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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

全国農業協同組合連合会(JA全農) 三海 泰良さん

取材・文:海老原 雅人(中小企業診断士)仲村 健太(中小企業診断士)

【第2回】充実のワーク-ワークバランス生活

2016年7月7日更新(取材日:2016年3月28日)

JA全農で16年間食肉関連の営業に携わり、「お肉博士」の称号を持つ三海さんは、中小企業診断士としても幅広く活躍されています。今回はその行動力の源泉についてお話を伺いました。

まさに黒船、「始動」プログラムに参画する

―精力的に活動されているようで、名刺を拝見するとさらにさまざまな取組みが出てきそうですが、特に印象的なものはありますか。


昨年、「始動 Next Innovator 2015」という経済産業省のプロジェクトに参加し、国内プログラムを3か月ほど受けました。プロジェクトの主旨は、日本でイノベーションを人為的に起こしていこうというものです。そのために「ThinkerからDoerへ」、つまり考えることからまず動こうという発想で仕掛けていくもので、端的に言うと、サンプルをまず作ってしまい、どんどん形にして解像度を上げていくというアプローチですね。完璧な設計を立てて動くこととは異なるアプローチです。このプロジェクトがまさに黒船で、その後の私の活動が加速していきました。

―働きながらMBAと中小企業診断士のダブルスクールに通われるなど、これまでも随分と動いてこられたように思いますが、より「加速」ですか。

以前から周りには、行動力があることにかけては特殊だと言われていて、自分でもその自覚はありました。しかし、「始動」に参加し、「自分が普通だった」ことに気づきました。プログラムの内容もさることながら、参加メンバーの影響がとても大きかったのです。非常に優秀な人たちが普通に努力している、しかも努力と言わず、楽しそうに飲みながら新規事業の話をしているのです。このような世界を目の当たりにしてしまうと、自分はまだまだ足りない。もっと勉強して、もっと思いきり動いていかなければならないと思うようになりました。

思う存分動ける中小企業診断士の魅力

―大変興味深いお話ですね。一方で、企業内診断士としては仕事とのバランスが気になってしまうところですが。

言葉は悪いですが、ある意味、遊びながら仕事をしています。別の言い方をすれば、興味の赴くままに動いている感覚です。普段の仕事と個人の興味からの仕事での切り替えという考えはないですね。大変という感覚もいまはありません。9:00~17:10が仕事の時間なのですが、そこからは個人の時間かというとそうではなく、多分厳密には区切れません。ワーク-ワークバランスですね。しかし、私としては非常に充実していますし、他社でもそのような人と連携を取ることで、感化も受けています。
「One Panasonic」や富士ゼロックスの「わるだ組」などは代表例で、他企業にも閉塞感はあって、企業間の横のつながりや若い世代のつながりを広げていければ、もっと日本はイノベーティブになると考えている人たちは多いのです。

―中小企業診断士の仕事だけでなく、本業も充実されていますか。

いまは、新商品のブランドマネージャーをやっています。JA全農と他社のダブルブランドで、新たに国産豚肉を使った商品を売り出す予定ですが、その総合マネジメントとして、原料、商品開発、販促までを手がけています。ダブルブランドですので、企業同士の力関係のバランスをとりながら形にしていくのは大変骨が折れるのですが、自分の商品を作り、販路を作って実際に売るという感覚はとても楽しいです。業務時間など関係なく、常に仕事のことを考えている日もあります。

―中小企業診断士と仕事のバランスが大変だという感覚はないのですね。では逆に、中小企業診断士を取ったからこそのメリットはありますか。

本業も夢中になっていますが、中小企業診断士としての仕事や執筆の仕事も最近いただいていて、そのために勉強をすることにも夢中ですね。フットワークが軽いほうなんです。興味の赴くままにまず動けるのも、ベースとなるのは中小企業診断士のネットワークです。興味のある分野に思う存分動けるフィールドがあることこそ、私にとって中小企業診断士を取ったもっとも大きなメリットです。


あきらめずに続ける

―中小企業診断士であることで、活動範囲が広がってきたのですね。

もっともっと動けると思っています。もちろん、食、農業に関する営業を軸として、逸脱はしません。製造業のいわゆるモノづくりやITの支援はできませんので、そこは逸脱しないようにしています。
「食や農業の話題になったとき、三海君のことが頭に浮かぶことが重要だよ」と中小企業診断士の先輩に教わりました。いまでもそれを実践しようと心がけています。名刺に「お肉博士」と入れているのもその一環です。名刺の「中小企業診断士」はスルーされたとしても、「お肉博士」には皆さん、食いつきます(笑)。
自身のブランディングがうまくいっている証拠に、魚屋の支援、東日本大震災被災地の食品生産者向け販路の支援などのお話をもらって活動していますが、「ホームページを作ってほしい」といった依頼は来たことがありません(笑)。

―教わったことを自分なりに実践することは、簡単そうでなかなかできることではありません。三海さんは真面目なのですね。

意識はしていませんでしたが、さまざまな交流で吸収してきたことを活動に活かそうとはしていますね。私は劣等感が強くて、賢いわけではないことを自覚しています。ただ、あきらめずに続けることは得意なんです。

(つづく)

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