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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

診断士資格取得後に社内で異動し、キャリアチェンジを果たす(1)木戸 毅士さん

取材・文:香川 大輔(中小企業診断士)野間 元太(中小企業診断士)

【第1回】視野を広げるために決意した中小企業診断士受験

2017年2月14日更新(取材日:2016年12月2日)

大手食品メーカーで経営企画部のリーダーとして活躍する木戸さん。診断士資格取得を機に、幅広い業務知識が必要な経営企画部へのキャリアチェンジを実現しました。第1回は、木戸さんに中小企業診断士を目指すまでの経緯を伺いました。

営業に携わってきた約10年間

―現在、木戸さんが携わっていらっしゃる業務の内容を教えてください。


入社以来、20年以上勤務している食品メーカーで、経営企画部のリーダーとしての業務を行っています。当社の経営企画部はもともとマーケティング部門の中にあったのですが、その後の組織再編で経営企画部となりました。そのため、製品開発にかかわる業務が多く、最終決定が社長となる製品開発会議の取り仕切りのほか、ブランド・販促戦略等の企画や立案も行っています。

そのほかにも、経営層が参加する月2回の経営会議の議題作成や、中期経営計画を策定し、その進捗を管理するといった業務に加え、グループの子会社4社を担当して、毎月経営状況を見ています。

―業務の幅が広いですね。診断士資格が役立っていると感じられることはありますか。

組織の中には、特定の分野に特化している人材が必要な部署もあれば、幅広い知識や経験が求められる部署もあると思います。さまざまな業務を行う必要のある経営企画部は、どちらかというと後者に近いと言えるでしょう。そのため、幅広い知識が得られる診断士資格が、日々の業務に役立っていると感じることは多いですね。

―入社後は、どのような業務からキャリアをスタートされたのですか。

入社後に配属されたのは営業所です。担当エリアのスーパー等に対し、当社製品の売り込みを行います。最初の転機は営業に配属されて3年半ほど経ったときで、突然、広域営業部への異動を命じられました。広域営業部は、大規模な取引先を持つ営業担当者が在籍する部署で、ここで商談用の資料作成をサポートするといった後方支援を任されたのです。

―突然の部署異動にはうまく対応できましたか。

当時は、まだ手書きで資料を作成していた時代です。しかし、営業の現場では、取引先と強固な関係を構築するだけではモノが売れなくなってきており、商談に持ち込むための提案資料等を作成する必要性が高まっていました。こうした資料作成は行ったことがなく、最初は戸惑いましたが、何とか対応することができました。

―その後も、営業としてのキャリアを積んでいかれたのでしょうか。

広域営業部で3年ほどが経った頃、全国の営業を統括する営業企画推進室に異動します。ここでは、メーカーから小売店に至る販売体制の管理等を行っていました。一次店、二次店と続く特約店に対するリベートの取り決め等、販売上の商慣習を再構築するような業務でした。

新たなるキャリアへの道を開くために中小企業診断士受験を決意

―中小企業診断士を目指された理由を教えてください。

営業所から広域営業部、営業企画推進室と部署を異動しているうちに、入社から10年が経とうとしていました。そのときに、営業の仕事しかやっていないことに気づいたのです。さらに、20代のうちから本社で仕事を行い、会社の上位層と直接話をする環境の中で、営業だけで今後のキャリアを描くことに物足りなさを感じていました。営業に特化してきたために狭まっていた視野を広げ、自己啓発をすることで新たなキャリアを描きたい――そんな思いで中小企業診断士を目指すことにしたんです。

―営業以外にやってみたい仕事はあったのでしょうか。

学生の頃からマーケティングに興味があったことも、受験を決意した理由の1つです。食品メーカーは、消費者にとても身近な商品を扱っています。そもそも当社に入社した理由は、消費者に親しまれているブランドを数多く扱っており、社会に貢献している実感を得られやすいと考えたからで、この先のキャリアとしてマーケティングの道に進みたいという漠然とした思いは持っていました。仕事も忙しく、合格までに3年ほどかかりましたが、実務に役立つ幅広い知識が得られ、狙いどおり、それまでの偏った視野を広げる良いきっかけになったと感じています。

(つづく)

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プロフィール

木戸 毅士(きど つよし)
1971年大阪府生まれ。2008年中小企業診断士登録。関西大学商学部卒業後、大手食品メーカーに入社。営業、営業企画部門を経て、診断士資格取得を機にマーケティング部門に異動。会社の中枢で役員のブレーンとして、中長期の戦略立案や各部門との調整を担っている。