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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

企業内診断士の新たな活躍の場を探って―診断士会同士がコラボレーション

取材・文:森 智亮(中小企業診断士)

【第3回】新しい活動テーマとその行動力に期待

レポートの最終回となる今回は、両社の中小企業診断士がディスカッションを通して考えたユニークな活動案や、後日のアンケート結果をお伝えしながら、「企業内診断士の新たな活躍の場」の可能性を考えてみたいと思います。

新しい活動のテーマが満載

交流会の全体写真
交流会の全体写真

同業種交流会もメインテーマに移り、43名が8つの各テーブルに分かれ、熱心にディスカッションを行っています。第2ラウンドのテーマは、「両社の診断士会同士・会社同士で取り組めば面白いこと」。つまり、企業内診断士として新たに取り組みたい活動、しかも両社のネットワークを使った活動を考えましょうということです。

ここでは、ふだんの仕事上の制約を取り払ったユニークなアイデアが次々と出てきました。以下に、各チームから発表されたアイデアの一端をご紹介します。さまざまなアイデアが出た中、大別すると3つのカテゴリーに集約されました。

1.社会貢献でコラボレーションする(一部抜粋)

  • 市町村を通して、子どものためのパソコン教室や経営教室(将来の社長を見出す)などで地域貢献を行う。
  • 東北の震災復興支援に貢献する(富士通・NECだけではなく、他企業の診断士ネットワークも使って)。

※後日、この交流会の会費残金は、「国境なき医師団」を通して復興資金として寄付されました。

2.中小企業診断士の地位向上・IT業界への貢献(一部抜粋)

  • 大学との連携を図り、理工系人材育成支援を行う(IT業界活性化のために)。

※たとえば、中小企業診断士が大学へ出向いてPMOの講義を行う、学生にシステム開発経験の機会を設けるなどができそうです。

3.すでに両社どちらかが実施している内容を、もう一方でも実施する(一部抜粋)

  • お互いの診断士会交流に貢献する(講師相互派遣など)。

※後日、富士通診断士総会で、NECメンバーが講演することが決定しました。今後、両診断士会同士の交流が活発化しそうです。

  • 社会起業家支援を活発化させる。
吉村 正平さん
吉村 正平さん

※富士通では、NPO法人と連携した農家への経営支援を手がけ、NECでは、自社の社会貢献室と連携して社会起業家支援を行っています。今後、両社がお互いの活動に協力し合うことが期待できます。

アグレッシブかつ、チャレンジングなアイデアがたくさん出てきました。皆さん、ワールドカフェで、思いきりディスカッションができたようです。これこそが、この交流会の狙いだったのでしょう。

そして最後に、富士通診断士会会長の吉村正平さんから、「企業内診断士が、社会貢献や社内の価値ある分野で活躍することで、経営者の方々の認知度向上を図ることができる。そのためには、今回のような交流会を活用し、お互いが切磋琢磨することが大切である」といった主旨のご挨拶があり、初めての同業種交流会は終了しました。

交流会当日を振り返って

馬場 美州さん
馬場 美州さん

交流会終了後、NECグループ診断士会代表の馬場さんに、お話をうかがいました。

森:今日の感想をお願いします。

馬場:想像以上に盛り上がって、よかったです。初の同業種交流会としては、大成功だと思います。今後も、本業では互いに切磋琢磨し合いながら、診断士会の活動では競合という関係を超え、力を合わせて社会に貢献していきたいですね。

森:たくさんのアイデアの中で、具体的に進んでいきそうなテーマはありますか。

馬場:今後、参加者のアンケート等をもとに、両社の幹事会で何を形にしていくかを決めていきたいですね。いろいろとアイデアは出ましたが、実現可能性の高いテーマに注力して成果を出すことも大切だと思っています。

森:夏の異業種交流会には、約10社での交流という良さがありますが、今回の2社というのにも、別の視点での良さがありますね。

馬場:そうですね。今回は、テーマを持って、じっくり時間をかけて対話できたのがよかったと思います。同業種交流ということで、また、異業種交流とは違った新鮮さもありました。今後は、夏の異業種交流、冬の同業種交流で業界を盛り上げていきたいと思います。

さらに、NECグループ診断士会では、今年夏~秋にかけて、診断士会の活動や個人の活動、中小企業診断士としての思いなどをテーマとした書籍の出版を目指しています。自社診断士会単独や交流会の活動を通して、ますます積極的にネットワークを広げていければと思っています。

森:本日は大成功ですね。これからのご活躍にも期待しています。ありがとうございました。

アンケートから見た今後の展望

では、実際に交流会に参加した皆さんは、どのように感じ、今後どのように活動しようと思ったのでしょうか。後日、両社幹事がとった参加者アンケートをもとに、一部の回答をご紹介します。

  • 非常に面白い企画だったと思います。お話しできる相手が違えば、また楽しい。まったく同じスタイルのイベントでも、来年もぜひ参加したいと思います。
  • 来年までには活動実績が出ていると思うので、その発表会もやるとよいと思います。
  • 何か継続して実践していきたい。
  • 他の企業にも参加してもらいたい。

このように、前向きな意見が多数寄せられる中、この交流会を印象づけるひと言もありました。

  • さまざまな人と出会える場があるというのは、輪を広げるだけでなく、自分の立ち位置を認識する機会としても、とてもよいことだと思います。

今回の交流会に、参加者が満足されたことがわかる回答です。

期待すること

3回にわたり、同業種交流会の内容をレポートしてきました。筆者も昨年末まで、キヤノンマーケティングジャパン(株)に勤務する企業内診断士でしたので、企業内診断士の活動の制約等はよくわかります。日常の忙しさから診断士活動を休眠中の方や、実務ポイントを稼ぐための活動に終始している方も多い中、NECと富士通の診断士会メンバーの活動には、目を見張るものがあります。自社内での同好会的活動の枠を超え、社会貢献という領域まで踏み込んでいるのです。

実際に、企業内診断士だからこそできる社会貢献もあると思いますし、ぜひ、引き続き活躍していただきたいと思います。特に、社会貢献等のハイレベルな活動は、所属企業のCSR向上等にもつながり、ますます企業内診断士の皆さんが躍進される機会にもなるでしょう。

今回の交流会で生まれたさまざまなアイデアが、次回開催までにどのように進んでいくのか、とても楽しみです。どうか、1つでも多く、実現していただきたいと思います。取材でお世話になった両社診断士会の皆様、ありがとうございました。今後のご活躍を、そばから応援させていただきます。

(おわり)

【こちらもおススメ!】

企業内診断士の「第1回異業種交流会」の模様は、こちらをご覧ください。