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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(15)>

文:荒井 由紀子(中小企業診断士)

【第2回】診断士資格を軸に柔軟な働き方を実現

2018年12月18日更新

診断士試験合格後、すぐに開業したものの、それまでは主婦だった私に、本当に仕事ができるのかと不安は募るばかり。そこから1年半あまりが経ち、現在までの軌跡とこれからの展望についてを綴ります。

チャンスが次のチャンスへとつながっていった

それまで専業主婦だった私が仕事を開始するとなると、「独立」しか選択肢はありません。そもそも、フリーランスになるために資格を取得したわけですから、当然と言えば当然です。しかし、これまでビジネスとは随分と離れた世界にいたため、何のあてもコネもありません。唯一の入口が、診断士試験の受験生時代に知り合った先輩のネットワークでした。
診断士資格を取得するのは、「ほかの人を助けたい」「人のためになることをしたい」といった精神の旺盛な方ばかりです。後輩たちを応援する風土も、中小企業診断士ならではのものではないでしょうか。
私も素敵な先輩方のご縁に恵まれ、時間の融通がききやすく、子育て中の私にちょうどよいだろうと、まずは執筆の仕事を紹介していただきました。その後、経営者や著名人へのインタビュー取材、クロスワードパズルの制作、専門誌への寄稿なども経験します。
さまざまな出会いが新たな出会いへとつながっていく中で、研修講師として登壇したり、専門家として中小企業経営者の支援を行ったりと、仕事の幅が広がってきました。いまもなお、与えられる機会に次々とチャレンジし続けています。2年目にして、プロジェクト型の事業リーダーを任せていただいたりもしています。
その中で、さらに新たな世界や考え方に触れ、世の中にはさまざまな仕事があることをいまさらながらに感じつつ、自らの成長を実感する日々です。

独立診断士として柔軟な働き方を実現

現在は、起業を目指す方や起業間もない方への創業支援を中心に、派遣専門家としての支援、ビジネスパーソン全般向けの研修講師などの仕事をしています。これらは中小企業診断士としての活動と言えますが、そのほかにベンチャー企業に参画し、現場の一端を担うこともしています。1年半前は想像すらできませんでしたが、中小企業診断士の知識と経験を得たことでたどり着いた姿です。
これらはすべて、当初から考えていた「雇われない働き方」で活動しており、育児、家事の時間を確保しながら予定を組むことができています。自分のスケジュールと家族全員のスケジュールを管理し、調整するうえで苦労は多々ありますが、逆に言えば、そこさえクリアできればOKで、理想としていた柔軟な働き方を実現できていると感じています。
女性に限らず、多様な働き方が議論される昨今ですが、独立診断士になることは、「仕事か家庭か」ではなく、「仕事も家庭も」を追求する一つの選択肢になるのではないでしょうか。

プロとして出せる最上の成果を

ここまで読んでいただくと、独立直後から順調に歩んできたように思われるかもしれませんが、実際はまさしく"奮闘"の日々です。大企業の会社員や専業主婦しか経験してこなかった私にとっては、すべてが初めてのことだらけ。しかし当然ながら、報酬をいただくからには、きちんとしたレベルのものを提供すべきだと考えています。
執筆では何度も推敲をするため、数百文字の原稿を書くのに何時間もかかります。それでも、一晩経って読んでみるとダメで、また推敲のやり直し。受講生を前に初めて登壇する機会をいただいた際は、朝に子どもたちを送り出した後、自宅でビデオカメラを回しながら、モバイルプロジェクターでふすまにスライドを投影して何度も練習し、ビデオに映った自分の姿を見ては悶えていました。
ただ、こうして納得のいくまで四苦八苦してきたことは決して無駄ではなく、少しずつではありますが、力として身についていると思っています。

女性向け起業スクールでの1コマ
女性向け起業スクールでの1コマ

次のステージを目指して

これまで、新たな経験を積みつつ多くの方々と接する中で、自分の強みを最も活かすことができる領域は何かを考えてきました。
中小企業診断士の知識は幅広く、ビジネスシーンで活用できる可能性は計り知れないと思います。しかし、知識自体は教科書に載っていますし、インターネットでも検索できます。
この知識をいかに独自に役立てていくか――そう考え、今年は医療経営士という民間資格も取得しました。知識を活かすには、自らの経験とのかけ算で考えればよいのではないかと思い、しばらく離れてしまったことを理由に、なかったことにしようとしていた製薬会社での経験を掘り起こすことに決めたのです。来年は、さらに同資格の上級の取得を目指しています。
起業家支援を行う際に、「(その事業を)なぜ、あなたがやるの?」と問いかけるケースがあります。それと同様に、私自身も「私でなければできないこと」を常に追求しながら、これからも駆け続けていこうと思います。

(おわり)

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