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診断士カレイドスコープ

MPAの“ヒミツ・アソビ・ホンキ”を探る~中小企業診断士の研究会活動について

文:村上 知也(中小企業診断士)但田 真紀(中小企業診断士)松本 圭介(中小企業診断士)

【第2回】MPAの"アソビ"

MPAの活動を紹介する当連載。前回の"ヒミツ"に引き続き、今回は合宿を中心とした"アソビ"について、ご紹介したいと思います。

正直、最初は面倒だった

「なんでわざわざ、合宿? お金かかるし、この歳になって合宿なんて......」
  2009年5月下旬の金曜の夜、MPAの新入会員Bはブツブツ言いながら荷づくりをしていた。遠出は得意ではない。社交的な性格でもないし、土日はなるべく家で寝ていたい。なんとなくMPAにエントリーしたものの、やっていけるか心配だ。

だが、2日後の昼下がり、バーベキューの場で肉を焼きながら大笑いしているBがいた。
  「ホント、合宿って不思議ですね。みんなと昨日初めて話したなんて、信じられない!」

こんな変化、本当に起こると思いますか?

第2回となる今回は、MPAらしい「遊び心」と「ムチャブリ」をもっとも実感できるイベント、「合宿」についてご紹介したいと思います。

濃密な関係は、春合宿から始まった

2009年春の某日、中小企業政策研究会4チームのリーダーが集う酒席で、「合宿やろうよ」と誰かが口にしました。こうして5月下旬の土日、私たちは千葉県のある町で春合宿を行うことになりました。4チーム合同開催で、36名が参加。2007年は地元企業への提案のために長野県へ、2008年は料理店のメニュー開発のために台湾へ、と理由をつけては旅行に出ていたMPAにとって、合宿は定番イベントになりつつあったのです。

春合宿では7本のプレゼンが行われたほか、ボーリング大会や、終わることのない宴会で盛り上がりました。「体育会系研究会」とも噂されるMPA。ボーリングは連続3ゲームと、運動不足の面々は体力の限界に。一方、選り抜きメンバーによるプレゼンクオリティの高さは、睡魔を誘う余地もなく、充実の1泊2日となりました。

集合時は所在なさげだった新入会員も、2日目の昼食時にはすっかりなじんでいました。「一晩にして親戚感覚」とは、合宿後にある会員が口にした言葉。たとえ1年間、毎月例会を催しても、ここまで距離が縮まることはないと思わせるほど、合宿の一晩は参加者を親密にさせました。

春合宿から夏合宿へ

当初、海外を検討していた夏合宿は、新型インフルエンザの影響で国内に変わり、軽井沢での実施が決まりました。忙しいメンバーの時間を持ち寄るイベントなので、納得できる費用対効果を提供することが重要。幹事たちも真剣です。春合宿の感想を踏まえ、企画担当者が重視したポイントは次の2つでした。

  1. インプットだけでなく、アウトプット力も鍛えること
  2. 診断士が軽井沢で合宿をすることに、意味を持たせること

「勝手に軽井沢を診断しては?」――打ち合わせでそんな提案がされると、「場所は?」、「メンバーは?」、「テーマは?」と次々に意見が出され、ものの10分で企画の大枠が決まりました。こうして、夏合宿のメイン企画「ミスコンIN軽井沢2009」(ミスコンはミステリーコンサルティングの略称)が誕生したのです。

ここからは、MPAお得意の勢いで、夏合宿まで全力疾走。各企画担当者が競い合うかのように"ホンキ"の企画書を作成し、段どりが煮詰められ、遊び心あふれる「夏合宿のしおり」も配布されました。

夏合宿~体力の限界まで遊び尽くす~

2009年8月下旬の2泊3日、総勢17名で夏合宿は幕を開けました。春合宿同様、満足度の高いプレゼンやコミュニケーションゲーム3本に加え、新登場の3企画が実施されました。

●診断士が勧める100冊の本
参加者各自が事前におススメ本を選び、プレゼン資料を作成。夏合宿で各自プレゼンを行い、刺激のあった本、読む価値が高い本を皆で共有して、今後の糧とする(さらに、MPA以外の中小企業診断士にも声をかけ、中小企業政策研究会で継続して企画を実施・発表の予定)。
●ムチャブリプレゼン
企画担当者が2種類のくじを準備。「メンバーくじ」で選出された参加者が、「お題くじ」で与えられたテーマに沿って発表。ムチャブリでいかに面白く、役に立つ話ができるかを競う。短時間でできるため、合宿のスキマ時間も活用して実施。
●ミスコン2009IN軽井沢
くじ引きで3、4人のチームを結成。初日の3時間で、旧軽井沢銀座エリアを自由散策し、中小企業診断士の目線で気づいたことを資料にまとめ、翌日発表。テーマは、くじ引きで与えられる規定課題と自由課題の2本立て。途中参加メンバーが審査員となり、6項目について採点し、順位を決定。

各プレゼンでは、聴き手が長所や改善点をシートに記入して本人に返します。そのため、聴き手のコメント力も鍛えられる一方、発表者は貴重なフィードバックを入手できます。

私たち中小企業診断士にとって、アウトプット力の強化は至上命題です。参加者全員が最低2本以上のプレゼン機会を持てたことは、夏合宿の貴重な成果となりました。実務補習でしかプレゼン経験がなかった新米メンバーの中には、初日と終了時でプレゼン力がガラリと変わった人もいたほどです。

2009年夏合宿にて

また、4チームで競ったミスコンは衝撃的でした。通常ならばグループ診断を実施しても、資料作成などのプロセスは個人作業となりますが、ミスコンでは短時間のうちに、メンバー全員で資料を作成します。仮説構築から結論までの思考プロセスや、パワーポイントスキルの高いメンバーの仕事術を実際に見られたことで、各参加者が大いに刺激を受けました。最終発表では、同じ時間・場所という条件でありながらも、チームそれぞれに異なる着眼点や改善策を提案し、目からウロコの連続となったのです。

PDCA~夏合宿を終えて~

各合宿の後は、毎回アンケートを実施しています。企画・段どり・宿や食事などの感想から、次回への要望・負担可能なコストに至るまで、貴重な情報が得られます。夏合宿アンケートの自由記入欄には熱い想いが綴られ、その文字数は17人で17,292文字に達しました。

夏合宿に関する感想の一部をご紹介しますと、「メンバーのスキルや魅力を知ることができた」、「新しい視点や発想のヒントが得られた」、「信頼度が深まった」、「プレゼンフィードバックにより、自分の癖や弱点を客観視できた」などがありました。そして何よりも、仲間から刺激を受け、モチベーションが高まったとの声が多く聞かれました。

夏合宿では高い満足度が得られた一方、コンテンツの詰め込みすぎという課題も見られました。また、MPAの定番メニューとなるであろうミスコンに対し、新たな切り口や発展形について、多くのアイデアが挙げられました。

今後どのように合宿を実施するか。合宿と他のイベントのバランスを含め、チームとしてどのような成長戦略を描いていくのか。私たちMPAは、結成からまだ3年という若いチーム。PDCAサイクルを回していくことで、さらなるチーム強化が図れそうです。

全力で遊ぶことは、全力で学ぶこと

2009年夏合宿にて

「軽井沢に行ったのに、2泊3日ほとんどカンヅメで、プレゼンしていた」

そんな話を誰かにすると、「かわいそうに......」と同情されます。しかし、私たちにとって、全力で学んだ2泊3日は遊び心に満ち、日頃の遊び以上に笑いにあふれたものでした。

満載の遊び心と、お互いを尊重する信頼感が生み出すポジティブな土壌が、メンバーの成長を不思議なほど促進していくのが、MPAの特色でもあるのでしょう。それぞれに背景の違う個性豊かなメンバーが集まり、MPAはこれからも、全力で遊び、全力で学び続けます。

(つづく)