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がんばる企業内診断士

挫折からの復活――企業内診断士ビフォー・アフター 株式会社ベネフィット・ワン 小寺 暁子さん

取材・文:佐野 祐輔(中小企業診断士)森 大輔(中小企業診断士)

【第1回】「挫折編」仕事での挫折が診断士としての出発点

2016年10月18日更新(取材日:2016年8月5日)

企業の中枢である経営企画室の管理職として、日々チームをまとめるべく邁進する小寺暁子さん。平成28年7月に中小企業診断士登録も行い、まさに「社会における女性の活躍」を体現しているのではないでしょうか。しかし、中小企業診断士の勉強を始めた頃は、担当プロジェクトで失敗や挫折を経験し、壁にぶつかっていたようです。そのときに何を感じ、どのように変わろうとしていたのかを伺いました。

企業の中枢で精進する毎日

―まずは、小寺さんの仕事内容やご経歴を教えてください。


2003年4月、株式会社ベネフィット・ワンという企業の福利厚生業務の運営代行事業を行う会社に新卒で入社し、今年で14年目を迎えました。入社当時は企業の選択型福利厚生制度の業務設計をする部署に所属し、その後、オペレーション部署で法人登録や配送業務などの仕事に携わり、9年前に経営企画室へ異動して現在に至ります。そこではIR、予算管理、原価計算といった会社の管理・調整業務を行っています。いわゆる「何でも屋」ですね(笑)。また、業務効率改善に向けたビジネス・プロセス・リエンジニアリング(以下、BPR)関連のプロジェクト運営にも参画しています。

―転職も当たり前の時代に、同じ会社で勤務し続けていらっしゃるのはなぜですか。

創立7年目のベンチャー企業に入社したのですが、当時は社員数も100名未満でした。入社後、現在までの間に会社が成長し、社員数もお客様の数も対前年比数十パーセントで増えていくのを目の当たりにしてきました。そのような中、私自身の仕事内容もダイナミックに変わり、さまざまな機会や経験を得ることができました。とても恵まれた環境の中で仕事ができていて、会社も社長もそこで働いている人たちも好きで...。それが、いまもこの会社で働き続けている理由です。

―管理職という立場になられたのはいつですか。

2016年4月ですので、つい最近です。このタイミングで、現在も担当しているBPRのプロジェクトチームが常設の部署となり、そこの長として4人の部下を持つことになりました。マネジメント経験はまだ1年にも満たず、どうしたらチームとしてもっと大きな仕事ができるのか、どうすれば部下の個性をもっと活かせるのかと、日々考えています。

「殻を破りたい」

―中小企業診断士を目指そうと思われたのはいつ頃でしょうか。また、そのきっかけを教えてください。

2010年から中小企業診断士の勉強を始めたのですが、きっかけは、当時担当していた仕事をうまく回すことができず、「このままではいい仕事ができない」と思い始めたことでした。ちょうどその頃、全社的なBPRプロジェクトの事務局をしていたのですが、そこでは人や組織に動いてもらうよう働きかけなければならないのに、その力や技術がまったくありませんでした。そんな自身の無力さに悶々と悩んでいたのですが、そのときにふと「いつか勉強してみたい」と日記に書いていた中小企業診断士の勉強を思い立ったのです。「いまの自分の殻を破りたい」と思ったんですね。

―当時のプロジェクトチームでは、結果を出すことができなかったのですか。

さまざまな部署の人の話を聞くことに終始してしまい、これといった成果も出せず、本当に申し訳ない形でフェードアウトしてしまいました。定量的な視点でのゴール設定も不十分でしたし、どこか「人に嫌われたくない」という気持ちが先行していたのではないかと思います。仕事に対する甘さや弱さ、そして人を動かすマネジメント能力の足りなさを痛感しました。

―そこで、マネジメント能力を高めようと中小企業診断士の勉強を始められたのでしょうか。

そのようなスキルを高めるためというよりは、簡単には手の届かない難しいことに挑戦し、それをやりきることで自信をつけたいという気持ちのほうが強かったですね。

勉強を進められる中で、何らかの変化や仕事への影響はありましたか。

気持ちの面では、自分で決めたことに覚悟や責任感を持って行動しなければ成果はついてこないという思いが強くなりました。また仕事の面では、社長の発する言葉を1次試験の知識に置き換えながら理解したり、部門間で起こるコンフリクトを組織構造の観点から冷静に捉えたりする場面が多くなりました。つまり、自分の軸を持って物事を体系立てることができるようになってきたのです。

(つづく)

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プロフィール

小寺 暁子(こでら あきこ)
1980年福井県生まれ、東京都在住。大学では家族社会学・ジェンダーを学ぶ。大学卒業後、福利厚生代行会社の株式会社ベネフィット・ワンに入社。業務設計やオペレーション業務に携わった後、2007年より経営企画室で予算策定や原価計算、IR、BPRなどに従事、現在に至る。2016年中小企業診断士登録。