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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

“プロリーマン”の仕事の流儀 山元教有さん

取材・文:弥谷 和也(中小企業診断士)

【第2回】会社と診断士活動の融合

取材日:2014年2月26日

今回は、山元さんが取り組む社外の仕事を獲得するためのセオリーや、「企業内活動」、「企業外活動」、「プライベート」の3つの時間バランスのとり方、さらには今後の活動への思いなどを語っていただきました。

社外の仕事を獲得するためのセオリー

― 企業内診断士が外の仕事を獲得していくための正攻法はありますか。

山元教有さん

とにかく動くしかありません。仕事を獲得するには、チャンス(機会)に出会う必要があるわけで、そのためにはやはり人と会わなければダメです。経営者、あるいは経営者を紹介してくれる人に会うことです。

また、自身のドメインを定義できていることが、企業外活動でも重要なことは言うまでもありません。自分が、どのような悩みを持つ方に、どのようなことができるかを常に開示しておくことです。「企業内診断士で、自信もないから」と、自分からは何も示さず、言われたら何でもやる、といった方も多いですが、できることを発信していかないと、誰も認知してくれませんし、声がかかるはずもありません。

― 山元さんが、社外の仕事を初めて獲得されたときのお話を聞かせてください。

私の初仕事は、通っている美容室のスタッフ研修でした。その店のオーナーに髪を切ってもらいながら、いつも「自分にはこんなことができる」という話をしていたんです。美容室って、離職率が高いじゃないですか。オーナーもそのことで悩んでおられたらしく、「研修をお願いできないか」と依頼を受けました。この経験から、自ら発信することの大切さを知りました。

企業内診断士の方とお話ししていると、「なかなか経営者と会う機会がない」とおっしゃるのですが、気づいていないだけで、私の例のように実は身近に経営者と接する機会はあるものです。

「企業内活動」、「企業外活動」、「プライベート」のバランス

― 企業内と企業外の活動の、時間の切り分けはどのようにされていますか。

私は企業内診断士である以上、給与をもらっている会社に対して、日中の時間を社外のために使ってはいけないという原理原則を守っています。やむを得ない場合は、有給休暇を取って社外活動にあてることもありますが、その際は外からお金をもらわないことを経営者と約束しています。

したがって、基本的に社外活動にあてる時間は、平日の定時以外と休日のみに限定しています。そして、これらの時間を使って外で仕事をする分には、いくら収入を得ても構わないという許可を会社からいただいています。

― 仕事をセレクトしておられるのですね。

1つのターゲティングですね。あくまで企業内診断士ですので、社外の活動は「クライアント」と「時間」を選んで対応させていただいています。そうでないと、会社の拘束時間と仕事のけじめがつかなくなって、お客様への対応も中途半端になってしまいますしね。逆に言うと、土日だけで対応できるお客様であれば、フルでやっても良いと思います。

― お仕事でフル稼働状態のようですが、プライベートな時間はあるのですか。

私は、何かを得るには何かを捨てなければいけないと考えていて、プライベートでは時間のかかる趣味などは捨てるべきだと思っています。ただし、家族の協力は必要ですから、家族との時間はできる限り確保するように努めています。平日の夜は、セミナーや研修講師の仕事も含めて週4日はほぼ埋まっています。週末も、プライベートにあてられるのは月に2日ほどですが、この日は家族との時間を優先するようにしています。

マルチワーカーが求められる時代

― 山元さんが普段使われている「本気でやるのが本業」、「副業以上起業未満」という言葉の意味を教えてください。

企業内診断士が外部で活動すると、中途半端という批判を受けることが少なからずあります。「本気でやるのが本業」というのは、私は本気でやることはすべて本業と定義していて、それには企業内診断士も独立診断士もないという思いから、そう言っています。「副業以上起業未満」というのも、起業はしていませんが、診断士活動を副業としてやっているのではないという、私の気概を表現したものです。

― 最後に、今後の活動への思いをお聞かせください。

私は、自称マルチワーカーとも言っていますが、これからの時代、1つの仕事で生涯所得を得ることは、ますます難しくなっていくと思います。サラリーマンだけで食べていける人は、公務員と一部の高所得層に限られるかもしれません。たとえ上場会社や大企業に勤務していても、リストラ対象はどんどん低年齢化していますし、欧米のように転職が当たり前の社会になってきました。また、事業の業績が振るわなければ、事業部門ごと売却したり廃止したりするケースも珍しくない世の中です。

このような時代を生き抜くためにも、企業で働く者は、誰しもマルチワーカーとしての実力を兼ね備えていく必要性が高まりつつあると考えています。それを実現するためのステップとして、診断士資格の取得は大変有効ですし、資格取得後は社内外での活動を通じてマルチワーカーとなり得ることから、1人でも多くのサラリーマンの方に中小企業診断士になっていただきたいと思っています。そして、一緒に活動しながら、プロリーマンやマルチワーカーをどんどん増やし、日本の企業やそこで働く人たちを元気にするための支援をしていきたいと考えています。

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(おわり)

【関連情報】

山元 教有(やまもと のりなり)
1972年生まれ。中小企業診断士。1996年、澤電気機械株式会社に入社。30代半ばまでは、言われたことだけをこなし、週末はサザエさん症候群に悩むダメリーマンとして過ごす。その後、親友の起業宣言に刺激を受け、「過去10年間読書ゼロ」の状態から中小企業診断士資格の取得を志す。2008年診断士資格取得。企業内診断士として社内で活躍する一方、株式会社アスタリスク業務監査役、サムライ研究会・滋賀成功塾主催、企業研修講師、経営者の助さん格さんリーダーづくり「プロリーマン養成塾」塾長を務めるなど、社外活動も精力的に行う。