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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(13)>

文:安藤 準(中小企業診断士)

【第1回】紆余曲折して見つけた天職~中小企業診断士に出逢い、そして独立を決心~

2017年1月31日更新

独立した中小企業診断士――その想いは人それぞれだと思います。
私の中小企業診断士としての独立への想いは、子どもの頃から紆余曲折を経て変化してきたやりたい仕事の先にありました。そんな自身の経緯を振り返ってみます。

学生時代になりたかったもの

愛知県の片田舎にある、ごく普通のサラリーマン家庭に育った私は、地味で真面目な反面、人と違うことをしたがる子どもでもありました。

ボランティアでキャンプのお兄さんをして、子どもの前で話す面白さを感じ、将来は「教師」になりたいと思ったのが中学生のとき。目の前の人に役立つ仕事がしたくて、「医師」になりたいと思ったのが高校生のとき。さらに、社会で創意工夫をして生き抜く「ビジネス」に興味を持ったのが大学生のときでした。工学部に進学して技術者を目指しながらも、戦国時代のように戦略と知恵を絞るビジネスに憧れたのです。そして就職時には、今後大きな革命が起きると信じたIT業界に興味を持ち、NECに入社しました。

その一方で、私はやりたい仕事として「人と違うビジネス」、「人の役に立つ」、「人前で話す」という要素を想い続けることになります。

中小企業診断士の研究会にて
中小企業診断士の研究会にて

NECで"修羅場"と"ベンチャー"を生きる

NECに入社した私は、2つの技術と経験を身につけました。

1つ目は、IT技術です。配属されたのはシステム障害に対応する専門組織。複雑化するシステム障害を解決するために新しく組織された部署でした。私はそこで修羅場のような経験を積み重ね、IT技術を鍛えられることになります。

携帯電話を24時間肌身離さず、何かあればすぐに駆けつけ、障害分析から顧客への謝罪、専門エンジニアのマネジメントまで対応します。非常に厳しい仕事でしたが、幅広いIT技術、マネジメント力などを総合的に鍛えられました。

2つ目は、ベンチャー企業の経験です。会社は大きいものの、私の所属部署は新しく、事実上小さなベンチャー企業でした。そのため、一人二役、三役をこなさねばならず、技術者、営業、人材育成、品質管理、QC活動、組織の仕組みづくりなど幅広い仕事を求められたのです。

いま振り返れば、当時の私は幸いなことに、一部署でありながら、中小企業のベンチャー精神とIT技術が育まれる環境にいました。こうして、「IT」と「中小企業のベンチャー精神」が私の仕事の軸として形成される結果となったのでした。

大企業の閉塞感の中で中小企業診断士資格を取得

私が中堅社員となった2009年、リーマンショックの影響もあり、日本のIT業界は長びく不景気で苦戦が続いていました。群雄割拠のグローバル時代、GoogleやAppleなどの新興IT企業が勢いをつける中で、私は「会社の経営方針はこれで良いのか?」と疑問を持ち始めました。毎年、短期的な数字を追い求めることが多くなり、経営方針に疑問を感じるようになったのです。そして、「自分が社長ならこうする」という少し生意気な意識を持つようになり、その延長で「自分で思うようなビジネスがしたい」と考えるようになりました。

とはいえ、自分で思うようなビジネスをするためには、出世して社長になるか、自身で会社を作るしかありません。そこで「経営の勉強をしよう」と思い、勉強の目標として目をつけたのが中小企業診断士資格だったのです。ここから、私の受験生活が始まります。

しかし、独学で勉強を始めて3年が経ったものの、なかなか合格できません。そこで、4年目に覚悟を持って予備校に通い、ようやく合格することができました。

そんな中、この4年間で私には変化が起きていました。中小企業診断士の仕事自体に興味がわき始めたのです。以前から、経済番組で特集される活気のある中小企業を見ながら、「うらやましい」、「かかわりたい」という想いがありましたが、資格の勉強をするうちに、「カリスマ性のない自分は社長には向かないが、社長をサポートする中小企業診断士には向いているかもしれない」と思うようになったのです。

そして私は、合格と同時に、昔イメージした自分に近づいていきます。

商工会でITセミナーの講師を行う
商工会でITセミナーの講師を行う

独立を決心

合格後、私は先輩診断士の話を聞き、「診る」だけでなく、「話す」、「書く」など幅広い仕事があることを知りました。それはまさに、子どもの頃にイメージしていた「人と違うビジネス」、「人の役に立つ」、「人前で話す」、さらには「IT」と「中小企業のベンチャー精神」という仕事と重なります。

こうして私は、「中小企業診断士として生きよう」と決心。いままでの想いがつながり、人生の使命を得た気分でした。以来、私は中小企業診断士が天職であると確信し、迷うことなく独立に向けて邁進していくこととなります。診断士試験合格後に迎えた、元旦の朝の決心でした。

(つづく)

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