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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

実務ポイント取得の「傾向と対策」

文:久保田 浩矢(中小企業診断士)

【第1回】実務ポイント取得の実態

中小企業診断士、特に企業内診断士の方が抱える大きな悩みの1つが、実務ポイントの取得についてではないでしょうか。
 今回の「がんばる企業内診断士」では、実務ポイント取得の「傾向と対策」として、1年間で診断士資格の更新に必要な30ポイントを取得した企業内診断士の久保田浩矢さんに、実体験を踏まえてご執筆いただきました。

本稿の目的

ようやく実務補習を終えて診断士登録をしたのはいいけれど、「どうやって実務ポイントを取得したらよいのかわからない」、「なかなか実務従事案件の時間がとれない」といった悩みは頻繁に耳にしますし、私も診断士登録をして間もない頃は、そう感じていました。特に企業内診断士は、中小企業のコンサル業務以外に従事している方が大半のため、本業以外の診断士活動の中で実務従事案件を探し、時間をやりくりしながらポイント取得を行うことになります。

しかし、そのような状況の中でも、やり方を工夫することで問題を解消し、実務ポイント獲得を実現することは可能です。私は2011年4月に診断士登録を行い、現在は登録後約2年となりますが、1年目に更新登録要件の30ポイントすべてを、ほとんど費用負担することもなく獲得できました。私のやり方が、すべての方に当てはまるわけではないと思いますが、悩んでいた当時の自分と同じ立場の方にとって、本稿が助けとなれば幸いです。

ご存じのとおり、中小企業診断士の更新登録要件としては、以下の2つを満たす必要があります。

(1)「知識の補充要件」(5年間で5回以上受講など)

(2)「実務の従事要件」(5年間で30ポイント以上獲得)

(1)については、中小企業診断協会など、経済産業大臣が登録する研修機関が行う「理論政策更新研修」を年1回ペースで受講すれば良いため、すっかり忘れてしまっていて、更新期日直前にあわてて受講するといった事態さえなければ、比較的問題なくクリアできると思います。一方で(2)については、時間的制約や、案件・ポイント取得にかかるコストなど、さまざまな理由からハードルが高いと感じられる方も多くいらっしゃると思います。

そこでまずは、実際に中小企業診断士の現状がどうなっているのかをアンケート結果から明らかにし、次回以降でその課題への対策を示していきたいと思います。

アンケート結果の分析

東京を中心とした、首都圏所属の男女約80名の中小企業診断士(独立:25%、企業内:75%)に実務ポイント取得に関するアンケート調査を実施し、以下のような結果が明らかになりました。

○ポイント取得方法(図1参照:複数回答可)

「従事している職業が実務ポイントに直結」と回答した7割程度は独立診断士であり、残り3割の企業内診断士を除いては、それ以外の方法で取得しています。その残りの企業内診断士の過半数は、「家族、親戚、知人等からの案件紹介」、「所属している研究会、各種コミュニティからの案件紹介」といった私的なルートを活用しながら、「診断協会主催の実務従事」の公的なルートと組み合わせて案件を取得しています。

取得方法
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○ポイント取得にあたっての感想(図2参照)

「容易に取得できている」と半数が回答している一方で、「苦労して取得している」、「取得方法がなく悩んでいる」といった回答も半数近くに及んでいます。前述のとおり、独立診断士は従事している職業が実務ポイントに直結する関係から、「容易に取得できている」とほぼ全員が回答しているため、「苦労して取得している」、「取得方法がなく悩んでいる」のは企業内診断士に見られる傾向ということになります。またその割合は、企業内診断士の約7割が実務ポイント取得に何らかの苦労や悩みを抱えている実態が明らかになっています。

取得にあたっての感想
(クリックで拡大)

○ポイント取得に苦労している、悩んでいる理由(図3参照:複数回答可)

企業内診断士が抱える問題として、「仕事やプライベートが多忙で時間が取りづらい」と半数が回答し、「案件が身近にない」が約3割、「費用がかかる」が約2割とそれに続いています。

悩んでいる理由
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以上の結果をまとめると、

・企業内診断士は独立診断士と比較して、実務ポイント取得に苦労や悩みを抱える傾向があり、その内訳は約7割に上る。

・企業内診断士が実務ポイントを取得するうえで課題となるのは、(1)診断士活動時間の捻出、(2)効率的な案件取得、(3)ポイント取得コストの抑制である。

次回以降、これらの課題への対策を考察していきます。

(つづく)

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