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がんばる企業内診断士

上海中小企業診断士の会の取組みー代表・小林伸之さんに聞く

取材・文:渡辺まどか(中小企業診断士)

【第3回】上海に進出する日本の中小企業活性化を目指して

取材日:2011年12月19日

上海中小企業診断士の会の取組みをご紹介する第3回目。最終回となる今回は、同会が実際に行った企業診断事例や今後の展望についてうかがいました。

中国進出企業の企業診断事例

白熱するプレゼンテーション
白熱するプレゼンテーション

渡辺:上海中小企業診断士の会として、実際に中国進出企業の企業診断もなさっていますよね。とても興味深いので、ぜひお聞かせください。

小林:診断企業は私の取引先で、すでに上海に進出している中小飲食業でした。集客もあまりできておらず、経営的にかなり厳しい状態だったため、そこからの脱却を目指し、今後の方向性を模索することが狙いです。守秘義務契約を結び、売上等の数値データも開示していただいたうえで、診断を行いました。

まずは社長ヒアリングを実施し、問題発見、課題解決というプロセスで進めました。SWOT分析の後、各店舗の売上増加策、コスト削減策、新規出店に関する事前調査等を行い、報告書にまとめ、私がプレゼンテーションを実施する形です。お取引先ですので、提案内容を実践していただき、その後のフィードバックもいただくことができました。

渡辺:実践レベルまで落とし込んでいるということは、かなり具体的な提案内容になっているようですね。しかも、フィードバックをいただけるというのは、診断メンバーにとっても有効ですね。

小林:期間としては、2週間程度の短期集中でした。急を要していたため、スピード重視で対応しました。

上海中小企業診断士の会の今後の取組み

ヒアリング風景
ヒアリング風景

渡辺:発足して1年足らずという短期間にもかかわらず、積極的に活動されていますよね。2年目となる2012年は、どのような活動をされる予定でしょうか。

小林:新しい取組みとして、日本で活躍されている中小企業診断士やコンサルタントの方をお招きし、講演会を開催したいと考えています。勉強会的な位置づけですね。今年の具体的な目標の1つです。

渡辺:それは、とても面白いですね。メンバーの方にとっても、日本から講師が来るとなると、モチベーションアップにつながって、刺激にもなりそうです。

小林:外部から講師をお招きすることで、私たちでは気づかないようなニーズも知りたいですね。第三者的な視点がもたらされることで、気づきも多いのではないでしょうか。

また、(社)中小企業診断協会や日本の各社内診断士の会と合同で、交流イベントを実施できたらと考えています。日本と中国の懸け橋となるような活動をしていきたいですね。

さらに、メンバーの自己研鑽を図るという意味では、勉強会も引き続き行っていきます。たとえば、中国の場合は法改正が多いんですね。そのあたりを勉強したいという声も上がっています。メンバーの中には経営者もいますから、その企業の課題解決のためにメンバーの知恵を出し合うようなことも行っていきたいと考えています。

渡辺:ちなみに、中小企業診断士のような経営コンサルタント資格は、中国にもあるのでしょうか。

小林:それが、ないんですよ。ただ、そうした存在が必要だという話は浮上しているようです。

渡辺:そうした立場にいらっしゃる小林さんにとって、診断士資格とはどのようなものですか。

小林:次の自分を見つけるための「切符」のようなものでしょうか。自己成長のための原動力と言い換えることもできます。苦労して取った資格だからこそ、活かしたいんですね。

渡辺:では、上海中小企業診断士の会としての、今後の展望をお聞かせください。

小林:今後は、これまで以上に、中小企業の中国進出を本格的にサポートするための組織体制を強化し、その受け皿となりうる団体にしたいと考えています。そのためにも、会のメンバーが代表を務める上海現地法人のコンサルタント会社と提携し、真の受け皿となりたいですね。

また、メンバーの駐在が終わり、日本に帰国した後も、会員OBとして情報共有を継続し、中国進出案件等を紹介し合えるような関係を構築したいです。

渡辺:小林さんが思われる、海外駐在の中小企業診断士だからこそできることとは何でしょうか。

小林:海外で働く駐在員には、企業内診断士というより、異国の地で経営に近い立場で活躍している方や、実務家の立場で診断士スキルを活かしている方が多いように思います。また、診断士資格の取得がきっかけで、経営企画への異動や海外赴任となる場合もあり、企業が中小企業診断士に寄せる期待がますます高まっているようにも感じています。

経済のグローバル化は以前より叫ばれていますが、中小企業の海外進出が急増する中、隣国であり、貿易額最大の中国とは、切っても切れない関係にあります。中小企業診断士として、そうした中小企業の海外進出をサポートし、成功確率を高めることが、私たちの本来あるべき姿だと思います。それぞれ、働く環境も立場も違いますが、自己成長の場として上海中小企業診断士の会をますます盛り上げ、日中間で診断士ネットワークを広げていきたいです。診断士資格を取ったことで、世界で戦う武器を持てたと思っていますから。

渡辺:小林さんの熱い思いに、私も大きな刺激を受けました。ぜひ、講演会にもうかがわせてください。

日本にいる中小企業診断士だからできること、また、中国にいる中小企業診断士だからできることという視点を相互に持ちつつ、さまざまなコラボレーションの可能性を探っていきたいですね。本日は、ありがとうございました。

(おわり)

【参考サイト】

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