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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

全国農業協同組合連合会(JA全農) 三海 泰良さん

取材・文:海老原 雅人(中小企業診断士)仲村 健太(中小企業診断士)

【第1回】人とのつながりで感化を受ける

2016年7月5日更新(取材日:2016年3月28日)

JA全農で16年間食肉関連の営業に携わり、「お肉博士」の称号を持つ三海泰良(さんかいやすよし)さん。(一社)東京都中小企業診断士協会での仕事や(独)中小企業基盤整備機構での販路開拓コーディネーター、震災復興プロデューサーとしても幅広く活躍されています。また、企業内でJA全農グループの診断士会を立ち上げ、会長を務めているだけでなく、個人でも企業支援活動をしながら非常に精力的に活動されている三海さんにお話を伺いました。

先輩に感化されて中小企業診断士の道へ

―JA全農ではどのようなお仕事をされているのでしょうか。


今年で勤務16年になります。簡潔に言うと、JAグループは地域にJAがあり、県域もあります。全国組織としては、金融事業として農林中央金庫(以下農林中金)、指導事業の全国農業協同組合中央会(以下JA全中)、共済事業の全国共済農業協同組合連合会(以下JA共済)などがあります。その中でJA全農は、農畜産物の生産から流通、販売に携わる商社のような役目です。仕事としてはある分野を極めていくことになりますが、私の場合は食肉の分野で16年間一貫して、新規商品企画や販路開拓をやってきました。大半は名古屋勤務でしたが、一昨年より東京勤務となりました。

―そのような中、中小企業診断士を目指されたのはどのような経緯なのでしょうか。

入社当時、お世話になった他部署の先輩がMBAを持っており、またライン長で中小企業診断士を持っている方がいました。両者ともに非常に活躍していて、憧れていたというのが一つあります。また、実務上、中小企業の社長と経営の話をすることが多く、体系立てて経営を学びたかったこともあります。
側面的な理由としては、勤務地近くの中京大学大学院でMBAと中小企業診断士のダブルコースがあり、勤務しながらの通学もできそうでしたので、これはお得だと思いました。もっとも、これに関しては実際にやってみると、定時で学校へ行き、課題がどっさり出たうえに、また戻って仕事というとても厳しい生活が待っていたわけですが(笑)。

―職場でもMBA保持者や中小企業診断士などが結構活躍されているのですね。

いえいえ。認知度は低いと思います。診断士資格に奨励や昇給制度があるわけでもありませんので、あくまで自己啓発と個々の能力向上という観点で活動しているのです。そして診断士資格取得後は、もう少しつながりを持てるとさらに良いのではないかという課題感を持つようになりました。また資格を取ると、実務はやはり必要ですが、随分と時間も取られますし、この実務が本業ときれいに分かれてしまっているのは面白くないと思うようになりました。これらは企業内診断士にはある程度共通する課題だと思いますが、一気に解決すべく、後述するようなJA全農グループ診断士会を発足させようと考えていました。

JA全農グループ診断士会発足へ東奔西走

―JA全農グループ診断士会発足にはどのような経緯があるのでしょうか。

上述のような課題を達成すべく、社内で同志を探しました。人伝手で同期の中小企業診断士を探し、飲みに行こうと誘ったわけです。そして、その場で診断士会を立ち上げたいと打ち明けました。以降、少しずつ同志もできましたが、それでもなお、規模としては見劣りしますし、会の発足には踏み切れないでいました。

―発足に踏み切って広げるのには、何かきっかけがあったのですね。

とにかく交流して学ぼうと思ったときに、東京での人脈がキーになりました。名古屋では財界の人と懇意にしていましたが、一昨年東京勤務になり、ネットワークをさらに広げるべく、(一社)東京都中小企業診断士協会城南支部、(一社)せたがや中小企業経営支援センター、(一社)東京都中小企業診断士協会城北支部の企業内診断士フォーラムなどで活動を広げていました。その中で知り合ったアサヒグループ診断士の会とまず、企業交流会を決行しました。そしてその場で、思い切って「診断士会を作りたいと思っている」と打ち明けました。すると意外にもあっさりと、「とにかく始めちゃいなよ」と背中を押してもらったのです。
そのような経緯で私が事務局になり、実際に動いてみようと、先輩のLIXILやパナソニック、NECグループの診断士会にも教えを請い、具体的な取組みのイメージがつかめてきて、晴れて会社公認の会員17人の組織としてスタートできたのです。いまはさらに人脈をたどって、農林中金やJA全中の診断士の方々ともジョイントし、40人程度のJAグループ診断士会という形を作ることができました。

―社内外の人脈や感化によって、形としてできてきたというわけですね。

そうですね。まず、私が中小企業診断士を取得後に感じた課題に皆さんも共感してくれることで、結果的にモチベーションの高い組織ができ上がってきたと実感しています。また、会発足にとどまらず、人脈はかなり大きく私の活動を支えていますし、モチベーションの源泉にもなっています。次回以降でその点もお話しできればと思います。

(つづく)

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