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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

80名強のメンバーを抱え、「貢献」をキーワードに活動中

司会・文:橋本 尚久(中小企業診断士)

【第3回】NECグループ診断士会の素顔に迫る(3)

取材日:2011年9月2日
協力:NECグループ診断士会事務局

「NECグループ診断士会」の素顔に迫る最終回。充実した会の活動の一方で、企業内診断士にはどうしても、「本業とのバランス」という課題が突きつけられます。そのあたりをどのように解決しているのか、今後の抱負とあわせてうかがいました。

活動を実行に移す"秘訣"

NECグループ診断士会座談会

司会:社会貢献は、NECならではのポイントですね。鹿島さんは、この1年半でどのような活動をされましたか。

鹿島:私は昨年、実務従事プロジェクトに参加しました。NECのOBが立ち上げたベンチャー企業に対して、4~5人のチームで3ヵ月ほどかけて診断を行うというもので、私は資金調達とマーケティングという2つの切り口から取組みました。

司会:実は、私も参加させていただきました。

鹿島:社外の方にも数名、参加していただきましたよね。その節はお世話になりました(笑)。内容としては、「Webサイトをリニューアルするので、この情報が欲しい」など、診断先の要望に柔軟に応じることで、臨場感のある診断ができたのはよかったと思います。

司会:何か苦労された点などはありますか。

鹿島:マーケティングでは、実際の顧客の声を集めるのに苦労しました。ただ、偶然にも今回の顧客ターゲットが中小企業診断士やIT系の資格保有者だったため、異業種交流会やNEC社内の知人の協力を得ることで、多くの生の声を入手でき、提案にリアリティを持たせられたのはよかったと思っています。こうして得られたアンケート情報が、診断先のWebサイトにさっそく活用されているのを見たときは、少しは役に立てたのかなと実感できて嬉しかったですね。

鹿島 崇宏さん
鹿島 崇宏さん

馬場:実務従事については昨年、4つのプロジェクトが動いています。OBや知り合いの事業者をツテに案件をプロデュースし、参加者を募りました。メンバーのニーズも高いので、今後も継続して場を提供していく予定です。

司会:実務ポイント取得のための環境があるのは、企業内診断士にとって素晴らしいことですね。そのほかの活動はいかがでしょうか。

村木:2010年9月に受験生支援の会を開催し、実際にそこから合格者を輩出できたことも、大きな成果の1つだと思っています。同じ会社グループに勤める受験生同士のつながり、合格者とのつながりに対するニーズが意外にも多かったことから、受験生支援に意欲を持つメンバー3名で企画しました。事前にどんな形態のイベントが適切なのか、ニーズを吸い上げ、それに応えるべく、座談会を中心とした内容に仕上げました。詳細は、月刊『企業診断』2011年5月号(同友館)に特集していただいていますので、ぜひご覧ください。

司会:診断士会設立と同様に、イベント企画は人を集めることに一番苦労されると思いますが、どのようにして集められたのですか。

村木:去年は、口コミがメインでした。知り合いの受験生に直接声をかけるとともに、診断士会のメーリングリスト経由でメンバーに声がけを依頼し、30名程度を集めることができました。今年は、社内報を通して受験生支援の会を告知していきます。また、昨年参加して、見事合格を果たしたメンバーが中心となって企画を進められているのも、今年の目玉です。加えてこうした活動は、社内における受験生・中小企業診断士数の増加につながり、会社として経営知識を持ち合わせた人材を多く抱えられ、それが最終的には、お客様に対するよりよいサービスの提供につながるのではないかとも考えています。今後も、このようなよいサイクルを回していきたいですね。

司会:受験生を増やしたり、そのモチベーションを向上させたりといった活動は、自己研鑽の支援につながり、最終的には会社への貢献にもなりますね。

馬場:会社への貢献という観点では、この9月にスタートしたばかりの、NEC経営層とのディスカッションも挙げられます。診断士会メンバーには、会社をもっとよくしたいという愛社精神の強いメンバーが多く、この企画を実現に移すことができました。

司会:経営層へのアプローチとなると、大企業ではなかなか難しいと思うのですが、どのような工夫をされたのでしょうか。

馬場:私はさまざまな場で、「こんなことを実現させたい」と言い続けていたんですね。そうすると、会のメンバーで経営企画部上層部と面識のあるメンバーがいて、声をかけてくれました。そして、一緒に診断士会の説明にうかがい、「一度、会合にきていただけないでしょうか」と打診しました。そこからは、トントン拍子に進みました。意志あるところに道あり! ですね。結局、年明けからこれまでに2回、診断士会定例会で経営層との交流会を開いており、現在も有志で提言をまとめたりしています。

本業とのバランスのとり方と今後の抱負

富士通とNECの診断士会メンバー
富士通とNECの診断士会メンバー
(第2回異業種交流会で)

司会:本当にさまざまな活動に取組まれていますが、苦労されている点はありますか。

馬場:参加する方がワクワクするような企画をプロデュースし続けるのは大変ですね。でもそれは、同時に楽しみでもあります。本当に大変なのは、事務局の皆さんを含め、本業が忙しいときの運営ですかね。

司会:皆さん、本業とのバランスはどのようにとられているのでしょうか。

村木:ほぼ事務局4名で会の運営を回しているため、イベントが多いいまは、本業とのバランスがとにかく大変です。週に1~2回はランチミーティングを開催したり、それでも足りないときは、終業後に遅くまで議論したりして時間をつくっています。休日に顔を合わせることもありましたね。会わない週はないほどで(笑)、事務連絡から情報交換まで、連絡は毎日のようにしています。時間の捻出に苦しむこともありますが、活動自体は楽しいですね。

鹿島:そのほか、メンバーの本業の負荷状況によってメイン担当を変えるなど、臨機応変に対応できるようにしています。なかなか難しい現状はありますが、他社診断士会の運営形態も参考にしながら、今後うまく運営していきたいと考えているところです。

司会:負荷はかなりかかっているのですね。そうした本業とのバランスの中で、事務局メンバー、診断士会メンバーとして、会があってよかったと思うことは何でしょうか。

馬場:自分の中では、「やればできる」と実感できたことですかね。会を立ち上げるまでは、1年半後にこのようになっているとはイメージできませんでしたが、前向きな仲間と力を合わせれば、たいていのことは実現できるとわかりました。

小久保:やはり、前向きで明るく、行動力のある事務局メンバーと出会えたことでしょうか。会社の業務に追われる中でも、診断士活動を続けようと思えるのは、ほかのメンバーの頑張っている姿に刺激を受けるからだと思います。

鹿島:私は、企業内診断士としての活動の場が広がったことですね。経営層とのディスカッションなど、これまで機会がなくてできなかったことが次々と実現するので、事務局としてもやりがいを感じています。診断士資格は幅広い活用ができることを、受験生にも伝えていきたいと思います。

村木:私にとってよかったことは、休眠しようとしていたメンバーが、この会を通して診断士活動に新たな活路を見出してくれるようになったことです。実務従事、異業種交流会等にも積極的に参加してもらえていて、お声がけして本当によかったと思います。こうした形で誰かのお役に立てるのは本当に嬉しく、事務局ならではの醍醐味だと感じています。もちろん、社内外でさまざまな人脈を築けたことも大きいですね。特に、自分のキャリアや人生について深い相談のできる事務局メンバーと、密度の濃い時間を過ごせていることは、自分にとっての大きな財産だと思います。

司会:ありがとうございました。では最後に、今後の抱負を教えてください。

馬場:これまでの常識にとらわれず、新しいことにどんどん挑戦し、進化し続ける診断士会を目指したいですね。そして、NECグループ診断士会にかかわるすべての皆様に、この会があってよかったと思っていただけるような運営をしていきたいと考えています。今後とも、NECグループ診断士会をよろしくお願いいたします。

司会:NECグループ診断士会は、企業内診断士の眠ったパワーを引き出す最高の場を提供していますね。ほかの企業でも、こうした活動が広がっていってほしいと思います。今後もNEC のOBとして、皆様のご活躍とNECグループ診断士会のさらなる発展を楽しみにしています。本日はありがとうございました。

(おわり)

会の概要

名称 NECグループ診断士会
設立 2010年4月
会社数 13社(2011年9月現在)
人数 86名(2011年10月現在)
目的 中小企業診断士として挑戦・進化し続けることで、社会・会社・メンバーに貢献する。
連絡先 kigyounaishindanshi@gmail.com