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診断士資格取得後に社内で異動し、キャリアチェンジを果たす(1)木戸 毅士さん

取材・文:香川 大輔(中小企業診断士)野間 元太(中小企業診断士)

【第2回】経営企画部へ――「今後も経営に近いところで活躍したい」

2017年2月16日更新(取材日:2016年12月2日)

大手食品メーカーの営業部門に在籍していた木戸毅士さんは、診断士資格取得を機に、マーケティング部門、さらには経営企画部へのキャリアチェンジを実現します。最終回となる今回は、異動の経緯と今後のキャリア目標を伺いました。

マーケティング部門へ異動

―マーケティング部門へ異動された経緯を教えてください。


営業部門在籍中に中小企業診断士2次試験に合格したのですが、「辞めるのか?」と思われるのも嫌でしたので、会社に報告するかどうか迷いました。しかし、実務補習を受講するにも休暇を取る必要があるため、やむを得ず報告しました。

当時、上司はきっと「木戸は辞めないだろうか...」と心配していたと思います。それでも、希望どおりマーケティング部門へ異動することができました。マーケティング部門では幅広い知識を求められますので、会社も努力を買い、希望を酌んで異動させてくれたのではないかと思います。

―中小企業診断士の知識はどのように活かすことができましたか。

マーケティング部門では、「販売プランナー」というマーケッターとして、嗜好品の販促や利益管理を担当しました。広告はテレビで行うか、他の媒体を使うかを検討したり、全国の支店を回って営業担当者にプレゼンをしたり、といった業務です。

たとえば、コンビニチェーンに新製品を導入する際などは数量の変動が大きいため、工場と生産量を調整する必要がありますが、生産管理で習ったことが「こういうことか」と腹落ちしましたね。利益管理では、財務・会計で勉強した損益分岐点分析の知識が役立ちました。中小企業診断士受験で得られた幅広い知識にはアドバンテージがあると感じます。

―マーケティング部門ではその後、どのような業務を経験されたのですか。

続いて、マーケッターの取りまとめを担当しましたが、「マーケッターよりも、取りまとめ役のほうが向いているのではないか?」と思われたようです。その後、マーケティング部門の統括部署に異動し、部門の中期経営計画や年次予算の策定等を担当しました。マーケティング本部長の秘書的な役割も担い、施策を考えるよう指示を受けたりしていました。

組織体制変更に伴い、経営企画部へ

―さらに、マーケティング部門から経営企画部へ異動されます。

あるとき、持株会社制への移行が持ち上がり、在籍していたマーケティング部門の統括部署が中心になって新しい体制を検討していきました。同部署は生産から営業、研究開発まですべてを束ねる経営の中核的な役割を担っていましたので。そして体制変更の結果、持株会社傘下の事業会社では経営企画部となりました。

組織体制の変更に伴うものだったのですね。では、現在の業務で心がけていることがあればお聞かせください。

市場規模の縮小や製品カテゴリーの成熟化にどう対応していくか、課題は山積しています。製品カテゴリーでの存在感を維持するためには、絶えず新製品を投入する必要がありますが、夫婦に子ども2人という従来モデルの家庭が減少している中で、従来型の製品開発や販促では売上を維持することも難しくなります。

かと言って、強いブランドを新たに作るのも簡単ではありません。そんな中でも、従来型の発想になりがちな開発担当者の視点を変えるにはどうすれば良いのかを常に考えています。効果的なアドバイスをできるようにするためにも、最新のマーケティング理論には注目していますね。

今後のキャリア目標

すでに経営の中枢に近いポジションにいらっしゃいますが、今後のキャリア目標をお聞かせください。

ここまでは概ね順調に、希望どおりの部署でやりたいと思っていたことをやらせてもらいましたが、この先は悩み所だと思っています。このままゼネラリストとしてキャリアを積んでいくのか、違う方向性でいくのか。ゼネラリストとしてさらに突き進むことのほうが楽な選択かもしれませんが、お客様との距離が遠くなることに不安を感じますので、その点は方向修正をしたいと漠然と思っています。

ゼネラリストではなく、よりお客様に近いポジションを志向されるということでしょうか。

改めて思うのは、社会にとってどのような仕事をするかということです。この会社に入った最大の理由は、食品メーカーとして社会への貢献がわかりやすかったからです。ですから、どのように社会に役立つのか、新たな価値を提供していくのか。そのために、成長の踊り場を迎えている会社をどのように変えていくのかという点に、大きなやりがいを感じています。これからも、お客様への視点を大切にしながら、経営に近いところで働いていくつもりです。

(おわり)

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プロフィール

木戸 毅士(きど つよし)
1971年大阪府生まれ。2008年中小企業診断士登録。関西大学商学部卒業後、大手食品メーカーに入社。営業、営業企画部門を経て、診断士資格取得を機にマーケティング部門に異動。会社の中枢で役員のブレーンとして、中長期の戦略立案や各部門との調整を担っている。