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中小企業診断士の広場

勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

診断士資格取得後に社内で異動し、キャリアチェンジを果たす(3)中郡(ちゅうぐん) 久雄さん

取材・文:水島 壽人(中小企業診断士)伊藤 孝一(中小企業診断士)

【第2回】経理とは「経営管理の略」

2017年3月2日更新(取材日:2016年11月30日)

診断士資格を取得後、経理部門に異動した中郡久雄さん。最終回となる今回は、経理部門でどのような足跡を残しながら、将来の会社や自分を見据えているのかについて伺いました。
また最後に、中小企業診断士の先輩として、これから中小企業診断士登録をされる方へのアドバイスをいただきました。

中小企業診断士が経理を担当する価値

―現在の経理部門の仕事において、診断士受験の過程で学んだことでもっとも活きているのは、やはり財務・会計の知識ですか。

私は現在、中小企業診断士の実務として、財務的な観点から企業を診断するプロジェクト等に参加しているわけではありませんが、財務分析に関する研究会に所属し、そこで学んだことを会社にフィードバックしていきたいと考えて活動しています。

これまで自社の経理部門に求められてきたことは、経理処理の正しさ、請求書や領収書の作成、集金してきた手形や小切手を正確に処理すること等、財務会計の分野でした。しかし、経理の役割はそれだけではありません。我々のような中小企業では、管理会計の分野を経理部門が担わなければならないのではないか、という思いがずっとありました。

―それでは、経理部門でどのような仕事をしようと思われたのでしょうか。

経理処理を正しく行い、毎月の売上や利益を確定させることは、自分がいなくても回ります。こうした業務は、私よりもスタッフのほうが経験値も高いですし、仕事も早い。任せておいたほうが効率も良いんです。

もちろん、状況に応じて手伝いに入ることもありますが、私のメインの業務はそれではないと思っています。中小企業診断士が経理を担当することの価値は、数字の裏付けをもとに、経営に直結する話ができることにあると考えています。

―経営に直結する経理部門として、具体的にどのような取組みをされましたか。

経理処理の結果で出てきた数字から、現在の自分の知識でできる範囲で指標の数字を見やすく示し、経営層に提案することを意識しています。たとえば、損益分岐点をもとに、「この費用を減らさないならば、売上を増やすしかない」といった分析結果と、経営や事業の方向性を伝えることが自分の役割だと考えています。最近は、「経理というのは経営管理の略である」という言葉をよく使っています。

独立後を考えながら、会社人生の総仕上げ

今後のキャリアにおいて、診断士資格をどのように企業内で活かしていきたいとお考えですか。

これまでは、経営戦略プロジェクトや基幹システムの更新プロジェクトにかかわってきました。勤務している会社は中小企業、基本的には同族会社で、今後は後継者への承継が重要になります。

私も50歳を超えましたが、50代半ばまでは、会社の業務改善や会計制度の改革等、会社の中で自分が果たすべき役割を全うしたいと思います。そして、それをやりつつ、自分の将来にも目途を立てたいですね。

企業外で挑戦されたいことはありますか。

定年を迎える前に、良い形で独立診断士として働けるように態勢を整えておきたいです。独立するタイミングに向けて、会社の中で何ができるかを考え、その中で今後の活動テーマを発見できればと考えています。そのためにも現在、経理部門を任せてもらっていることは、間違いなく良い経験になると信じています。

最後に、これから中小企業診断士として登録される方へのアドバイスをお願いします。

登録直後は時間の許す限り、興味のある研究会等に顔を出したほうが良いと思います。中小企業診断士になると世界が変わるといいますが、その8割くらいは人とのつながりによるものです。社外の人とのつながりを作ることができる場は、とても貴重です。

そして、中小企業診断士の世界だけにとどまらず、他士業の方々等、異なる分野の専門家とも交流してほしいですね。最初は中小企業診断士だけの集まりでも、そこから広げていけば良い。中小企業診断士と異なる人脈があれば、親しくなった際に、互いに持っている人脈や強みを活かして仕事にもつなげられます。1年目はとにかく「人に会うこと」を心がけてほしいと思います。

(おわり)

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プロフィール

中郡 久雄(ちゅうぐん ひさお)
1965年生まれ。2013年中小企業診断士登録。大学卒業後、総合建設業界に就職。以来、ホテル、旅行、人材派遣業等を渡り歩く。現在は東京都荒川区に本社を置く印刷会社に勤務し、経理部門を担当。また企業内診断士として、各種支援事業にも従事している。

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