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【第2回】マッチング事例(2)~販売・マーケティング事例~

ここでは、マッチング事例の2つ目として、販売・マーケティングの事例を紹介します。今回は、神奈川県相模原市にてゼンマイで自動開閉するドアを開発した製造業について取り上げました。

企業ヒアリング

<B社概要>

B社(神奈川県相模原市、資本金900万円、従業員4名)は、ゼンマイ装置を内蔵した引き戸用のアルミレールユニットを独自に開発しました。従来の引き戸は重くて開けにくいものが多かったのに対し、特許取得済みのB社製品はわずか15cm引き戸を開くだけで、あとは自動で開くことが可能です。電力は一切使わないため、従来の自動ドアに比べて電動工事も必要なく、取りつけも簡単です。

当製品は神奈川県や相模原市等から高く評価され、表彰を受けるとともに、新聞や雑誌にもしばしば取り上げられています。

<支援希望内容>

独自製品の開発事業に多い経営課題の1つが、新規販路の開拓です。B社も例外ではなく、病院・福祉施設・住宅を中心に、販路開拓を目的として社長自ら精力的に、大手企業や公共機関への営業を行ってきました。しかし、こうした大きな団体に対しては、飛び込み営業では効果が上がりません。そこで、人脈力がある新現役にB社のターゲットとなる業界の顧客を紹介してほしいというのがB社の要望でした。

新現役の募集

新現役チャレンジ支援 神奈川事務局

さっそく、B社の要望に応えられる新現役を探すために、2つの方法を用いました。

まずは、ホームページでの募集です。新現役チャレンジ支援神奈川事務局では、企業から寄せられた支援ニーズ情報の一部を専用ホームページに掲載しています。掲載内容の閲覧は誰でもできますが、応募は登録された新現役に限られるため、ホームページを見て新現役に登録するシニアの方も増加中です。また、掲載内容は事務局で発行している新現役向けメールマガジンでも紹介されています。

もう1つの方法が、フォーラムの活用です。事務局では、定期的に行われる新現役フォーラムの企画として、B社社長に約200名の新現役を前に製品プレゼンテーションを行う場を設定しました。

マッチング

ホームページやフォーラムで募集活動を行った結果、多くの新現役から応募が寄せられました。制度として、1社につき1名の新現役に協力していただくことが原則ですが、新規販路開拓に協力いただける方は多ければ多いほどよいという観点から、B社は複数の新現役とマッチング(個別面談)を行いました。

結果として、マッチングにおいてB社は、大手建設会社や大手ホテルの出身者、病院・介護施設・大学等の人脈に強い方など、複数の新現役から提案をいただくことができました。

販路開拓例

販路開拓の支援といっても、単に人脈を紹介するだけでは、顧客との成約に結びつくことは多くありません。顧客の要望に応え、ときにはカスタマイズして提供していくことが重要となります。

たとえば、次のような例があります。新現役の紹介により、B社はある大学の研究ニーズ「大きさを変えられるカーテンレール」への対応を検討することになりました。その要望は、病院において病床のカーテンレールの大きさを簡単に変更し、室内を自由にレイアウトするためにB社の製品を使えないかというものでした。医師からニーズの詳細な内容をヒアリングし、B社のコア技術で十分対応できることがわかったため、試作・知的財産等の対応を経て、病院全体に導入を検討することになりました。

担当の新現役はすべての打ち合わせに参加し、きめ細かなコーディネートを行いました。これも、単純な人脈紹介では顧客との成約が困難だという1つの証拠でしょう。

まとめ

前述した以外にも、販売・マーケティングにおける支援で企業からの満足度が総じて高い新現役は、以下の4つの活動に力を入れていることが多いといえます。

  • 販売戦略策定支援
  • 営業ツール等のブラッシュアップ
  • 販路開拓先の紹介
  • 紹介後の長期的なフォローアップ

今後も、貢献意欲が高い新現役のご活躍に期待したいと思います。

(つづく)