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勤務先での資格の活かし方

がんばる企業内診断士

企業内診断士3年生の今を追う ―『企業診断ニュース』連載「広がれ、企業内診断士の輪」番外編

文:櫻田 登紀子(中小企業診断士)

【第1回】私たちはこうして、中小企業診断士になった

取材日:2010年10月21日

今回の「がんばる企業内診断士」では、(社)中小企業診断協会会報誌『企業診断ニュース』の連載「広がれ、企業内診断士の輪」番外編として、2008年登録の同期生たちによる座談会を行いました。中小企業診断士となって3年目の今、企業内診断士としての活動やその可能性について語っていただきました。

司会:本日、司会をさせていただく櫻田登紀子と申します。よろしくお願いします。私も2008年登録で、現在、『企業診断ニュース』の長寿連載「広がれ、企業内診断士の輪」の2代目インタビュアーを務めています。今回はその番外編として、実務補習チームで継続してコンサルティングをしているメンバーと、東京支部中央支会のマスターコースで共同執筆をさせていただいたメンバーからお2人ずつ、お集まりいただきました。

笠井究宣さん
笠井 究宣 さん

なお、皆様には勤務先名を公開していただいていますが、中小企業診断士としての活動は個人活動であり、各企業の意見ではないことを、あらかじめご了承願います。

4人の企業内診断士の出会い

司会:ではまず、自己紹介をお願いします(編集部注:50音順)。

笠井:笠井究宣です。みずほ情報総研(株)に勤務しておりまして、主に製造業向けのファクトリーオートメーションに関するシステム提案・コンサルティングと、導入までのプロジェクトマネジメントに携わってきました。現在は法人システム業務部で、法人グループ内の事業方針・計画の立案・策定、業務運営管理に携わっています。

司会:笠井さんは、実務補習メンバーです。いつも鋭い切り口で、議論を盛り上げてくださいます。

斎藤健さん
斎藤 健 さん

斎藤:斎藤健です。大学時代に世界中を無銭旅行していましたので、海外の仕事に興味があり、住友商事(株)に入社しました。現在は、資源エネルギー部門の非常勤嘱託です。現役時代は、主に石油・ガス関連のプラントの輸出営業で、エクアドルやイエメン、インドネシア、南アフリカなどに駐在していました。

司会:斎藤さんも実務補習メンバーで、チームの中では「親分」と呼ばれています(笑)。

佐藤:佐藤暁子です。日本ケミコン(株)に勤務しています。営業企画部で、営業の企画・管理、内部統制推進を担当し、決算書の売上分析や、監査法人のインタビューなどのスタッフ業務に携わっています。また、営業本部長の秘書も兼務しています。私も、大学時代はバックパックを背負って海外に行くのが好きでしたので、将来は斎藤さんのように海外で働きたいと思っています。

司会:佐藤さんは、共同執筆メンバーです。いつも元気で明るい、ムードメーカーです。

堀之内:堀之内寛です。日本電気(株)のコンサルティング事業部に勤務しています。経営戦略、業務プロセス、ITインフラ等の企業革新を提案するビジネスコンサルティングに携わっています。その中でも、CRM(顧客関係性強化)をテーマに取り組んでいまして、顧客情報を使ったデータ分析とマーケティング支援を担当しています。

司会:堀之内さんも共同執筆メンバーで、お酒に弱い薩摩隼人ですが、頼れる存在です。

共通点は「中小企業診断士」

司会:中小企業診断士には、さまざまな年代や経歴の方がいらっしゃいます。資格取得を目指された理由も、さまざまでしょう。皆様はなぜ、中小企業診断士を目指したのですか。

笠井:経営コンサルタントになりたいと思っていたからです。私は学生のとき、IE(インダストリアルエンジニアリング)を研究し、研究室の先生のコンサンルティングに同行させていただきました。

佐藤暁子さん
佐藤 暁子 さん

提携先企業の工場へ行き、改善活動の支援をしていたことをきっかけに、将来は工場をサポートする経営コンサルタントになりたいと思ったんです。また、会社で仕事を進めるうえでも、資格を取ることで、経営に関する体系的な知識を持っていることを客観的に示せると思いました。

佐藤:私の理由は、4つあります。1つ目は、入社して企画部門に配属され、経営やビジネスを体系的に勉強したいと思ったことです。2つ目は、父が中小企業の経営者でしたので、承継問題などで漠然とした不安を持ち、自分が知識をつけて家族を守れるようになれればと思いました。3つ目は、6月の大学卒業から翌年の就職まで、国際協力コンサルティング会社でアルバイトをしていたときに、途上国で活躍されていた中小企業診断士の先輩と出会い、憧れを持ったこと。4つ目は、失恋して、「何かやらなくてはダメになる」と思ったことです。

斎藤:そういう人、初めてみました。

佐藤:よく言われます(笑)。

堀之内寛さん
堀之内 寛 さん

堀之内:私は、20代後半になって仕事には慣れてきましたが、もっと効率的・効果的な業務に変える方法があるのではないかと思ったのがきっかけです。それまでに、簿記やIT系の資格は持っていたのですが、知識の棚卸しをしてみると、もう少し自分に知識をつけたいと思い、調べてみたら、中小企業診断士の資格があることを知ってチャレンジしました。中小企業診断士は、資格を取った後も、研究会などの活動を通して人脈づくりができることや、継続的に学習できることが魅力でした。

斎藤:私が中小企業診断士を目指した理由は、2つあります。1つは、会社の業務に役立てられると思ったことです。私の仕事は、輸出といっても、現地にプラントを建設する仕事でしたので、技術・設計面の支援から資金調達、製品の引き取りや、建設期間中のリスクマネジメントなどの総合的なコーディネーションが業務内容でした。普通の人とはちょっと違った仕事をやってきましたので、自身の暗黙知を体系化・形式知化したいと思いました。もう1つは、当時59歳でしたので、第二の人生への準備のためです。第二の人生の生きがいややりがいのために、2年間で中小企業診断士と公認内部監査人の資格を取りました。

司会:59歳のチャレンジで、ストレート合格されたのですね。20代の女性と毎日、一緒に勉強されたそうですが...。

斎藤:ええ。受験校で同じクラスでした。彼女は、2次試験の直前は、「家族といるより、斎藤さんと一緒に勉強している時間のほうが長かった」と言っていましたね(笑)。

司会:一方、笠井さんは意外にも受験期間が長く、7年間とのことでしたね。

笠井:そうですね。7年もかかってしまいました。振り返ってみると、勉強のやり方がよくなかったと思っています。意気込みすぎて、網羅的に勉強しすぎていたと思います。合格には60点でいいのに、すべての科目を80点で合格しようという理想を持っていましたので、結果的に合格のための勉強になっていませんでした。そんな中、子どもを授かったので、「子どもが生まれる前に合格しなければ」と思い、「受かるために何をしたらいいか」へ頭を切り替えたんです。限られた時間と受かるための要素を考えて勉強したことが、奏功しました。

司会:堀之内さんと佐藤さんは、20代でこの資格を目指していますが、周りが青春を謳歌する中、自分だけ勉強することに抵抗はありませんでしたか。

堀之内:自分のスキルアップのためと思っていましたので、そうでもなかったです。

佐藤:私は寂しい気持ちでしたけど、ここでがんばらなければ、失恋の経験がムダになってしまうと思って、がんばりました(笑)。それに、勉強の中から新しい仲間ができるので、それはそれで、遊びに行くのと同じくらい楽しかったです。

司会:中小企業診断士は、受験生時代からよき仲間ができますよね。ところで、佐藤さんにはその後、新しい恋は生まれたのでしょうか。

佐藤:はい。おかげさまで。

全員:よかった!

さまざまな思いを胸にした企業内診断士たちは、どのような活動をスタートしたのでしょうか。次回は、資格取得後についてお聞きします。

(つづく)