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駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(11)>-梅津勝明さん-

取材・文:村田 朗(中小企業診断士)小泉 岳利(中小企業診断士)

【第2回】町ぐるみで起業家を応援

2016年6月14日更新(取材日:2016年4月5日)

第2回は、茨城県取手市が掲げている「起業家タウン構想」や、梅津さんが副センター長を務めている「Match-hako(マッチ箱)」などについてお話を伺いました。

起業という選択肢をもっと広めたい

―取手市では、なぜ起業家を支援しようとしているのでしょうか。

「Match-hako(マッチ箱)」が入っている取手駅前ビルは、もともとは大手の商業施設だったのですが、撤退してからしばらくは空きビルになっていました。最近になってスーパーが入るなどして少しずつ埋まってきましたが、6階より上にはまだ何も入っていません。郊外の都市はどこも似たような状況かもしれませんが、取手市でも人口がジリジリと減っており、それに伴って活気が少しずつ失われています。

このような状況への対策の1つとして、町ぐるみで起業家を応援していこうという雰囲気、風土、環境、文化を作っていくのが「起業家タウン構想」です。起業家にとってメリットのある都市であれば人が外からも入ってきますので、それによって賑わいを創出しようということです。

「Match」プロジェクトのオープニングセレモニー(2016年2月3日)
「Match」プロジェクトのオープニングセレモニー(2016年2月3日)

―「起業」というと、どうしてもハードルが高いように感じてしまいます。

日本はもともと起業意識が低いため、もっと起業という選択肢があることを訴えることが必要だと思っています。

たとえばいま、「起業家タウン構想」に賛同してサポートを申し出ていただいた方々を「起業応援団」として、皆さんのお店の前に"のぼり"を立てていただいています。この"のぼり"を子どもが見て「あれは何?」と聞き、親が「起業を応援しているお店のしるしだよ」と答えるという会話につながればと思っています。子どもたちがもっと起業について話題にすれば、起業家が憧れの存在になるかもしれません。

このように、レンタルオフィス施設だけで起業家を応援・サポートするのではなく、町ぐるみで、市内の企業さんが先輩として起業家を応援・サポートしながら、起業に対する知名度を上げて認知度も高めていく。それによって、皆が起業をしやすくなる雰囲気を作ろうというのが「起業家タウン構想」です。

起業家も自分たちも自立する

―「起業家タウン構想」における「Match-hako(マッチ箱)」の位置づけを教えてください。

「Match-hako(マッチ箱)」は、会員制の起業支援型レンタルオフィスですが、コワーキングとインキュベーション、チャレンジスペースが併設されるという新しいタイプのオフィスです。現在ここに入っているのは、デザイナーや経営コンサルタント、福祉関係のNPO法人の方などですが、異業種の方が集まるため、フリースペースでの交流などから新しいものが生み出されればいいなと思っています。

また、フロア内には「チャレンジスペース」というエリアがあります。いきなりお店を出すのは敷居が高いかもしれませんが、このスペースを使えば、実際にお店を出す前に自分の作ったものを試しに売ったり、ネイルなどのサービスを試しに提供したりすることができます。このような形で「Match-hako(マッチ箱)」が、少しでも起業家のお手伝いをできたらと思っています。

―オフィスの利用者は、月額使用料を払うようですね。

こういった施設はよく補助金による家賃補助のようなものがありますが、ここは会員様から月額使用料をいただいています。月額使用料を設定することにより、起業家が補助金に頼って、いつまで経っても自立運営できないという問題の回避を狙っています。また、「Match-hako(マッチ箱)」自体もいまは補助金をいただいて稼働していますが、2年後には自立することを目指しています。月額使用料は、そのための収益源の1つです。

―ほかにも何か収益源として考えているものはありますか。

広告収入を考えています。そのための活動の一環として、「Match-46(マッチ・ヨム)」というフリーペーパーを毎月発行しています。先日、第2号を発行しましたが、私が起業家の応援団でもある8人の社長さんにインタビューをして記事を書いています。ここでは、放送作家の経歴や中小企業診断士になってからの取材・執筆の経験が活きています。

「Match-46(マッチ・ヨム)」は現在、取手市内を中心に3,000~4,000部が配られています。このフリーペーパーの発行部数をもっと増やし、認知度を高めていくことが当面の目標です。認知度が高まり、広告掲載料をいただけるようになれば、それがもう1つの収益の柱になるのではないかと思っています。また、ホームページをもっと整備して、ここにも広告を載せるようにしていきたいですね。

(つづく)

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