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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

全国農業協同組合連合会(JA全農) 三海 泰良さん

取材・文:海老原 雅人(中小企業診断士)仲村 健太(中小企業診断士)

【第3回】JAをつなげる壮大な夢

2016年7月12日更新(取材日:2016年3月28日)

JA全農で16年間食肉関連の営業に携わり、「お肉博士」の称号を持つ三海さん。最終回はご自身についてと、発足させたJA全農グループの診断士会について、今後の展望を伺いました。

プロになるまで10年! その下積みプロセスは大事な修行

―仕事と診断士活動が直結できていて、充実感がありますね。今後はさらに活動範囲が広がっていくのでしょうか。

前述のとおり、中小企業診断士としては興味の赴くままに活動してきていますし、もっとできると思っています。その道のプロになるには10年かかると言われていますが、私は診断士資格を取ってまだ3年目です。10年選手ともなると、違ったものが見えてくるだろうなと確信しています。いまはまだ修行中ですが、これも大事な仕事で、10年後は拡散、発散とは違った深いレベルでの仕事ができるのではないかと思っています。そうなるために、いまは甘んじて下積みをしています。
本当に遠い将来は、人を育てる仕事をしているかもしれません。がむしゃらに成功に向けて邁進し、最後はその恩返しとして人づくりをしようという話を、名古屋勤務時代に財界の方から聞いて感動したことがあります。自分もそうなりたいと思っています。
私もまだまだその境地ではありませんが、地域貢献の主旨から東京都世田谷区の小学校で、「いただきますからごちそうさままで、日本の食の文化を伝える」サマーセミナーもやっています。


「25の目標」

―将来は期待がふくらみますね。短中期的な目標などはありますか。

以前から、1月2日に書き初めで今年の目標を書いていました。それが経営大学院のとき、PMBOKの授業で「25の目標」を教わり、書き初めを少し発展させて、1年間の「25の目標」を作っています。内容は家族、仕事、友人、健康、趣味、教養、成長など多岐にわたります。中には、「腹筋を割る」などと他人に言うのは恥ずかしい目標もありますが(笑)。 今年は、前述の「始動」メンバーと実務をすることも目標に入れています。その端緒に先日、大分の中小企業さんと一緒に、「始動」メンバーへ提案をするために工場まで行ってプレゼンをしてきました。もう一つ大きな目標として、今年は個人でも仕事を請けていきます!

JAグループというフィールドの魅力

―企業内で活躍している中小企業診断士には、独立か否かで悩んでいる人もいます。三海さんはいまのお仕事も楽しんでいらっしゃいますが、その悩みはありますか。

ズバリ独立は考えていません。企業内だからこそできる面白さはありますよ。JA診断士会も盛り上がってきていますしね。一方で、戦後日本の農政に必要不可欠だった農協にはいま、世間から厳しい目が向けられています。全中解体論や農協不要論といった言葉を聞きますよね。
私は、農協はこれまでの歴史の中で大変多くのコンテンツを持っていると思っています。アメリカにトウモロコシの大規模貯蔵施設を持っているのですが、これだけを見ても中小企業から見れば大変な資産です。一朝一夕にはできません。物流も国内はもとより、世界中に持っていますし、生産の仕組みやそれを流通させるノウハウもあります。実際、JAグループの売上は国内農業生産8兆円のうち、実に5~6割にも上ります。


―JAグループのコンテンツと中小企業診断士の活動をリンクさせれば、壮大ですね。

せっかくそれだけ良いコンテンツがあるのならば、もっと良い方向を見いだせるかなと思っています。しかし現実は、「地域や県域」、「指導事業・信用事業・共済事業・経済事業」の事業別、また、「JA全中・農林中金・JA共済・JA全農」と同じJAグループでもまったく異なりますし、知らないことばかりです。全農の中ですら、事業分野が違うと未知の領域です。私自身は食肉専門でしたので、野菜やお米については知らないことがとても多い。ですので、これらをJAグループ診断士会によってつなげたいのです。
すでに会では、「皆のネットワークで何か大きなことができるのではないか?」という意見が出始めています。JAや農業のあり方にも活かせるはずですので、ネットワークを広げることによってその流れを起こしていきたいですね。そのためには、まず知らないといけません。JA職員23万人、組合員1,100万人、実に日本人の10人に1人は組合員なんです。それだけの人、コンテンツをつなげれば、とんでもなく大きなことができるはずです。それは、日本の農業や食の領域を変えるということにとどまらず、日本全体を変えるというレベルまで良い仕事をしたい。死ぬときに何と言われていたいかをよく考えるのですが、私は、良い仕事をしたと名前を世に残せるようなことをしていきたいと思っています。

(おわり)

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