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診断士カレイドスコープ

「NPO経済活動支援チーム(NPO EAST)」の活動紹介

文:大石 幸紀(中小企業診断士)

【第1回】NPO EASTとは

社会の変化にともない、中小企業診断士の活動形態も日々変わりつつあります。ここでは、非営利の形態で活動するNPO経済活動支援チーム(NPO EAST)の活動を3回にわたって紹介します。

農商工連携等人材育成事業

実地研修:佐渡島でのサツマイモの収穫体験
実地研修:佐渡島でのサツマイモの収穫体験

農商工連携等人材育成事業は、全国中小企業団体中央会および全国商工会連合会が平成21年度に実施した人材育成事業です。中小企業者と農林漁業者が連携し、相互の経営資源を活用することで新商品や新サービスを生み出す農商工連携。その農商工連携に積極的に取り組もうとする人材を発掘し、農林漁業・商工業の両方の経営実務に必要な知識を習得するための講義や、農場などにおける実地研修を実施するとともに、戦略的に農商工連携を展開する「核」となる人材を育成・確保することを目的とした事業です。

実際の人材育成は、全国の商工会・商工会議所・中央会、学校法人、営利法人、NPOなどから研修カリキュラムを募集し、提案内容を審査のうえ、これらの団体が研修運営に要する費用に対して補助金を交付するという形で行われます。

なお、全国中小企業団体中央会の採択した研修実施機関が提供する研修を、一定数以上受講した者には、同会から修了認定書が交付され、農商工人材リストに登録されます。

NPO EASTが研修実施機関として採択される

実地研修:収穫されたサツマイモを手に
実地研修:収穫されたサツマイモを手に

NPO経済活動支援チーム(東京・千代田区、以下NPO EAST)は、中小企業診断士を中心に行政書士、社会保険労務士、民間コンサルタント50名を会員とする中小企業支援専門家の集団です。NPO EASTは、本事業が研修機関を公募していることをJ-Net21「支援情報ヘッドライン」で知り、全国中小企業団体中央会へ研修内容を提案したところ、全国53件の研修実施機関の1つとして採択されました。

NPO EASTは平成16年(2004年)の設立以来、参加費は資料代のみというワンコインセミナーの形で、中小企業支援専門家に対し、国の中小企業支援施策の動向や、支援施策を活用した中小企業支援スキルを提供するセミナーを開催してきました。会員の中には、すでに農商工連携のスキームを活用し、中小企業と農林水産業者との連携を支援している中小企業診断士やコンサルタントも存在しました。

そこでNPO EASTでは、彼らの経験や人脈と、ワンコインセミナーで培ってきた運営ノウハウを融合することで、農商工連携に取り組もうとする人材の中でも中小企業支援専門家を主たる対象として、『農林水産「ゲンバ(現場)」の課題解決に対応できる農商工連携等支援専門家の育成』を企画、提案したのでした。

独自性を意識した提案内容

NPO EASTでは、他の研修機関にはない独自性を打ち出しました。

まず1つは、その規模です。他の研修機関が提案した受講者数は20~50人で、多くとも150人だったのに対し、275人の受講者確保と200人以上の修了者輩出を目標に掲げました。これは、採択研修機関の中でも最大規模でした。

2つ目は、実地研修のフィールドに離島を多く取り入れたことです。NPO EASTは設立以来、沖縄県の離島における農産加工物工場の生産性および衛生管理向上支援、東京都・八丈島の観光業生産性向上支援、新潟県・佐渡島の建設業の新分野進出支援など、地域支援の中でも特に離島支援に重点を置いてきました。それは、わが国の国土形成において、離島が果たしている役割を重視しているためです。

実地研修:八丈島での漁業体験
実地研修:八丈島での漁業体験

多くの離島では、学校を卒業した若者が島を離れ、過疎化が進んでいます。離島の産業を振興して新しい仕事を創出できれば、若者が卒業後も島にとどまります。NPO EASTでは、そのことが離島を守り、さらには国土を守ることにつながると考えているのです。今回の研修では、NPO EASTが長年培ってきた離島の農林水産業者や中小企業者との信頼関係を活かし、沖縄県の波照間島、伊平屋島、東京都の八丈島、新潟県の佐渡島を実地研修のフィールドとして提案しました。

3つ目は、会員が従事している中小企業支援機関との連携を活用したことです。会員の多くは、中小企業基盤整備機構や各都道府県の中小企業支援センター、商工会・商工会議所のマネージャーや相談員に従事し、農商工連携支援の第一線で活動しています。彼らに講師を依頼したり、支援先を実地研修での農商工連携事例視察企業として紹介いただいたりすることで、農商工連携支援の「ゲンバ」により近い研修を企画しました。

これらの独自性を実現するために、NPO EASTでは講義研修35回、実地研修15回を企画しました。

(つづく)

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