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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

地域に根ざして中小企業に貢献する 城北支会「企業内診断士フォーラム」

文:朝倉 久男(中小企業診断士)

【第2回】企業内診断士フォーラムの意義と活動の現状

平成20(2008)年4月にスタートした城北支会「企業内診断士フォーラム」(以下KSF)。当初、10名程度でスタートした会も、いまや85名を超える登録会員となり、東京支部でも有数の研究会となりました。会員は、最初は城北支会員だけでしたが、他支会からも多数の会員に参加いただいており、その期待の大きさに、KSFの目的と企業内診断士のニーズがうまく合致したのだろうとあらためて感じています。
 今回は、KSF発足の経緯と取り組んでいる事業について、お伝えします。

KSF発足の経緯

KSFの会合風景
KSFの会合風景

いまから5年ほど前の2007年初めに、私は長く所属していた中央支会から、城北支会に転籍しました。会合で初めてご挨拶した支会長は、地元・板橋区にある植村直己記念館が主催する山岳会で面識のあった青木弘文先生でした。山行にご一緒したことはあっても、青木先生が城北支会長であることは、そのときまで存じ上げなかったのです。その青木支会長から、城北支会に転籍するや否や、「支会の会員を増やしていくためにも、中小企業診断協会員の大半を占める企業内診断士による研究会を活発化させたい。ぜひ、企業内診断士の研究会を立ち上げてほしい。そのための協力は惜しまない」という要請を受けたのです。

城北支会には以前、企業内診断士の研究会がありましたが、2~3年で休眠状態になったとのことで、当時幹事をしていた先生に、活動の問題点や課題をうかがうことから準備を始めました。ちょうど中小企業診断士制度が改訂され、企業内診断士にとっては、更新要件としての実務従事の負荷が大きな問題となっていた頃です。そんなこともあり、新たに発足させる企業内診断士フォーラムは、中小企業診断士制度変更を念頭に置いた活動にすることが重要と考え、会の活動目的を「実務診断を通じての更新ポイントの取得」とし、結果として「企業内診断士としての実務経験、ノウハウの蓄積(診断能力の向上)」、「企業内診断士の活動領域の拡大」等につなげられるようにすべきと考えました。そうした基盤づくりの最中、新たに城北支会に入会した若手診断士にも協力を呼びかけ、伊藤、中村、松原先生の3名が幹事役として加わってくれ、規約づくりや会計業務、定例会の場所等、体制が整っていった次第です。

東京都板橋区「出前相談事業」

城北支会企業内診断士フォーラム

KSFが最初に取り組んだ実務従事ポイント取得の具体的な方策は、東京都板橋区が行っている公的支援への参加です。青木支会長の全面的なご支援のもと、板橋区中小企業診断士会(以下板診会)が板橋区役所から受託している「出前経営相談事業」に、フォーラム会員も区役所の認定出前経営相談員として登録するものです。これまで4年にわたって、多数のKSF会員が商店街の個店を中心に出前経営相談での実務診断を行い、診断先からの証明書発行(更新ポイント取得)、さらに区役所からは診断報酬も受け取るという、大変ありがたい支援業務に携わってきています。これらにより、実務ポイントとして必要となる30ポイントを取得した会員もいます。

中小企業診断協会東京支部の実施する商店街診断事業には、毎年、城北支会からも若手のKSF会員が参加し、プロコンの先生の指導をいただきながら、商店街診断を行っています。また、板診会が板橋区役所、板橋区商店街連合会と共同で企画運営する「板橋ユニーク店舗大賞発掘調査事業」では、3年にわたり、延べ50名以上の会員が調査員として参加し、ユニーク店舗の発掘評価に協力することにより、更新ポイントの取得(若干ながら報酬)にもつながっています。今年度は、板橋区が3年ぶりに実施する区内製造業調査にも多くのKSF会員が参加し、中小企業経営者との面談の機会を持つ場が与えられています。

しかしながら、いまやKSFの会員数は80名を超えていることから、すべての会員が充足する診断機会の提供は難しく、今後は城北支会のプロコンの先生方との協働ワークや、アシスタント業務を通じて実務機会の場を設けることも検討しています。そのためには、プロコンからの要請に即座に対応できる会員のスキルシート(キャリア)の整備やネットワークの構築等、城北支会の協力を得ながら体制づくりを進めているところです。また、会員自らが開拓した実務案件では、KSF会員がチームで取り組むといった実績もできています。

このたび、これまでのKSFの活動成果を記録すべく、小冊子分科会を編成し、企業内診断士の現状と活動状況等のアンケート結果や会員による活動報告をまとめた小冊子を発行しました。広島県支部の企業内診断士からは、われわれの活動を聞き及び、同様の研究会を立ち上げたいとのことで、可能なかぎりのアドバイス、情報交換をさせていただきました。こうしたさまざまな広がりの中で、企業内診断士が持てる資格を有意義に活用し、地元中小企業の経営支援に役立てることができれば、KSFの目的である「更新ポイントの取得」以上に、地域社会に貢献できる研究会としての新たな使命が加わったと言えるかもしれません。

(つづく)

【参考サイト】

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