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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(15)>

文:荒井 由紀子(中小企業診断士)

【第1回】会社員を辞め、専業主婦からの社会復帰

2018年12月11日更新

中小企業診断士になるまでの道のりはまさに十人十色。今回は、会社員から専業主婦となった私が、診断士資格を取得してビジネスの世界に復帰するまでの道のりを振り返ります。

マルチプレーヤーとしての土台を固めた会社員時代

理系大学院を出た私が就職したのは、製薬会社の開発部門でした。
製薬会社は、製造業の中でもやや特殊な部類に入ります。医薬品は人の生命にかかわる製品ですので、厳格に法規制が敷かれています。開発部門の業務も一般的な製造業とは異なり、医師の管理の下に病院で実施された治験を通じて新薬の有効性や安全性のデータを収集し、統計解析で確かな優位性を確認するというプロセスが必要です。
最初に担当したのは、医療機関で治験が正しく滞りなく実施されるように連絡調整を行う、臨床開発モニターでした。「人と接する仕事がしたい」と学生時代に希望して見つけた職種でした。病院を訪問し、製薬会社にとってはお客さまでもある医師や看護師、薬剤師などとやりとりをする仕事ですから、失礼のないよう、ビジネスマナーについてはとても厳しく指導を受けました。
開発プロジェクトの方針に沿って、なおかつ医療現場や患者さんの立場を考えながら連絡調整を行う業務でしたので、多くの視点から全体最適を見出すような思考トレーニングも自然と行ってきたように思います。
その後、3年ほど経過して開発部門の企画部署へ異動となりました。ここでは、開発プロジェクトの戦略策定やマネジメント、部門内のファシリテーション、研究やマーケティング、IRをはじめとする他部門との調整など、さまざまな業務を担当しました。執行役付のスタッフ組織でしたので、ここで大企業の経営者目線というものを垣間見ることもできました。

思い切って退職、専業主婦に

会社員として働きながら、結婚・妊娠・出産を経験し、産休と育休を取得後、子どもを保育園に預けて職場復帰をしました。やりがいのある仕事や素敵な人々に恵まれた職場でしたので、復帰するのが当然と思ってのことでした。
一方、初めての子育てはたいへんなことも多くありましたが、真っ白なキャンバスに色がついていくような、いままでに感じたことのないワクワク感で満たされていました。
時差通勤を利用し、保育園の送り迎えは夫と分担して何とか両立していましたが、通勤に1時間半ほどかかる職場ということもあり、夫婦ともに仕事や育児、家事の負荷が大きかったのも事実です。「このままでは家庭が崩壊してしまうのでは…」という不安と、「この子の“初めて”をすべて見届けたい」という気持ちがピークに達し、思い切って退職することにしました。この後、5年間を専業主婦として過ごします。

「雇われない=厳格な時間拘束のない働き方」の発想で試験勉強に着手

第2子が幼稚園に入園する年齢になり、子どもたちが不在の日中に自分の時間を取れるようになったことから、少しでも仕事をしようと思って情報収集を行う中で初めて知ったのが、診断士資格でした。
雇用の場合、時間拘束という意味ではフレキシブルに働くことは難しいと考え、フリーランスになろうと資格取得を目指したのです。社会保険労務士や行政書士などの資格もありましたが、人と接するのが好きなマルチプレーヤーの私にとって、中小企業診断士がぴったりだと感じました。
当時、収入のなかった私は、清水の舞台から飛び降りる気持ちで、診断士試験の参考書をまとめ買いしました。家事と育児の合間に、いままで知らなかったことを勉強することが楽しく、夢中になって取り組んだ甲斐もあり、運よく1年目で合格することができました。

本物の中小企業診断士に初めて出会う

予備校に通う時間もお金もなく、独学で試験勉強を行っていたため、中小企業診断士の世界は私にとって想像の中だけのものでした。そのような状態で、受験生支援団体が主催していた2次試験対策のセミナーに参加し、初めて本物の中小企業診断士の先輩たちに出会いました。
第一印象は、「みんな活き活きと話している。楽しそうでいいなぁ」。ここで初めて、中小企業診断士には具体的にどのような仕事があり、どのような人たちがこの資格を取得しているのかを知りました。
この後、2次試験にも無事、合格するのですが、ここでのご縁が現在の私の診断士活動につながっていきます。これまで触れることのなかった業種・業界の方や中小企業経営者など多くの方にお会いすることとなり、専業主婦から一気に世界が広がりました。

現在は講師として登壇する機会も増えてきた
現在は講師として登壇する機会も増えてきた

(つづく)

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