と「顧客に合わせた就業ファッション」の2点にも言及されました。ブログに関して、同氏は1日1回を目安に記事を更新されているとのことでしたが、それが単なる意見の羅列にとどまらず、知名度向上や、連載記事の依頼といった実際の仕事にもつながっているようです。

また、同氏の場合は美容業界に特化した活動を行っているため、たとえば服装についてもスーツでバリバリに固めるのではなく、あえてギャルファッションを心がけることで、クライアントと早い段階でなじみ、腹を割った話ができるともおっしゃっていました。そして、自身には「女性であること」、「高卒であること」、「元ネイリストであること」という3つの希少性があるとも説明されていましたが、ご自身がそれを的確に捉えたうえでのハツラツとした態度は、若い女性ならではのキャリア構築への高い意識がうかがえたように思います。

一方で、企業内診断士の場合は、「人にみせない」、「手を広げない」ことも肝要、というご意見も出ました。あまり他人に自分の仕事や能力をみせつけてしまうと、ねたみなどの感情が生まれ、思わぬところで足を引っ張られかねないという意味で、「自分が携わっている仕事については、他人へのみせ方をコントロールすることが大切」ということなのだと思います。これは筆者自身も心当たりのある話で、思わずギクッとしてしまいました。

テーマ(3)「今後のキャリア構築でいちばん大切なものは?」

議論はヒートアップ!
議論はヒートアップ!

続いてこのテーマに関しては、渡辺孝文氏の「一生懸命」というキーワードに、会場全体が同調している印象でした。同氏は、「特に実績の少ない独立診断士の場合は、仕事を頼むお客さんの側にも勇気が必要になる。だからこそ実直で、一生懸命な姿勢を示すべきだ」と述べています。

さらに渡辺まどか氏は、「診断士活動を"どんな仲間とやっていくか"が大切」と付け加えています。周りの仲間から刺激を受けながら活動できるかどうかが、自分自身の成長を左右するカギになるという同氏の意見は、会場からも共感を得ていました。

3名のパネリストに共通していたこと

今回、パネリストとして登場された3名に共通していたこととして、「能力が高いだけでなく、持っている能力を発揮すること・伝えることに長けている」点が挙げられます。人は誰しもが何らかの能力を持っていますが、持っているだけの人と、自分にどのような能力があるかを冷静に見極め、効果的に発揮できる人・伝えられる人との間には、大きな溝が生じます。まずはこの溝を越えていくことこそが、今後の能力・キャリア開発の一助になるのではないかと感じました。

(つづく)

【参考】

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