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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

“プロリーマン”の仕事の流儀 山元教有さん

取材・文:弥谷 和也(中小企業診断士)

【第1回】企業内活動における仕事の流儀

取材日:2014年2月26日

自らを"プロリーマン"(プロのサラリーマン)と称し、社内外で精力的に診断士活動を行う山元教有(やまもと のりなり)さん。資格を取得したばかりの企業内診断士にとって、初めの一歩をどう踏み出せばよいのか、そのスタートアップのあり方は悩ましく、難しい問題でもあります。しかし山元さんによれば、社内外のどちらで活動するにしても然るべき流儀があるとのこと。今回は、その活動準備からクロージング(仕事の獲得)までのサクセスプロセスを、詳しく語っていただきます。

社内で活動を始める前にやっておくべきこと

― 山元さんのプロフィールを教えてください。

山元教有さん

電気部品の卸売業を営む中小企業にプロパーで入社し、18年間営業一筋で働いてきました。中小企業診断士の資格を取ったきっかけは、いまの会社の中で自分にしかできない役割を見つけようと考えたことでした。

― 現在、中小企業診断士としてどのような活動をされていますか。

企業内での活動のほか、創業支援などのコンサルティング、企業研修やセミナー講師、学生向けの就活支援、外部企業の業務監査役など、社外でも幅広く活動しています。

― 診断士登録当初から、順調なスタートを切られたのでしょうか。

いいえ、最初は手探りでした。多くの企業内診断士の方がそうであるように、私も資格取得後のイメージはほとんど作れていませんでした。

― 社内外で活動の幅を広げることができた要因やポイントを教えてください。

まずは、社内の活動からお話しします。活動を始めるにあたって大切なのは、自身のドメインを明確化することです。つまり、誰に対して、何を、どのようにするのか。私の場合もここが不明確だったため、当初は無駄に時間を過ごしてしまいました。

また、ドメインの明確化に加えて、心構えとして必要なのが、サラリーマンという立場を忘れないことと、知識の振り回しを慎むことです。社内の活動においては、自分がコンサルだとか、独立した中小企業診断士だという感覚を持っては絶対にダメです。会社は自分を従業員として雇っているわけで、その期待される役割に対して成果を上げるという方向性からズレないようにしないといけません。中小企業診断士としての知識や活動を、会社が求めている成果にどうつなげていくかが重要です。

― その点について、山元さんはどのように取り組まれてきたのでしょうか。

私は営業職ですので、まずは自身が営業活動で実績を上げられるプロリーマン(プロのサラリーマン)になること。そして、その行動や手法を理論にまとめ、自分が講師となって社内にプロリーマンを増やすための「プロリーマン養成塾」を立ち上げ、人材育成に取り組んできました。「プロリーマン養成塾」は、現在は社外でも開催しています。プロリーマンとは、「『自律』していて『信念』があり、『成果』を上げ続けることができるプロのサラリーマン」と定義しています。

企業外活動を認めてもらうためにコミットすべきこと

― 自身のポジショニングを誤らず、ストライクゾーンの中で活動する、ということですね。

そうです。それと、もう1つ重要なのが、社内における事前の「打診」と「根回し」ですね。中小企業にお勤めの方なら、経営者と直属の上司、大企業にお勤めの方なら、事業部長や直属の上司にあたる方などに、中小企業診断士の勉強をしているときから勉強の目的を説明し、資格取得後に社内でやろうと思っていることがあるなら、コンセンサスを得ておくべきです。

それを怠ったために、独立準備のための資格取得と認識され、リストラ対象リストに入れられてしまった可能性がある、という話を聞いたことがあります。企業内診断士の場合、企業内の人材としてかかわっていくことが基本にあるわけですから、社内の人間関係や信頼関係を構築しておくことはとても重要です。

― 次に、社外での活動を広げていく際のポイントを教えてください。

重要なのは、先ほども申し上げましたが、社内における自分のミッションを完遂できていることです。それが前提にないと、会社は社外での活動を快く思ってくれません。逆に使命を果たしていれば、趣味と一緒で、社外で何をやろうがノーとは言われないはずです。

あとは、社外で活動する時間ですね。私は、企業外活動にあてる時間は、平日の夕方以降や週末の休日など、就業時間外に限定しています。当然と言えば当然ですが、社内の仕事をおろそかにしたり、犠牲にしたりすることは決してないと公言し、キーパーソンとも約束しておくべきだと思います。

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(つづく)

【関連情報】

山元 教有(やまもと のりなり)
1972年生まれ。中小企業診断士。1996年、澤電気機械株式会社に入社。30代半ばまでは、言われたことだけをこなし、週末はサザエさん症候群に悩むダメリーマンとして過ごす。その後、親友の起業宣言に刺激を受け、「過去10年間読書ゼロ」の状態から中小企業診断士資格の取得を志す。2008年診断士資格取得。企業内診断士として社内で活躍する一方、株式会社アスタリスク業務監査役、サムライ研究会・滋賀成功塾主催、企業研修講師、経営者の助さん格さんリーダーづくり「プロリーマン養成塾」塾長を務めるなど、社外活動も精力的に行う。