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独立直後の診断士をレポート

駆け出し診断士の奮闘記

<駆け出し診断士の奮闘記(7)>

文:大森 渚(中小企業診断士)

【第3回】「株式会社」の「代表取締役」になるということ[1]

独立を果たした私は、2013年4月に、株式会社オージュ・コンサルティングとして法人登記を行いました。

大森渚さん
制作会社の代表者として、
撮影現場に立ち会う

2013年4月に法人登記を行った私は、それまで個人事業で営んでいたオージュ・コンサルティングオフィスを、株式会社オージュ・コンサルティングとしました。

ご存じのように、法人には法務や税務の面で手のかかることも多いため、「何で法人にしたの?」とよく聞かれます。そのようなときには、2つの答えを用意しています。

1つは、業務内容上、外部に対してある程度の信頼感が必要になったからです。私の仕事は、クライアントに直接見積もりを出すケースがほとんどで、特に制作の仕事をする際は、法人にしたほうが有利だと感じたのです。

もう1つは、外部に対して自分の本気度を見せたかったからでした。私は女性で、しかも既婚です。既婚女性が自分で事業を行う際、どうしても「主婦の趣味で仕事をしている」、「実際には旦那さんの収入で生活している」という色眼鏡で見られてしまう場合があります。そこで、「私は自分の事業に対して覚悟があります」という気持ちを外に見せる必要がありました。その一番手っ取り早い手段が、「株式会社」の「代表取締役」になることでした。このような理由から、私の社長1年目がスタートしたのでした。

夫を取締役に任命

法人設立にあたり、夫には取締役になってもらいました。第一の理由は、男性の後ろ盾があることで、トラブルなどのリスクを避けるためです。また夫には、経理や総務関連の業務を全面的に委任しました。具体的には、請求書の発行、入出金の管理、経費の計算、事務所の備品の調達などです。

当初は、自身の売上や経費をすべて把握されることに少し抵抗がありました。しかし、書類に不備がないかをダブルチェックできたり、金銭面で客観的な視点を持てたりという意味では、十分に分業体制にするメリットがありました。また、何事にも大雑把な私に対し、夫は細かいことにも気づくため、そういう意味でも頼んで良かったと思います。私が日々の雑務を気にせず、コンサルティングや企画に没頭できるのも、夫のおかげです。

ビジネスパートナーに恵まれる

販売促進コンサルタントという仕事は、決して珍しくありません。また、Webサイトや印刷物を作る会社も、星の数ほどあります。それでも、後発中の後発である私の会社が順調に滑り出せたのは、ビジネスパートナーに恵まれたからと言っても過言ではありません。

私の会社のビジネスパートナーは、デザイナーやカメラマンなどのクリエイターがほとんどです。広告や制作の業界では、良いクリエイターと出会うのはとても難しいと言われますが、非常にセンス良く、優秀な方に恵まれています。広告物の制作には、一度として同じことはなく、どんなに準備しても予測不可能な事態が起きることがあります。また、私が原因でクリエイターたちに迷惑をかけてしまうこともあります。そんなときでも、何とか一緒に乗り越えてくれるクリエイターの皆さんには、本当に感謝しています。

新しい仲間が増える

独立当初の私は、「人を雇う」ことに関して消極的でした。中小企業診断士になって経営者の話を聞く機会が増え、毎月何もしなくても出て行く固定費の恐ろしさを耳にしていたからです。そのため、ギリギリまでは自分と家族だけで仕事をこなしていこうと思っていました。

しかし、ありがたいことにお仕事をいただく機会が増え、忙しくなるにつれて、少しずつ無理が出てきました。ピーク時は、1日5ヵ所を訪問し、その間に書類を作成、睡眠は3時間で、食事は1日1回という日々。そのような生活を半年ほど続け、体力的に限界を感じた私は、ついにスタッフを雇う決心をしました。

現在は、知り合いのデザイナーに週に1回来てもらい、細かいデザイン作業をはじめ、資料作成や調べ物を手伝ってもらっています。週1回とは言え、誰かに手伝ってもらうことで、非常に楽になりました。また、スタッフと分担して仕事をすることで、自分だけでは浮かばなかったアイデアが出てきたり、客観的な意見を聞けるようになったりしたのも嬉しいことでした。

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