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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

中小企業診断士としての矜持を胸に 島津公美さん

取材・文:勝亦 健雄(中小企業診断士)村田 朗(中小企業診断士)

【第1回】企業内診断士としての理想と現実

取材日:2016年2月2日

大手ゲームメーカーの人事部門に勤務されている島津公美さん。勤務先での通常業務のほか、中小企業診断士としての執筆活動や商店街支援に携わるなど、社外でも積極的に活動されています。今回は、そんな島津さんの企業内での活動の様子をお話しいただきました。

大手ゲームメーカーの人事部で活躍

―まずは、島津さんのプロフィールを教えてください。


私は1993(平成5)年に現在の会社に入社しました。最初の2年間はゲームセンターの店員として、その後の数年間は管理部門で店舗の営業管理のような仕事をしていました。でも、少し違うことがしたいと思い、当時グループ内にあった環境機器を販売する関連会社に移って営業を経験しました。その後、その事業からの撤退に伴ってグループの人事を担当する部署に配属され、いまに至ります。

―現在の仕事の中で、やりがいを感じる部分は何でしょうか。

いまで言うとマイナンバーということになるのでしょうが、そのときのトレンドごとに対応しなければならないことが必ずあります。それを社内にどのように浸透させるか、どのように従業員の方に認知していただくかといった大きな部分と、直接従業員の方とやりとりするという現場に近い部分の両方で携われるところが面白いと思っています。

―ご自身で組織のマネジメントをされることはあるのですか。

いまはそのような立場ではありませんが、私の所属している部署では、他の部署と連携してプロジェクトを行うことがあります。そのようなプロジェクトを行う際に、率先して推進する立場は経験していますので、そういった意味では少しマネジメント的なこともしていると言えるかもしれません。

関連会社での経験が受験のきっかけに

―島津さんはどのようなきっかけで中小企業診断士を目指されたのですか。

関連会社にいたときに目指そうと思いました。その会社がまさに中小企業で、大企業の関連会社でありながら人数も20人未満でしたし、きちんとした経営計画もありませんでした。そのような会社の中で、何か自分に役に立てることがあるのではないかと感じたのが最初のきっかけでした。

でも、何回もチャレンジしてようやく合格し、受かったときにはその会社はもうなかったという状況でした(笑)。ただ、勉強する過程でさまざまな知識を習得できましたし、2次試験で模擬的ではありますが、企業の事例に対して助言・診断をした経験は、関連会社での仕事にも役立てることができたかな、と思います。

―企業内で中小企業診断士として活動するにあたって、理想と現実とのギャップのようなものはありますか。

理想の診断士像は、組織のマネジメントもありますが、やはり相談されて信頼されること、そしてきちんと的確な答えを返してあげることだと思うのです。中小企業診断士は、コンサルティング能力が重要だと思っています。いまの仕事では、従業員の方から人事について相談を受けることや、より戦略的なことをやっている部隊に助言をさせていただく機会がありますので、そういった意味ではコンサルティング能力を中小企業診断士として活かすのと同じような経験はできているのではないのかな、と思います。

些細なことでも付加価値を出す工夫を

―ご自身のやっている業務に、中小企業診断士として付加価値をつける工夫などはされているのですか。

それは常に意識しています。「これをお願い」という話があったとして、頼まれたとおりにそのまま返すだけでは、相手への付加価値はまったくつかないじゃないですか。たとえば、管理の仕事ですので、データ提供を求められることもあるのですが、「このような基準に合う人が欲しい」といったときに、「このデータなら、これも追加したほうが良いかな」といった具合に、相手に何か有用なものを提供しようと考えながら取り組んでいるつもりです。

―中小企業診断士としてお金をもらっているわけではありませんので、自分で意識してやらなければいけない部分はありますよね。

そうなのですよ。資格を取ったことは会社にも報告はしていますので、そこは「中小企業診断士は駄目だな」と思われないように、意地を張りながら取り組んでいます。「持っていても何も役に立たない」と言う人もいますが、それは違うと思います。自分の工夫しだいで、中小企業診断士の価値は企業内にいたとしても上げていけると思っています。

そう考えると、中小企業診断士は携わる業務の幅が広いため、どこの部署にいてもエッセンスは絶対にあると思うんです。そのエッセンスを活かしながら、いま任されている業務よりも一段上がった状態で業務を見られることが中小企業診断士にできる役割、会社に求められる役割なのではないかと思っています。

(つづく)

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島津 公美(しまづ くみ)
1970年富山県生まれ。2011年中小企業診断士登録。大学卒業後、ゲームメーカーに入社。ゲームセンターの運営・管理に従事した後、関連会社で営業職として環境・衛生商品の販売に携わる。2009年よりグループ全体の人事労務管理業務に従事、現在に至る。