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がんばる企業内診断士

企業内診断士の新たな活躍の場を探って―診断士会同士がコラボレーション

取材・文:森 智亮(中小企業診断士)

【第1回】NEC&富士通の「同業種交流会」

取材日:2012年2月23日

大手企業に勤める企業内診断士で、また新たな取組みが始まりました。NECグループ診断士会と富士通診断士会が、互いにコラボレートしながら、企業内診断士の活躍の場をより広げようと、「同業種交流会」を開催したのです。ここでは、その模様を3回に分けてレポートするとともに、この取組みから見えた企業内診断士の新たな活躍の場を検証してみたいと思います。
 まず初回は、両社診断士会の特徴と、同業種交流会のきっかけ、狙い等をお伝えします。

カラーが違う両社の診断士会

NEC、富士通ともに、同じIT業界を牽引するリーディングカンパニーですから、企業の歴史は長く、また活動してきた土俵もよく似ています。ただ、診断士会としては、少しカラーが違うようです。

【両社診断士会の概要】

名称 富士通診断士会 NECグループ診断士会
発足 2006年6月 2010年4月
会員数 76名(2011年12月現在) 96名(2012年2月現在)
参考記事 ・『企業診断ニュース』2011年12月号(発行:中小企業診断協会)
「企業内診断士のトリプルウィン実現に向けて」
(広報部長・松本良浩氏)
・J-Net21「中小企業診断士の広場」2011年9月
「NECグループ診断士会の素顔に迫る」
・『企業診断ニュース』2012年2月号(発行:中小企業診断協会)
特集「NECグループ診断士会にみる企業内診断士の可能性」

※上記参考記事も、併せてご覧ください。

富士通診断士会は、会長の(株)富士通新潟システムズ常任顧問(前代表取締役社長)・吉村正平氏を筆頭に、副会長、事務局、広報部・教育部・診断部と、ある意味、会社的に組織化された運営体制となっています。またその活動は、落ち着いた雰囲気の中、ゆるやかなネットワークコミュニティで行われ、いわゆる「癒し系グループ」といった印象を受けます。

一方のNECグループ診断士会は、発足してまだ2年足らずですが、たびたびメディア(本サイトや『企業診断ニュース』等)に登場しています。代表の馬場美州さんを筆頭に、若い執行部メンバーによってフラットな会運営が行われ、そのバイタリティでぐいぐいと引っ張っているように見えます。そして、会のメンバーがそれに応え、活動が進められる、いわば「炎系グループ」といった印象です。

なぜ、同業種交流会なのか

小松原 拓さん
小松原 拓さん

このように、一見タイプの違う両社診断士会が、今回の同業種交流会をどのようにして思いついたのか、またその目的はどこにあるのかを、富士通診断士会事務局長の小松原拓さんにうかがいました。

森:今回の交流会は、何をきっかけに開催されたのでしょうか。

小松原:ここ数年、8月に10社程度が集まって、「診断士異業種交流会」が行われています。NECさんや弊社も毎年参加していますが、その際にNECさんと、「ビジネスでは、両社が何か一緒に仕事をする機会は少ないよね。だから、診断士会同士で何かやりましょうよ!」という話になり、交流会開催を決めました。

森:いわゆる「同業種交流会」ですね。

小松原:そうですね。同じIT業界ですから、同業種というか、普段はコンペティターです(笑)。

森:ともにIT業界の雄ですから、日常のビジネスではぶつかり合いますよね。そのような両社が交流会を持った目的は、どのようなところにあるのでしょうか。

小松原:ともかく今回は初の試みですから、ざっくばらんに意見交換ができればよいと思います。同業種ではありますが、両社のカルチャーは違うはずですので、忌憚のない意見を交わしながら、生の情報交換の場になればと願っています。

森:今回をきっかけに、診断士活動でも何かコラボレーションを考えているのでしょうか。

小松原:それはありますね。この後、ワールドカフェ形式(※)で、「2社の診断士会が協力してできること」をテーマにディスカッションを行う予定です。参加メンバーから、さまざまなアイデアが出てくることを期待しています。

交流会開催までのエピソード

鹿島 崇宏さん
鹿島 崇宏さん

両社診断士会、合わせて170名を超える大所帯ですから、交流会開催の準備も大変だったと思います。NECグループ診断士会幹事の鹿島崇宏さんと尾藤宏行さんに、開催までのエピソードをうかがいました。

森:ワールドカフェ形式でのディスカッション等、面白い企画だと思いますが、開催までの準備は大変でしたか。

鹿島:今年に入って、両社診断士会の幹事が集まり、2回ほど打ち合わせをしました。そこでは、どのような話をしたら両社診断士にとって刺激になるか、話し合ってきました。

尾藤:初対面でも活発に意見を出すには、何かテーマを決めたほうがよいということで、今回のワールドカフェ形式でのディスカッションにしたのです。

森:幹事として、交流会の活発化に苦心されたということですね。記憶に残るエピソード等はありますか。

鹿島:打ち合わせを、1回目を富士通本社、2回目をNEC本社で行いましたが、普段は競合関係にあるので、互いの本社を訪問する機会はあまりなく、ある意味ドキドキして富士通さんに出かけました(笑)。

尾藤 宏行さん
尾藤 宏行さん

尾藤:打ち合わせ後の幹事メンバーの懇親会の席では、ざっくばらんな話し合いの中から、互いに共通の課題も多いことに気づきました。交流会に向けて意気投合し、大いに盛り上がりましたね。

森:普段は話ができない部分を、お互いに共有できたということでしょうか。

尾藤:そうですね。お互い、ライバル関係のような会社でもありますので、こういった機会は、診断士会でなければ実現しなかったと思います。富士通さんもNECも、会社の利害を超えたところで、新たなネットワークができればという期待はあります。それも、同業種の診断士会だからこそ、できることだと思うのです。

※ワールドカフェ:「知識や知恵は、機能的な会議室の中で生まれるのではなく、人々がオープンに会話を行い、自由にネットワークを築くことのできる『カフェ』のような空間でこそ創発される」という考え方に基づき、1995年に開発・提唱される。現在、その思想や方法論は世界中に普及し、ビジネスはもちろん、NPOや市民活動、政治、教育等、さまざまな分野で活用が進む。

(つづく)

【こちらもおススメ!】

企業内診断士の「第1回異業種交流会」の模様は、こちらをご覧ください。